研究発表抄録

演題番号 001〜050     051〜100     101〜150     151〜195     シンポジウム等


001 MR検査 3T
  3TMRI用32チャンネルコイルの初期検討
姥 浩二 佐賀大学医学部附属病院放射線部
【目的】今回当院では3TMRI用32チャンネルコイルを導入した。使用に伴い、3TMRI用32チャンネルコイルの初期的検討を行う。
【方法】1.SNR、均一性の測定既存の12chコイルと32chコイル及び22chコイルをNEMA法に沿って測定を行った。2.CNRの測定健常ボランティアの心筋短軸像より測定を行った。
【結果】32チャンネルコイルは良好なSNRを示した。32チャンネルコイルは短時間で良好な画像を得ることができる。息止め時間を短縮できるため、患者さんの負担を軽減できる。従来と同じ検査時間では、従来より高SNRな画像を得ることができる。
共同演者
堂込 清史
北村 茂利
一瀬 木立
浦辺 好
秋山 義弘
阿部 一之
所属
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
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002 MR検査 3T
  3TMRI装置のT1強調画像の最適化
若松 重良 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
【目的】3TMRI装置では、SNRの増加による画質の改善が報告されているが、それ以外に組織のT1値、T2値が1.5Tと比べて変化し、特にT1値が延長する。それにより最適な撮像シーケンスおよびパラメータが変化する可能性がある。そこでファントムを使用して、3TでのT1強調画像の最適化を検討する。
【方法】3T装置でボランティアの脳の白質のT1値を測定し、それに合わせたファントムをゼラチンで作成し、そのファントムに径の異なる空洞を作り、異なる造影剤濃度の造影剤を入れ、径と造影剤濃度の異なるコントラストディテールファントムを作成した。そのファントムを様々なシークエンスおよびパラメータで撮像を行い視覚的評価、定量的評価をおこないT1強調画像の最適化を行った。
【結果】3T装置では1.5Tと比較して、T1強調画像のコントラストの変化やSNR増加により、最適なシーケンス及びパラメータが異なるので、注意が必要である。
共同演者
肥合 康弘
小味 昌憲
尾道 三一
中戸 研吾
桑野 真由美
清水 雅司
吉村 丈晴
谷 憲樹
所属
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学大学院保健学教育部保健学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
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003 MR検査 3T
  3TMRIにおけるVISTAを用いた3D TSE-T1WIの至適撮像パラメータの検討
岩永 崇 九州大学病院医療技術部放射線部門
【目的】従来の3DT1WIはFFEやTFEなどのGRE系のシーケンスが主流であったが,VISTAを用いることでTSEによる3DT1WIの撮像が可能となった.TSEで撮像することによって,従来のGRE系では高信号に描出されていた血流の信号を消すことができ,脳内meta検索において小さな病変の拾い上げに有用と考えられる.そこで今回,3TMRIにおけるVISTAを用いたTSE-3DT1WIの至適パラメータの検討を行ったので報告する.
【方法】TE,RA(Refocusing Angle)およびTRを変化させて自作のGd希釈ファントムを撮像し,各々の撮像条件においてコントラスト,S/Nおよび画質の評価を行った.
【結果】TEを短くするにつれてよりSE-T1に近いコントラストを得ることができたが,S/N,画質ともに低下した.RAを下げてTRを短くすることによってTEの延長によるT1コントラストの低下を改善することが可能であった.また,画質およびS/Nも改善した.TE20msec.RA130deg.TR345msec(shortest)がコントラスト,S/Nおよび画質において総合的によい結果となった.
共同演者
小林 幸次
宮崎 仁志
舩津 亮平
山下 泰生
西川 啓
古閑 省一
中村 泰彦
所属
九州大学医療技術部放射線部門
九州大学医療技術部放射線部門
九州大学医療技術部放射線部門
九州大学医療技術部放射線部門
九州大学医療技術部放射線部門
九州大学医療技術部放射線部門
九州大学医療技術部放射線部門
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004 MR検査 3T
  3TのMRAと64列CTの血管描出能の比較
清水 雅司 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
【目的】臨床において3TのMRIが使用可能になり、1.5TのMRIよりも画質が向上しているという報告が多い。今までは血管撮像に関してはCTAが標準として使われていたが、3Tになったことによる画質の向上でMRAとCTAの画質の差がかなり小さくなったのではないかと考えられる。そこで3TのMRIによるMRAと64列CTによるCTAについて動脈瘤ファントムを用いて評価を行い、比較検討を行った。
【方法】1mmから5mm径まで1mmごとに大きさの異なる動脈瘤が配置されているファントムを用い、臨床で用いられている撮像方法でCTAとMRAとの視覚評価および定量的評価を行う。CTAは造影剤濃度を変化させることによって血管のコントラストを変化させ、MRAはマトリックスサイズと撮像時間を変化させることによって血管のコントラストおよび空間分解能を変化させて、撮像条件の最適化を図った上での比較を行う。
【結果】動脈瘤の評価と言う面では、3TでのMRAはCTAに劣らない描出能があることがわかった。
共同演者
肥合 康弘
小味 昌憲
羽手村 昌宏
池田 龍二
清水 紀恵
尾道 三一
中戸 研吾
吉村 丈晴
所属
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学大学院保健学教育部保健学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
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005 MR検査 3T
  躯幹部MRAにおける3Tと1.5Tの比較
中戸 研吾 熊本大学大学院保健学教育部保健学専攻
【目的】躯幹部・四肢領域のMRAは、造影MRAが主流となっていた。しかし近年、造影剤の副作用の問題などによりFBIやNATIVEなどと呼ばれる非造影MRAが注目されている。一昨年より3Tの装置が広く臨床で使われるようになったが、その磁場強度において、この領域でのMRAは、まだ最適化が行われていない。そこで今回、ファントムを用い3TのMR装置で撮像パラメータの最適化を行うとともに狭窄性病変の描出能を評価し、1.5Tの結果と比べどのくらい変化があるか調べた。
【方法】狭窄率10〜90%の狭窄を持つ6mm径の模擬血管ファントムに拍動流ポンプで模擬血液を流し、NATIVEと造影MRAを1.5Tと3TのMR装置で撮像し、パラメータの最適化を行う。また、それぞれの磁場強度における描出能を評価し比較する。
【結果】1.5Tの結果と比較して、3TのMR装置の方が、描出能が向上していた。今後、パラメータの最適化をすすめて、より侵襲の少ない非造影MRAの有用性を高めていかなければならない。
共同演者
肥合 康弘
小味 昌憲
桑野 真由美
清水 雅司
若松 重良
谷 憲樹
藤本 翔
尾道 三一
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
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006 MR検査 3T
  3T-MRI装置を用いた肺静脈の造影MRIの検討
高石 朋毅 熊本大学附属病院医療技術部
【目的】肺静脈狭窄疑いの症例に対して胸部造影MRI検査を行い、肺動脈と肺静脈を分離するための最適条件を検討した。
【方法】使用装置はphilips社製Intera Achiva 3.0T Ver.2.5を用いた。ファントム撮像において1dynamic scan timeを最短にするため、4D-TRAKを用い、TR/TE=3.4 / 1.08 msec、FOV=400mm、FA=20°、slice数=100slice、 thickness=1.6mm、SENSE factor=2とした。Injectorは日本MEDRAD社製で造影剤注入量は体重×0.2 mlとし、フラッシュは生理食塩水を40〜50 mlとした。同様に数症例において画像を評価した。
【結果】今回、検討した条件では、症例数は少ないが肺静脈と肺動脈の分離ができ、十分な解剖構造と肺静脈の評価ができた。その詳細について報告する。
共同演者
小味 昌憲
森田 康祐
坂部 大介
林泰 宏
原田 美保
橋田 昌弘
所属
熊本大学附属病院医療技術部
熊本大学附属病院医療技術部
熊本大学附属病院医療技術部
熊本大学附属病院医療技術部
熊本大学附属病院医療技術部
熊本大学附属病院医療技術部
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007 MR検査 非造影
  躯幹部MRAにおける造影と非造影の比較
桑野 真由美 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
【目的】現在、躯幹部・四肢領域のMRA検査においては造影MRAが主流となっている。しかし近年、NSFなどの副作用を考慮してFBI、NATIVEなどと言われる非造影MRAが注目され、様々な研究が進められている。そこで今回、1.5TMR装置でファントムを用い狭窄性病変の描出能を評価し、非造影MRAの手法と撮像パラメータの最適化を行うとともに造影MRAとの比較を行う。
【方法】狭窄率10〜90%の狭窄を持つ6mm径の模擬血管を持つファントムに拍動流ポンプで模擬血液を流し、NATIVEと造影MRAを撮像し、非造影MRAについてパラメータの最適化を行う。また、それぞれにおける狭窄性病変の描出能を評価し比較する。
【結果】撮像パラメータを上手く調節することで、非造影MRAにおいても造影MRAに近い画像が得られた。今後、患者への侵襲という面を考慮すると、非造影MRAの必要性が高まると考えられるので、よりいっそうの最適化を図る必要がある。
共同演者
肥合 康弘
尾道 三一
中戸 研吾
小味 昌憲
清水 雅司
若松 重良
谷 憲樹
藤本 翔
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本大学大学院保健学教育部保健学専攻
熊本大学医学部附属病院医療技術部診療放射線部門
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
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008 MR検査 非造影
  NATIVE法による非造影MRAの至適パラメータの検討
池田 真菜美 佐賀大学医学部附属病院放射線部
【目的】近年、Gd系造影剤による副作用として腎性全身性線維症(NSF)が話題になり、非造影のMRA検査が注目されている。そこで今回、NATIVE法による非造影MRAの至適パラメータの検討を行う。
【方法】特に下肢領域に注目してファントムと同意を得たボランティアによる実験を行う。MAGNETOM Avanto A Tim System(1.5T)において各種パラメータを変化させ、ファントムを撮像する。評価は視覚評価と信号測定よる物理評価で行う。ファントムでの実験結果をもとに、同意を得たボランティアを撮像し評価を行う。
【結果】各種パラメータを最適化することで、良好な画像を得ることができる。今後SARの問題を考慮しつつ、高磁場化によるSNRの向上と高分解能化を目指す。
共同演者
秋山 義弘
一瀬 木立
浦辺 好
北村 茂利
姥 浩二
堂込 清史
阿部 一之
所属
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
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009 MR検査 非造影
  非造影Hybrid MRAの臨床応用の基礎的検討
吉留 寛 宮崎大学医学部附属病院 放射線部
【目的】Time-of-Flight(TOF)に、乱流や低速流に適しているflow-depasingを用いたFlow-Sensitive Black-Blood(FSBB)法を、dual echoを用いて組み合わせたHybrid MRA(HMRA)について基礎的検討及び臨床応用の可能性について検討を行ったので報告する。
【方法】HMRAシーケンスの1st echo のTE=6.4ms(TE1)は固定で、2nd echo(FSBB ,TE2)のTE2及びflow dephase強度bを変化させて検討を行った。TEの設定や処理ではSimple Weighted Subtraction(SWS)、Frequency Weighted Subtraction(FWS)を検討した。又従来使用してきたSORS-TOF-MRAとの比較も行った。
【結果】平均年齢25.5歳のボランティア のHMRAにおいて、TEが短い方が脳底部の磁化率による背景信号の影響は小さかった。FSBB法の原画より脳実質と中大脳動脈とのCNRはb=1~4の間で優位な差はなかった。Hybrid MRAの条件は、TE2=23.8ms、b=2が最適であると考えられた。処理法の検討においては、SWS単独ならp<0.05が軽減し、さらに高周波成分の強調をくわえたFWSにより血管描出能の向上が可能となった。HMRAではSORS-MTCよりも抹消血管の描出能は改善した。
共同演者
東 敏也
中村 貴
四元 雄矢
紫垣 誠哉
小玉 隆男
矢野 貴徳
木村 徳典
溜渕 陽子
所属
宮崎大学医学部附属病院 放射線部
宮崎大学医学部附属病院 放射線部
宮崎大学医学部附属病院 放射線部
宮崎大学医学部附属病院 放射線部
宮崎大学医学部附属病院 放射線科
宮崎大学医学部附属病院 放射線科
東芝メディカルシステムズ
東芝メディカルシステムズ
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010 CT検査 撮影技術
  チルトヘリカルスキャンの基礎的検討 -ヘリカルスキャン進行方向とガントリ傾斜角度について-
水城 理雄 産業医科大学病院
【目的】近年、頸部CT-Angio検査では金属義歯からのアーチファクトの影響を避けて撮影することのできるチルトヘリカルスキャンが多く使用されている。チルトヘリカルスキャンはガントリ傾斜を伴ったヘリカルスキャンであり、体軸方向の位置情報を考慮した再構成が必須であることから、画質に関する報告はこれまでのも多数見られる。今回、我々はヘリカルスキャンの進行方向とガントリ傾斜が順方向と逆方向の場合の画質について検討を行ったので報告する。
【方法】(1)本検討では、ガントリ傾斜角度が変化してもノイズ量を一定にする必要があるため、CT-AEC(Volume-EC)の精度についての確認を行った。(2)順方向、逆方向にガントリ傾斜角度を変化させ傾斜角度と画質について評価を行った。
【結果】
共同演者
古海 誠
小川 正人
所属
産業医科大学病院
産業医科大学病院
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011 CT検査 撮影技術
  東芝Aquilion64におけるチルトヘリカルの有用性
福田 徹 長崎大学医学部・歯学部附属病院 医療技術部 放射線部門
【目的】東芝メディカル社製のMDCTにおいては、チルトヘリカルによる撮像が可能である。その有用性については目視による確認はなされているが、定量的な評価ははっきりとしていない。今回、櫛形ファントムを用いて、そのMPR像のプロファイルカーブから評価をした。
【方法】東芝Aquilion64を用いて、櫛形ファントム(0.3〜0.55mm)を0.5mmx4列、16列、32列、64列モードで撮像した。ヘリカルピッチとチルト角を変化させ、得られた画像はZIOSTATIONを使い、プロファイルカーブを作成した。プロファイルカーブのCT値の山の高さを定量値として評価した。
【結果】どの撮像条件でも櫛の形状は認識できた。プロファイルカーブのCT値の山の高さはチルト角0゜のときヘリカルピッチの影響は少なかったが、チルト角が広がるにつれピッチの影響が大きくなった。また、オフセンターの測定では更に影響が増加した。過度のチルトヘリカルにおいては、形状の過小評価をする事が考えられる。
共同演者
 
所属
 
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012 CT検査 撮影技術
  ワイヤファントムを用いたスライス面内のスライス厚特性評価
古海 誠 産業医科大学病院
ヘリカルスキャンではX線ビームの広がりと補間再構成法によってスライス面内においてスライス厚が変動することが知られており、中心部と周辺部の違いを把握することは大きな意義を持つ。しかし、周辺部のスライス厚測定方法については微小球体法やコイン法ではX線ビームの広がりの影響で正確なSSPが得られない欠点が指摘されていることから、昨年開催された第2回九州医療技術学術大会において紹介したヘリカルスキャン用ワイヤファントムを用いてスライス面内のスライス厚特性の評価を行ったので報告する。ヘリカルスキャン用ワイヤファントムにはワイヤ角度45°のTypeAと30°のTypeBがあるが、本検討では回転中心から全て対称形に作られたTypeAを使用した。なお、ワイヤ径は直径0.2mmで、これにより補間再構成による影響やX線ビームの広がりによる影響を軽減でき正確なスライス面内のスライス厚特性評価が可能になると思われる。
【方法】
【結果】
共同演者
小川 正人
所属
産業医科大学病院
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013 CT検査 撮影技術
  CT画像におけるアーチファクト定量評価の試み
大石 芳貴 産業医科大学病院放射線部
【目的】ヘリカルスキャン法やマルチスライスCT装置の登場でアーチファクトの発生要因が益々多岐に渡り増加しているなかで、アーチファクトの有無や量を捉え認識することは装置管理や臨床評価において重要なことであるが、現在のところ視覚評価が主体で定量化できる方法については未だに確立していない。アーチファクトはCT画像上において様々な形状を呈するが、ここでは発生頻度の高いストリーク状アーチファクトを解析対象とした。このアーチファクトの特徴は、幾つもの細い線状陰影が現れ、バックグランドのノイズに比べ濃度変動が大きい点や空間周波数領域において中・高周波数成分を多く含んでいる点などが挙げられる。今回、ストリーク状アーチファクトをパワースペクトルよりRMS変動値および1次モーメント求めて定量化を試みたので報告する。
【方法】
【結果】
共同演者
村上 誠一
小川 正人
所属
産業医科大学病院放射線部
産業医科大学病院放射線部
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014 CT検査 計測
  腹部MDCTを用いた肝体積の自動計測
宮野 拓也 熊本大学保健学科
【目的】生体肝移植にはドナーの肝体積の計測は重要である。本研究では、腹部MDCTにおける門脈相の画像を用いて、肝体積の自動計測法を開発したので報告する。
【方法】本手法開発のために、肝硬変を有する12症例を使用した。全てのCT画像は、4列のMDCT(GE社製、Light Speed QXi )にて撮像された門脈相の造影CT画像であった。また、マトリックスサイズは512×512、スライス厚は2.5mmであった。まず、固定した関心領域から肝臓の平均CT値を求め、それを基 にしきい値処理などを用いて各スライスでの肝臓候補領域を決定した。次に、候補領域を体軸方向に連結させて、最大体積となる3次元領域を肝臓と決定した。最後に、領域拡張処理で肝臓境界を決定し、各スライスの肝臓領域面積を積算して肝体積を求めた。
【結果】本手法と手動法による肝体積結果を比較したところ、良い一致を示した。肝体積の自動計測結果についての詳細は当日報告する。
共同演者
堀 大輔
杉本 崇大
桂川 茂彦
所属
熊本大学大学院保健学教育部
熊本大学大学院保健学教育部
熊本大学保健学科
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015 CT検査 計測
  肝臓体積計測専用アプリケーションを用いた測定値と作業効率の検討
小早川 由実 熊本大学医学部附属病院
【目的】現在肝臓の体積を測定する際,CT画像を使って手動で肝領域を抽出しており,1症例に約1時間程度が必要となる.しかし,肝臓領域を自動抽出するアプリケーション(以下,専用アプリケーション)を用いることで測定時間が短縮できると考える.本研究では,手動と専用アプリケーションを用いた測定で肝臓体積の測定値と測定時間を比較検討する.
【方法】専用アプリケーションにはMyrian(Intrasense社製)を用いた.10症例に対して,5人の技師がMyrianを用い肝臓の体積計測を行い,その測定値と手動での測定値との差を比較した.
【結果】手動での測定と計測ソフトを用いた測定との測定誤差は数%以内であった.また,手動での測定よりも短い時間で計測することができた.【結論】2つの測定方法による肝臓体積に大きな誤差がなく,専用アプリケーションを用いることで作業時間が短縮できるため,業務の効率化が期待できる.
共同演者
池田 龍二
下之坊 俊明
松岡 史織
甲斐 祐大
徳田 正樹
橋田 昌弘
所属
熊本大学医学部附属病院
熊本大学医学部附属病院
熊本大学医学部附属病院
熊本大学医学部附属病院
熊本大学医学部附属病院
熊本大学医学部附属病院
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016 CT検査 計測
  CT内臓脂肪測定における撮影基準の検討
岡崎 亜美 産業医科大学病院
【目的】近年、予防医学の重要性が提言されたことから内臓脂肪蓄積量に関する関心も高く、多くの施設でCTによる内臓脂肪測定が行なわれるようになってきたが、撮影条件に関する基準は明確になっていない。今回、FatScanファントムを試作し、CT内臓脂肪測定における撮影基準について検討を行なったので報告する。
【方法】スキャン方法、管電圧、管電流、スライス厚等の撮影条件を変化させてFatScanファントムの撮影を行い、得られた画像のヒストグラムを解析した。
【考察】CTでの内臓脂肪測定は、通常の診断画像とは異なり、内臓脂肪測定のみを目的としているため、測定精度や再現性を確保しつつ被ばく低減を図ることが重要であり、今回の検討結果が撮影基準の提言に繋がることを期待する。
共同演者
小川 正人
所属
産業医科大学病院
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017 CT検査 計測
  CT装置における体脂肪計測に影響する諸因子について
市原 正道 宮崎大学医学部附属病院 中央放射線部
【目的】メタボリックシンドロームや生活習慣病は動脈硬化を引き起こす確率が高く、内臓脂肪が大きく影響していると言われている。そのため、肥満の予防や管理において内臓脂肪測定が必要不可欠となっている。今回、CTにおいて体脂肪計測ソフト(J-MAC SYSTEM社製)を使用する機会があったので、内臓脂肪型肥満検査を諸因子で検討したので報告する。
【方法】CT画像を用いて内臓脂肪(VFA)皮下脂肪(SFA)腹囲(WC)を自動測定するFat Checkerを使用し、臍部のCTより内臓脂肪面積を算出した。今回、スライス厚、造影の有無、しきい値による変化について検討した。
【結果】スライス厚、造影の有無、しきい値を変化させt検定を行った結果、有意差がみられた。したがって、内臓脂肪型肥満検査を行う際は、これらの諸因子を考慮する必要がある。
共同演者
白石 実
中村 貴
北里 裕美子
紫垣 誠哉
牛鼻 健二
所属
宮崎大学医学部附属病院
宮崎大学医学部附属病院
宮崎大学医学部附属病院
宮崎大学医学部附属病院
ジェイマックシステム
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018 CT検査 計測
  Lumen View(ストレートCPR)における径及び距離計測の検討
福元 健 霧島市立医師会医療センター 放射線室
【目的】近年WSにて冠動脈や頸動脈などの血管解析が幅広く行われるようになったが、今回管の径や距離の計測値と実測値を検討するとともに、他の管腔臓器に応用できないか検討した。
【方法】@造影剤で満たした直径3・5・8mmの3種類のチューブを撮像し、0.625mmに再構成後Advantage Workstation(以下AW)にてそれぞれ径を計測し、比較。A上記のチューブ(径5mm)、長さ20cmを使用し、形状を2種類(A.緩い曲線 B.強い蛇行)に変化させ撮像し、AWにてそれぞれの距離を計測し、比較。B総胆管結石術後症例における径および結石のサイズを計測し、超音波による計測及び摘出後の実測値と比較。※計測方法(処理方法)は冠動脈解析モードより、Curved MPRとLumen Viewにて、2点間の計測を行い、比較。Lumen View作成は、複数の技師で行った。
【結果】いずれも Lumen View による計測値が実測値とほぼ近い値であった。処理を行う技師間で多少の誤差が見られた。詳細は当日報告とする。管腔臓器における径及び距離計測はLumen view で行うことでより正確な距離計測が可能と考えられる。
共同演者
平賀 真雄
中村 克也
坂口 右己
佐々木 崇
塩屋 晋吾
橋本 隆志
田崎 夕里
所属
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
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019 乳房検査 撮影
  デジタルマンモグラフィにおけるCR装置とFPD装置の比較
吉富 尚子 白十字病院
【目的】当院では2008年2月より直接変換方式FPDマンモグラフィ装置を導入した。そこでCRマンモグラフィ装置との比較を行ない、FPDマンモグラフィ装置の特性を確認する。
【方法】156ファントムをFPD・CRそれぞれ同条件にて撮影し、ハードコピー・ソフトコピーで画質の評価を行った。次に平均乳腺線量を測定し、比較を行った。最後に検査スループットの比較としてCC・MLOの両側2方向について撮影開始から終了までの時間を計測した。
【結果】156ファントムを用いた画質の評価は、FPDのほうが良い結果が得られた。平均乳腺線量は共に約2mGy程度で大きな差は無かった。しかしながら、デジタル装置は機器的な面から線量が多くなることが懸念される為、撮影モードをよく理解して使用することが望ましいと考えられる。検査時間は現像時間や確認モニタへの表示時間が影響し、CRのほうがが長くかかる。よって、スループットはFPDが良いことが確かめられた。"
共同演者
前田 毅
田中 加寿子
天野 清子
横田 かおり
所属
白十字病院
白十字病院
佐世保中央病院
佐世保中央病院
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020 乳房検査 撮影
  乳腺撮影用computed radiography (CR)イメージングプレート3種の物理特性の比較
張 鉄嬌 九州大学保健学科
【目的】異なる3種類の乳腺撮影用CRイメージングプレート(IP)の物理特性を比較した。
【方法】検討したIPは富士フィルムメディカル社製のHR-BD(塗布型)と、コニカミノルタヘルスケア社製のRP6M110(塗布型)とCP1M200(蒸着型)の3種類である。まず、東芝社製MERMAIDで、管電圧28kVpにて2mAs-160mAsの範囲で撮影し、入出力特性を算出した。また、modulation transfer function (MTF)の算出には、専用スリット撮影装置を用いた。Wiener spectrum(WS)およびMTFを、中部部会と画像研究会が共同で開発した解析ソフトで算出した。
【結果】WSに関しては、3種のIPで主走査方向と副走査方向で若干の差がみられた程度であった。一方、MTFは蒸着型のCP1M200が他の塗布型の2種に対し、高い値を示した。
共同演者
太田 知世
矢加部 真理
利根 裕史
輿石 知宏
畔柳 宏之
杜下 淳次
坂井 修二
所属
九州大学保健学科
九州大学保健学科
九州大学保健学科
コニカミノルタヘルスケア
富士フィルムメディカル
九州大学保健学科
九州大学保健学科
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021 乳房検査 撮影
  ディジタルマンモグラフィの画像処理パラメータの検討〜よりよい画像を目指して
稲留 久恵 財)昭和会 今給黎総合病院 中央放射線部
【目的】2007年3月にケアストリームヘルス社製Direct View CRシステムが当院に導入され、マンモグラフィシステムがディジタルシステムに更新された。更に、SPが従来のEHR-M Screenから鮮鋭性が改良されたEHR-M2 Screenに移行し臨床使用を開始したが、視覚的に目立った変化が見られなかった。そこで今回、画像処理パラメータを変更し比較検討を行ったので報告する。
【方法】EHR-M2 Screenにおいて画像処理パラメータを変更し、物理特性を確認後、高濃度、不均一高濃度、乳腺散在の各乳腺構造に対し視覚評価を行い、最適な画像処理パラメータについて検討した。
【結果】各乳腺構造に対し、最適な画像処理パラメータが異なることが確認できた。今後この検討をもとに、パラメータを変更し臨床で使用し、更に検討を行いより良い画像を目指していきたい。
共同演者
馬場 なつき
丸尾 美由紀
室屋 純一
所属
財)昭和会 今給黎総合病院 中央放射線部
財)昭和会 今給黎総合病院 中央放射線部
財)昭和会 今給黎総合病院 中央放射線部
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022 乳房検査 撮影
  マンモグラフィにおける照射野内での線質の変化
宇野 善徳 九州大学医学部保健学科
【目的】マンモグラフィにおいては、胸部などの高電圧撮影に比べ、ヒール効果の影響が大きい。ヒール効果においては、照射野内の位置によって線量だけでなく線質も変化すると考えられ、これらが画質や被曝線量に影響する。本研究では照射野内での場所による線質の変化を測定した。
【方法】照射野内での位置による線質の違いを、半価層および実効エネルギーを求める方法と、90°散乱線スペクトルを求める方法の二通りの方法で測定した。測定はSilicon photodiode(pin)とCdTe 半導体検出器を用いて、照射野内で胸壁から2cm、9cm、16cmの三点について行った。
【結果】半価層から求めた実効エネルギーは照射野内で大きくは変わらなかった。照射野内での90°散乱線スペクトルは若干の変化が認められた。得られた散乱線から計算により直接線を求め、比較・検討を行う予定である。
共同演者
川口 聡一郎
山口 義樹
山城 紘介
坪田 恵里
有村 秀孝
東田 善治
豊福 不可依
所属
九州大学医学部保健学科
九州大学医学部保健学科
福岡大学病院
京都大学病院
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
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023 乳房検査 撮影
  マンモグラフィーにおける乳房温度変化による画像の影響
岩狭 悟司 アドベンチストメディカルセンター
【目的】マンモグラフィーを行う前に乳房を直接温めることにより圧迫時の乳房の伸展向上及び痛みの軽減が予想できる。しかし画像にどのような影響があるかは定かでない。そこで乳房の伸展以外の画像に対する影響を検討する。今回基礎データとし乳腺の無い男性乳房を対象に検証を行った。
【方法】被写体:男性4名 撮影部位:左乳房 撮影体位:LM 乳房の表面温度及び心拍を記録し、平常時と加温時・冷却時・心拍負荷時の撮影を行い、濃度・陰影・乳房の伸展・圧迫時の痛みの変化を検証。
【結果】乳房を温める事により血管及び繊維陰影が明瞭になり、逆に冷やす事により不明瞭になる事が解った。また心拍上昇により血管及び繊維陰影が明瞭になる場合もあるが温める事に比べ変化がとぼしい事が解った。同時に乳房を温める事で乳房並びに筋肉が柔らかくなり、圧迫時の伸展向上及び痛みの軽減が確認できた。
共同演者
普天間 透
金城 良紀
所属
アドベンチストメディカルセンター
アドベンチストメディカルセンター
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024 乳房検査 撮影
  乳房撮影装置の自動露出機構(automatic exposure control:AEC)精度についての検証
−第2報 密度依存性に対する検討−
早野 瑞穂 北九州総合病院 放射線科
【目的】第2回九州放射線医療技術学術大会においてAEC感度領域内はどの位置においても一定の感度を呈し、密度の均一な物質に対しては高い精度で動作している事を報告した。しかし臨床においては、密度の異なる組織が混在する乳房にAECを配し、撮影線量を決定している。そこで今回はAEC感度領域を覆う物質の密度が不均一の場合においても、均一な場合と同様にAECが高い精度で動作しているか検証した。
【方法】当院の装置は2種類のAECサイズ変換機構を搭載している。それぞれのサイズにおいて以下の項目を検証した。(1)AEC感度領域に密度の異なる物質を配し、物質の占有割合を変化させた時の撮影線量の確認。(2)(1)で得られた撮影線量でACR-156ファントムを撮影した時の画質への影響確認。
【結果】AEC感度領域を覆う物質の密度および物質の割合に応じて高い精度で撮影線量が決定されていた。
共同演者
渡辺 亮
青木 崇祐
所属
北九州総合病院
北九州総合病院
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025 乳房検査 評価
  拡大ディジタルマンモグラフィの研究
田中 延和 九州大学大学院 医学系学府保健学専攻
【目的】拡大ディジタル撮影における欠点は,拡大による焦点の不鋭,利点は見かけのピクセル寸法の改善である.そこで本研究ではこれらのトレードオフを考慮し,ディジタルシステムの画質特性を活かした小拡大ディジタルマンモグラフィを提案し,物理特性および視覚評価から,最適な小拡大ディジタルマンモグラフィについて検討する.
【方法】マンモグラフィでは通常,密着撮影が0.3mm,拡大撮影が0.1mmの焦点サイズが使用されている.本研究では両サイズの焦点を使用し,平均乳腺線量を一定に保った時の物理特性,および検出特性について検討した.物理特性として散乱線含有率,解像特性,粒状性,DQEを測定した.また視覚評価として,模擬微小石灰化や腫瘤の検出能を調べた.
【結果】測定結果から密着撮影に比べ,小拡大撮影で解像特性の改善が見られた.このことから,小拡大ディジタルマンモグラフィの有用性が示唆された.
共同演者
中 健太郎
東田 善治
熊澤 誠志
所属
九州大学大学院 医学系学府保健学専攻
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
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026 乳房検査 評価
  乳房画像における低コントラスト物質の検出―シャウカステンの輝度と検出能―
川本 光紗 九州大学医学部保健学科
【目的】乳房撮影に使用されるフィルムは、高コントラストで高濃度領域まで直線部を有する特性を持っている。乳房画像はわずかな濃度差を表現するため高輝度シャウカステンを用いて観察することが推奨されている。本研究では、異なる背景濃度に存在する模擬病変の検出能と、シャウカステンの輝度の関係について観察実験から明らかにする。
【方法】背景濃度を低濃度から高濃度へと変化させて作成した、模擬病変が含まれる観察試料を、高輝度シャウカステンを用いて異なる輝度で観察した。観察実験を行い、輝度と検出能、背景濃度と検出能の関係について検討した。
【結果】シャウカステンの輝度を高くしたとき検出能は必ずしも上がらないという初期結果が得られた。また、背景濃度が高いフィルムを観察したとき、低い濃度のフィルムを観察したときより検出率が上昇した。このことから模擬病変の検出は、背景濃度によって影響を受けることが示唆された。
共同演者
東田 善治
熊澤 誠志
森永 由紀江
田中 延和
中 健太郎
田中 勇
畑田 俊和
所属
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
九州大学医学部保健学科
九州大学大学院 医学系学府保健学専攻
九州大学大学院 医学系学府保健学専攻
博愛会病院 放射線科
北九州市立医療センター 放射線科
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027 乳房検査 評価
  乳房画像における模擬石灰化や腫瘤の検出能−部屋の明るさと周辺光の影響−
森永 由紀江 九州大学医学部保健学科
【目的】マンモグラムの読影の際には、観察室を暗くする場合が多く、病変の検出能は観察環境の影響を受けると考えられる。しかし、高コントラストで高濃度領域まで直線部を有するフィルムの観察環境、特に部屋の明るさとシャウカステンの周辺光の影響については、あまり報告が見られない。本研究では、マンモグラムにおける環境照度及び周辺光と、模擬病変の検出能との関係を調べることを目的とする。
【方法】背景濃度が1.0〜3.0程度の中に模擬病変を含んだファントムを撮影した試料を用いて、異なる環境照度下で観察実験を行い、模擬病変の見え方の違いを調べた。また、シャウカステンのマスク有無の場合についても、同様に観察実験を行った。
【結果】シャウカステンが6000cd/u程度の高輝度の条件で観察を行った場合では、明・暗室での差はあまり見られなかった。高輝度の条件では、環境照度と検出能との関係は小さいと考えられる。
共同演者
川本 光紗
東田 善治
熊澤 誠志
田中 延和
中 健太郎
田中 勇
畑田 俊和
所属
九州大学医学部保健学科
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
九州大学大学院 医学系学府保健学専攻
九州大学大学院 医学系学府保健学専攻
博愛会病院 放射線科
北九州医療センター 放射線科
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028 乳房検査 評価
  マモグラムの乳腺実質濃度と分布量に基づく自動分類法の開発
山口 貴弘 九州大学医学部保健学科
【目的】マンモグラフィ検診精度管理中央委員会によって提唱されているマモグラムの分類は,乳房内の乳腺実質の量と分布に基づいて行われる.しかしこの分類基準を人間が行うには主観的である.そこで,コンピュータによる再現性に優れた自動的な分類を行うことを目的とする.
【方法】MLOで撮影したディジタルマモグラム(左乳房9枚,右乳房10枚)を使用し,画像の中から乳房領域を抽出し,さらに閾値処理等によって乳腺が存在する領域を求め,その領域内の乳腺実質の濃度と領域内に占める面積の割合から4つの分類(脂肪性,乳腺散在,不均一高濃度,高濃度)を行った.
【結果】画像上での乳腺実質の濃度と面積を解析して分類することで,医師が行った分類に近く再現性の高い結果を得られることが期待できる.
共同演者
杜下 淳次
日和佐 剛
高橋 慶多
橋本 義人
畠中 史郎
尹 湧I
所属
九州大学大学院 医学研究院
九州大学大学院 医学系学府
九州大学医学部保健学科
九州大学医学部保健学科
九州大学大学院 医学系学府
高麗大学校保健科学大学
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029 CT検査 頭頸部血管
  Test Injection法による脳血管3D-CTA撮影プロトコル適正化の試み
鷹尾 祐一 医療法人徳洲会 福岡徳洲会病院放射線科
【目的】当院の脳血管3D-CTAの撮影プロトコルは、造影剤を比較的短時間で注入し、静脈の描出を抑えながら動脈へのFast passを的確なタイミングでとらえることを目標としている。現在、動脈への到達時間の個体差を解消する方法として、Bolus tracking法、Test injection法が挙げられるが、Bolus Tracking法を用いて撮影を行う場合、術者の能力差、造影経路不良などの理由で、まれに、目的の画像を取得できないことがある。今回は、Test injection法を用いて脳血管3D-CTA撮影プロトコルの適正化を試みた。
【方法】Test injectionにより得られたTDCを解析し、解析結果から予測される本スキャンのピーク時間を基準として、スキャン開始時間の検討を行った。また、Test injectionの動脈のピークCT値を測定し、その数値から本スキャンの動脈のCT値の予測を行い、予測数値と実測値を比較検討した。また、予測数値が低い場合において、注入レートをあげる、注入時間を長くする、などの対処法について検討した。
【結果】データ収集中につき詳細は学会場にて報告する。
共同演者
 
所属
 
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030 CT検査 頭頸部血管
  脳血管3D-CTAによるVR画像表示の基礎的検討
中島 裕介 大分大学医学部附属病院 医療技術部 放射線部門
【目的】近年、MDCTの普及に伴い脳血管3D-CTAの需要も高まってきている。当院は、本年4月にTeraRecon Aquarius NetStationがバージョンアップされ、脳血管を描出するアルゴリズムが付加された。これに基づき、現在設置されている2種のワークステーション(TeraRecon Aquarius NetStation、AZE VirtualPlase Lexus)において、骨除去方法の違いによるVR画像の描出能について検討を行ったので報告する。
【方法】同一患者のCTAデータから、それぞれのワークステーションで得られたVR画像について、主要血管の1次分枝、2次分枝径の半値幅を測定し、評価した。また、放射線技師による視覚評価を行い、描出能の検討を行った。
【結果】詳細については当日発表する。
共同演者
竹川 依梨加
吉田 幸人
城生 朋顕
志手 真理
高山 佳士
村上 康則
所属
大分大学医学部附属病院 医療技術部 放射線部門
大分大学医学部附属病院 医療技術部 放射線部門
大分大学医学部附属病院 医療技術部 放射線部門
大分大学医学部附属病院 医療技術部 放射線部門
大分大学医学部附属病院 医療技術部 放射線部門
大分大学医学部附属病院 医療技術部 放射線部門
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031 CT検査 頭頸部血管
  頭頸部CTAにおけるPrep機能を用いたモニタリング位置の検討
田中 順平 共愛会戸畑共立病院画像診断センター
【目的】当院の頭頸部CTA検査は64列MDCTを使用し、大動脈弓部からウィリス動脈輪までの撮影を行っている。広範囲かつ静脈の描出を抑えた撮影を行うためには、Real Prep機能に見られるような造影注入モニタリングを用いる必要があり、撮影開始タイミングとその位置を決定する必要がある。今回我々は、モニタリング位置を頸部と大動脈弓部に設定して撮影を行い、最適なモニタリング位置と開始タイミングについて検討を行ったので報告する。
【方法】総頸動脈と大動脈弓部レベルの両モニタリング位置で以下の検討を行った。@動脈の造影到達時間Aスキャン開始時間B撮影により得られた動脈CT値C動静脈の描出能の評価
【結果】総頸動脈と比較して大動脈でのモニタリングの方がCT値の上昇が早く、Prep時のタイムラグの影響も少ないため、早いタイミングでのスキャンが可能となり、広範囲なCTA検査においても静脈の描出を抑えることができた。
共同演者
山本 晃義
黒木 清己
平嶋 寿昭
所属
共愛会戸畑共立病院画像診断センター
共愛会戸畑共立病院画像診断センター
共愛会戸畑共立病院画像診断センター
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032 CT検査 頭頸部血管
  頸動脈CT-Angiographyによる狭窄率測定評価の有用性
渡邊 亮 北九州総合病院放射線科
【目的】当院では頸動脈の走行や狭窄・石灰化の状態観察を目的に頸動脈CT-Angiography検査(以下CTA)を行っていたが、今後新たに頸動脈ステント留置術前情報として狭窄率の評価が求められることになった。 そこで従来狭窄率測定を行ってきた血管造影検査(以下DSA) による測定結果との比較を基に、CTAによる狭窄率測定の有用性について検討した。
【方法】1. DSAおよびCTAを施行した症例において、DSAの2D画像とCTAのCurved-MPR画像を基に以下の方法にて狭窄率測定を行い、結果を比較した。 1)NASSET法による狭窄率測定。 2)DSAおよびCT各々の狭窄率測定用アプリケーションソフトによる血管断面積を基にした狭窄率測定。2. 径が把握できる模擬ファントムをDSA装置およびCT装置にて撮影し、1)2)と同様の評価を行った。
【結果】CTAによる狭窄率測定の有用性を確認することができた。
共同演者
青木 崇祐
早野 瑞穂
所属
北九州総合病院放射線科
北九州総合病院放射線科
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033 CT検査 頭頸部血管
  64列CTAの血管描出能の検討−造影剤濃度と線量の関係−
吉村 丈晴 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
【目的】造影CTAを行う際に、造影剤濃度つまり血液のCT値と線量との関係は血管描出能に密接に関係していると考えられる。そこで、ファントムを用いて造影剤濃度と線量を変えていき、血管描出能の評価を行い、被曝をできるだけ低減できる最適な線量および造影剤濃度を検討する。
【方法】シリコン製の10%〜90%の狭窄をもつ狭窄ファントムに造影剤濃度をCT値が250,300,350,400,450になるように調整した造影剤をファントムの狭窄部に注入し、64列CTで撮像する。このときに、線量を変化させていく。そして、視覚的評価および狭窄率を測定して物理的評価を行い、血管描出能を比較する。
【結果】各造影剤濃度において一定の血管描出能に達するための線量は変化していった。そのことから、線量、造影剤濃度と血管描出能の関係を把握することができた。
共同演者
肥合 康弘
羽手村 昌宏
池田 龍二
清水 紀恵
谷 憲樹
清水 雅司
藤本 翔
中戸 研吾
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学大学院保健学教育部保健学専攻
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034 CT検査 下肢血管
  Test injection法による下肢CTA撮影法の検討
清水 紀恵 熊本大学医学部附属病院 医療技術部
【目的】下肢のCT Angiography(以下CTA)の撮影では造影剤到達時間の個人差が大きいため、通常の短時間注入のプロトコールでは末梢の造影効果が安定しない問題が報告されている。Fleischmann等は造影剤注入時間と撮像時間の延長を提唱しているが、造影剤の使用量が多くなるという欠点があった。今回、私達は同時に広範囲の造影効果が評価可能なファントムを用いて、様々な造影剤到達時間での最適なプロトコールを決定したので報告する。
【方法】本研究で使用した機器は,PHILIPS社製のBrilliance64、血流評価用循環ファントム(以下TDCファントム)である。注入時間が15秒、25秒、35秒、可変(注入時間=造影剤到達時間)の4つの造影プロトコールで、ポンプの拍出量を1.7、 3.5、5.0 l/minと変化させた場合のファントム内5カ所の造影効果を測定した。各々のプロトコールで造影効果および造影効果の安定性について評価した。
【結果】ファントム実験の結果、短い注入時間では造影効果の安定性が悪く、長い注入時間では造影効果が低い結果となった。しかし、注入時間を可変させると造影効果も安定性も比較的保たれていた。【結論】下肢CTAのような広範囲撮影の場合には、可変注入時間のプロトコールは造影効果を保ちつつ、安定した造影効果を得るのに有用であると思われる。
共同演者
羽手村 昌宏
池田 龍二
徳田 正樹
粟井 和夫
中浦 猛
橋田 昌弘
山下 康行
所属
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊大医学部付属病院 画像診断・治療科
熊大医学部付属病院 画像診断・治療科
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊大医学部付属病院 画像診断・治療科
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035 CT検査 下肢血管
  下肢CTA撮影法の検討 〜Test injection法とBolus tracking法と撮影時間固定法〜
清水 紀恵 熊本大学医学部附属病院 医療技術部
【目的】下肢のCT Angiography(以下CTA)は、閉塞性動脈硬化症(ASO)や動脈瘤、動静脈奇形などの鑑別診断やバイパス術後の経過観察など様々な疾患の評価に用いられている。今回、当院の撮影法(Test injection法)とBolus tracking法と撮影時間固定法について比較・検討したので報告する。
【方法】本研究で使用した機器は、PHILIPS社製のBrilliance64、血流評価用循環ファントム(以下TDCファントム)である。ポンプの拍出量を2.0 l/minと5.0 l/minと変化させ、それぞれの撮影法で撮影を行い、TDCファントムの両端の造影効果を測定した。また、臨床例においてそれぞれの撮影法の比較を行った。
【結果】ファントム実験では、各々のプロトコールの造影効果および造影効果の安定性は保たれていた.また、臨床例にてCT値を比較した結果 Test injection法(可変注入時間のプロトコール)が比較的造影効果も安定性も保たれていた。【結論】今回のファントム実験と臨床例のデータから、当院の撮影法(Test injection法)の有用性が示唆された。
共同演者
羽手村 昌宏
池田 龍二
徳田 正樹
粟井 和夫
中浦 猛
橋田 昌弘
山下 康行
所属
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊大医学部付属病院 画像診断・治療科
熊大医学部付属病院 画像診断・治療科
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊大医学部付属病院 画像診断・治療科
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036 CT検査 下肢血管
  MSCTを用いた下肢動脈CTAにおける造影能適正化の検討
奥村 秀一郎 済生会熊本病院中央放射線部
【目的】MSCTでの下肢動脈CTAを目的とした検査にて、安定した造影効果と造影剤量の最適化するため、過去に撮影した臨床データを基に造影能の適正化について検討した。
【方法】造影剤を3.0mL/sで100mL、もしくは2.5mL/sで75mLと、生食を3.0mL/sで20mL後押しの固定造影法において、上行大動脈から膝下動脈までの10カ所のCT値を計測し、平均CT値と、全体の最大-最小CT値差を測定し、造影能に影響する因子の分析、体重当たりの必要ヨード量の検討をおこなった。また、注入時間20・25・30・35秒のデータより、最適な注入時間の検討をおこなった。十分な造影効果の指標として、平均CT値250HU以上、最大-最小CT値差150HU以下とした。
【結果】造影能に最も影響する因子は体重あたりのヨード量で、その必要量は450mgI/kgとなった。また、撮影時間を約20秒とした場合の最適注入時間は25秒となった。下肢動脈CTAにおいて、これらの造影法で検査することで、体重に見合った造影剤量を選択し、造影能の適正化が図れると思われる。
共同演者
田上 真之介
坂本 崇
井野 雅基
枦山 博幸
川上 恵
永田 智信
所属
済生会熊本病院中央放射線部
済生会熊本病院中央放射線部
済生会熊本病院中央放射線部
済生会熊本病院中央放射線部
済生会熊本病院中央放射線部
済生会熊本病院中央放射線部
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037 CT検査 下肢血管
  下肢動脈CTAにおける3次元再構成用画像の最適化
松本 亮二 九州大学病院医療技術部放射線部門
【目的】CTA撮影の中でも特にデータ量の多くなる下肢動脈のCTAにおいて至適再構成画像の検討を行う。
【方法】64列MDCTを使用し、まずワイヤーファントムを用いてMTFの測定を行う。次に、直径、及び造影剤濃度の異なる血管擬似ファントムを用いてテーブル移動方向に対して平行な場合と垂直な場合、及び45度斜め方向の場合でそれぞれ撮影を行いワークステーションにて閾値固定でスライス厚、スライス間隔を変化させて3次元画像を作成し、さらに、臨床画像において各スライス厚において3次元再構成された画像を用いて視覚的評価を行う。
【結果】物理評価、視覚評価共に有意差は見られなかった。広範囲なCTA撮影における3次元再構成用画像はその膨大なデータがサーバーやワークステーションに負荷をかけるので目的部位に応じて設定することが望ましい。
共同演者
粟元 伸一
所属
九州大学病院医療技術部放射線部門
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038 X線検査 DRシステム
  FPDの経年変化について−臨床的使用において−
佐藤 勇太 宮崎大学医学部附属病院放射線部
【目的】FPDは理論的に受光部の経年変化(劣化)はないと言われているが、臨床的にそれを証明したデータはない。そこで、FPD受光部の経年変化を調べるため、当施設でH19年3月に導入した東芝FPD装置の経年変化をデジタル値(以下D値)で評価した。
【方法】AEC回路の影響を排除するためにフォトタイマをOFFにしマニュアル撮影を行った。アクリル厚、照射時間一定で管電圧を変化させ撮影した画像の平均D値を計測した(管電圧依存性)。また、管電圧一定でアクリル厚、照射時間を変化させて撮影した画像の平均D値を計測した(照射時間依存性)。直接変換方式、間接変換方式の各FPDにおいて、D値の変化をある期間ごとに記録し、管電圧依存性、照射時間依存性を調べた。
【結果】装置導入から現在まではD値に変化は見られなかった。この結果から、臨床の場で使用しているFPDにおいては受光部の経年劣化はないものと考えられる。
共同演者
工藤 正喜
米田 寛彬
下新原 茂
上田 正美
紫垣 誠哉
所属
宮崎大学医学部附属病院放射線部
宮崎大学医学部附属病院放射線部
宮崎大学医学部附属病院放射線部
宮崎大学医学部附属病院放射線部
宮崎大学医学部附属病院放射線部
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039 X線検査 DRシステム
  腹部領域におけるFPD一般撮影装置・トモシンセシス機能の使用経験
篠原 暢孝 医療法人同心会 古賀総合病院 放射線技術部
【目的】当院では腹腔鏡下胆嚢摘出術の術前評価のため、DIC(点滴静注胆嚢胆管造影)時に断層撮影を行っている。今回、FPD一般撮影装置Defenium8000を導入し、トモシンセシス機能を使うことにより一般撮影装置で断層撮影が可能となった。DIC時断層撮影においての使用経験および基本特性の検討を行った。
【方法】Defenium8000には、部位に応じて5種類の振り角・画像収集枚数がプリセットされている。人体ファントムの胆嚢周囲撮影および模擬ファントム撮影において、DICに最適な振り角・画像収集枚数について検討した。
【結果】胆嚢など上腹部の撮影においては、照射野内に肋骨が入り、リップルアーチファクトの影響を受けるために、一概に腹部のプリセットである振り角・画像収集枚数が最適とはいえない。しかし、被爆量や息止め時間のことを考慮し、今後も検討していく必要がある。
共同演者
久峩 尚也
椎葉 拓郎
富山 朋和
黒岩 靖淳
前田 昌二
所属
医療法人同心会 古賀総合病院 放射線技術部
医療法人同心会 古賀総合病院 放射線技術部
医療法人同心会 古賀総合病院 放射線技術部
医療法人同心会 古賀総合病院 放射線技術部
医療法人同心会 古賀総合病院 放射線技術部
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040 X線検査 DRシステム
  SLOT SCANにおける基礎的検討第一報 臨床画像における有用性と注意点について
今村 憲司 三菱化学病院放射線科
【目的】島津社製透視装置SONIALVISION safire Uには、長尺の画像作成が可能なSLOT SCANがある。これは、長尺カセッテ使用による長尺撮影(以下、従来法とする)で問題となるX線束の拡がりによる画像歪や被写体厚による拡大を考慮し、狭い一定幅のスロット状X線束にて長軸方向に連続撮影し、画像を合成する。今回、SLOT SCANの臨床画像における有用性と注意点について報告する。
【方法】SLOT SCANと従来法の画像におよぼす影響について比較した。
【結果】従来法では、X線束の拡がりにより撮影位置に依存する形状の歪や、被写体厚の影響により長さ計測に誤差を生じたが、SLOT SCANでは軽減されていた。しかし、臨床画像において歪みを示唆する画像を経験したので、発生要因などについて、第二報で報告する。
共同演者
原田 昌彦
立川 茂
藤田 和也
柴田 康裕
所属
三菱化学病院放射線科
三菱化学病院放射線科
三菱化学病院放射線科
三菱化学病院放射線科
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041 X線検査 DRシステム
  SLOT SCANにおける基礎的検討第二報 画像歪の原因と対策について
原田 昌彦 三菱化学病院放射線科
【目的】第一報において、SLOT SCANの有用性について報告した。これは、SLOT SCANが、狭いX線幅で撮影し、長尺像を合成することや、被写体の高さに応じて出力画像の再構成高さを任意に設定できるなどの効果が大きいと考えられる。しかし、これらの特徴が画像歪の要因になっているとも考えられる。第二報では歪の発生原因と対策について検討した。
【方法】任意方向に鉛線を配置し、撮影条件(撮影モード、SID)、被写体高さを変化させ撮影を行った。得られた画像を任意の再構成高さで合成し、画像歪について評価した。
【結果】画像合成時の再構成高さを適切に設定することにより、長さ計測では高い精度が得られた。しかし、被写体と再構成の高さが異なるときは画像の歪を生じ、撮影条件によって歪の描出に変化がみられた。SLOT SCANではその特有のパラメータを理解し、その設定に留意する必要があると考えられた。
共同演者
今村 憲司
立川 茂
藤田 和也
柴田 康裕
所属
三菱化学病院放射線科
三菱化学病院放射線科
三菱化学病院放射線科
三菱化学病院放射線科
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042 乳房検査 線量・管理
  乳房X線撮影領域における被写体厚と入射線量の関係
岩切 希代 九州大学病院 医療技術部 放射線部門
【目的】乳房撮影では、高画質化を期待して乳房を圧迫する。また同時に大幅な線量低減も見込まれている。そこで今回、種々のファントムを使用し被写体厚と撮影条件・入射線量の関係を調べた。
【方法】ファントムとして、アクリル板、CIRS社マンモグラフィファントム、水を使用し、被写体厚を変化させ、一定の管電圧で撮影した。IP入射線量を一定とし、種々の被写体厚に対する撮影条件および入射線量を測定した。 また、理論式による検証として、NIST(National Institute of Standards and Technology)の質量吸収係数および密度の値を用いて、被写体厚と入射線量の関係を求めた。
【結果】アクリル板、マンモグラフィファントム、水による実測では、被写体厚が1cm薄くなるごとに入射線量は半分に近いものとなった。 理論式による検証でも、これらの3種類については、この現象を裏づけすることができた。 このことより、実測および理論上においても、被写体厚の減少に対する入射線量への影響を定量的に確認することができた。
共同演者
服部 昭子
所属
九州大学病院 医療技術部 放射線部門
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043 乳房検査 線量・管理
  当院マンモグラフィにおける撮影時の空間線量分布についての一考察
橋間 洋子 福岡大学病院放射線部
【目的】当院におけるマンモグラフィ(以下MMG)検査は近年、社会的な啓蒙活動の成果もあり、乳がんへの関心の高まりから精密検査・検診の件数はともに急増している。MMG検査時、撮影姿勢の保持が困難な患者への安全確保のためから、ときに撮影介助の機会がある。しかし、撮影時の空間線量分布についての検討や報告は少ない。低エネルギー領域での校正を行った電離箱サーベイメータを用いて、当院で行われた過去1年間の撮影条件(管電圧、mAs、乳房厚など)での最も頻度の高い撮影条件などいくつかの臨床条件における空間線量分布を測定したので、報告する。
【方法】人体ファントムを患者に見立てて被験者位置に設置し、散乱体に乳腺組織50%・脂肪組織50%のBRファントムを置いて、撮影時の空間線量分布の測定を行った。
【結果】詳しい結果については、当日会場にて発表する。
共同演者
柳田 弘子
王丸 明子
小野 茂樹
上野 登喜生
小沢 芳博
大曲 香織
所属
福岡大学病院放射線部
福岡大学病院放射線部
福岡大学病院放射線部
福岡大学病院放射線部
福岡大学病院放射線部
福岡大学病院放射線部
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044 乳房検査 線量・管理
  デジタルマンモグラフィにおける1ショットファントムの使用経験
白石 知美 長崎市立市民病院 放射線部
【目的】近年のデジタルマンモグラフィにおいて品質管理は重要である。今回、IEC−EUREFに準拠した管理項目を、短時間かつ簡便に測定することができる1ショットファントムを使用することができたので報告する。
【方法】28kV・Mo/Moにおいて、AECを変化させ、1ショットファントム・156ファントム・CDMAMファントム・169ファントムを用いて各項目について評価を行った。
【結果】今回の結果では、AECの変化によりCNRと画像均一性において測定結果に変動がみられた。特にCNRに関しては、mAs値の変動が大きかったにもかかわらず、メーカー推奨の参考値内(基準値±20%)であった。結論として、1ショットファントムは、日常において短時間かつ簡便に品質管理を行えるものであるが、参考値の上限値・下限値については、各施設で十分に考慮する必要があると考えられる。
共同演者
時田 善博
福重 佳智子
本村 壽浩
早田 誠
山口 秀樹
北村 千里
須藤 憲久
所属
長崎市立市民病院
長崎市立市民病院
長崎市立市民病院
長崎市立市民病院
長崎市立市民病院
長崎市立市民病院
長崎市立市民病院
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045 乳房検査 線量・管理
  1 Shot Phantom を用いたデジタルマンモグラフィーの品質管理:FCRとREGIUSでの使用経験
太田 知世 九州大学保健学科
【目的】富士フィルムメディカル(富士)社が開発した1Shot Phantomおよび1Shot mammography QC software(QCソフト)を、富士社製のFCR PROFECT CS (FCR)とコニカミノルタヘルスケア社製REGIUS MODEL190 (REGIUS)で使用する経験を得たので報告する。
【方法】1Shot Phantomを東芝社製MERMAIDで撮影し、撮影画像をQCソフトで解析し、日常点検評価に必要な10項目の結果を出力した。FCRおよびREGIUSにおける評価項目の基準値も作成した。
【結果】REGIUSではFCR同様、10項目の日常点検評価が行えた。しかし、FCRではCRコンソール上で自動的に点検が行えるのに比較して、REGIUSではQCソフトをインストールしたPC上でMS-Excelを用い基準値の作成を行わなければならず、簡易さという点で今後の改善が望まれた。
共同演者
張 鉄橋
矢ヶ部 真理
利根 裕史
畔柳 宏之
輿石 知宏
坂井 修二
所属
九州大学保健学科
九州大学保健学科
九州大学保健学科
富士フィルムメディカル
コニカミノルタヘルスケア
九州大学保健学科
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046 乳房検査 線量・管理
  乳がん検診に関する女性職員への意識調査
塩屋 晋吾 霧島市立医師会医療センター 放射線室
【目的】当院で乳がん検診を受診する職員は極めて少ない状況にある。そこで職員の乳がん検診に対しての理解度を把握するため、意識調査を行ったので報告する。
【方法】全女性職員202名に対し、乳がん検診の印象や重要性、乳がんについての理解度、受験歴、当院で受診する際の要望等、全7項目のアンケート調査を実施した。
【結果】検診の重要性や乳がんについての理解度は年齢・職種を問わず非常に高かった。これまで受診歴のない職員の理由として「きっかけがないから」が全体で最も多く、その中で今後は職員検診に組み入れて欲しいという願望が多くあった。当院で受診したいと答えた職員は全体の約3割で20代がその過半数を占めた。また受診する際の要望としてマンモグラフィ・超音波担当技師に認定所有の女性技師、視触診担当医師に女性医師を望む意見が圧倒的に多く、今後当院で職員の受診しやすい環境・体制を整える必要性が伺えた。
共同演者
田崎 夕里
橋本 隆志
福元 健
佐々木 崇
坂口 右己
中村 克也
平賀 真雄
所属
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
霧島市立医師会医療センター 放射線室
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047 CT検査 画質1
  自動露出機構(CT-AEC)による画質安定に向けた取り組み〜量子ノイズ低減フィルタ(QDF)の臨床的有用性について〜
青木 崇祐 北九州総合病院 放射線科
【目的】当院の肝臓ダイナミックCT検査においては、約30%の症例がCT-AEC(Real-EC)設定SD:10により最大線量(250mAs)を超える線量設定になっており、線量不足からなる量子ノイズの増加などが考えられ、診断価値の低い画像なっている事が危惧される。この領域において、QDFの使用が、線量不足を補うだけの有用性があるのか、実際の臨床画像をもとに比較検討を行う。
【方法】肝臓ダイナミック(平衡相)において、最大線量の設定になっている症例を対象に、2種類のQDF(2D mild 、2D strong)を使用し画像を作成、original画像との視覚評価を行う。
【結果】最大線量を超えている症例において、QDFの使用は、画質改善と共に臨床評価においても有用性が確認出来た。CT-AEC、QDFを共に使用する事により、被験者の体格に係わらない安定した画質の保持が可能になった。
共同演者
渡邊 亮
早野 瑞穂
松木 裕一
山口 晋作
所属
北九州総合病院 放射線科
北九州総合病院 放射線科
北九州総合病院 放射線科
北九州総合病院 放射線科
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048 CT検査 画質1
  CT-AECにおける設定最大管電流の検討:焦点サイズが及ぼす低コントラスト分解能への影響
林 六計 九州大学病院医療技術部放射線部門
【目的】近年、撮影線量の低減や画質の最適化を目的としてCT-AECが用いられている。当院のCT装置においてAECを用いて撮影を行う場合、撮影領域に管電流300 mAを超える部分が存在すると自動で小焦点から大焦点に切り替わるため肺野を含む撮影の際、空間分解能を考慮して最大管電流値を設定し、小焦点での撮影を行ってきた。腹部領域においても同様に小焦点を用いて撮影を行ってきたが、設定最大管電流値で抑制されることでAECの機能を十分に活用できていないと考えられた。よって焦点サイズ(小焦点、大焦点)が低コントラスト分解能に及ぼす影響について検討を行った。
【方法】64列MDCT:Aquilion64(東芝メディカルシステムズ社製)を用いて異なる焦点サイズで低コントラスト分解能測定用ファントムを撮影し、視覚評価および物理評価を行った。
【結果】CT値差15HUの球の検出能において、有意差はなかった。
共同演者
白坂 崇
所属
九州大学病院
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049 CT検査 画質1
  当院における検診用胸部MDCT撮影条件の検討
織田 信一郎 武雄市立武雄市民病院放射線科
【目的】当院における検診用胸部MDCT撮影条件の検討を、CT-AEC(Auto mA、Smart mA)を利用してNI(Noise Index)の値を変化させて行った。
【方法】LSCTファントムを使用し、当院での胸部ルーチン(精査用)の撮影条件(このときのNIは7.8)をもとにNIの値を10〜50まで5ステップで撮影し、模擬腫瘤の最小識別径、画像ノイズ、CNRを求め、またこのときの最適な再構成アルゴリズムの検討を行った。
【結果】画像ノイズ、CNRはNIが大きくなるに従って悪くなっていくが、最小識別径はNI30、35付近まではあまり差が無かった。低線量での画像再構成アルゴリズムはLUNGよりもノイズの少ないSTNDの方が良好な画像が得られた。【結論】NI15〜30の線量での撮影が妥当と思われ、NI15程度から始めて実際の画像を検討しつつ線量を落としていき、検診用胸部MDCT撮影での被爆低減に利用していくことが出来ると思われる。
共同演者
西山 健二
藤川 拡
山下 正一
所属
武雄市立武雄市民病院放射線科
武雄市立武雄市民病院放射線科
武雄市立武雄市民病院放射線科
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050 CT検査 画質1
  腹部CT撮影条件評価における施設間比較
神野 鮎美 宮崎社会保険病院放射線部
【目的】各施設で行われている腹部スクリーニングCT検査は、装置間によって検出器数も様々であり、スキャン数も自動露出機構が主流である。そこで複数施設で現在使用されている撮影条件をもとに線量や画質を調べ、比較検討を行う。
【方法】検出器数の異なる複数施設でそれぞれ水ファントムによるSD値、ウィナースペクトルを計測、catphan社のCTP424ファントムによる低コントラスト分解能評価、32cmアクリルファントムによるCTDI値、DLP値の計測を行い、比較検討を行った。
【結果】CTP424ファントムによる分解能評価はD施設が一番評価がよく、その他はほとんど差は見られなかった。またSD値、ウィナースペクトル共にA施設が一番良かった。CTDI値においてもA施設が一番低かったが、DLPに関してはC施設が一番低かった。これは各施設の撮影条件に加え、各装置の特徴なども関与してきていると考える。
共同演者
森岡 祐平
新佐枝 憲一
所属
宮崎社会保険病院放射線部
宮崎社会保険病院放射線部
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