研究発表抄録 |
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101 | 放射線治療 管理・精度 | |
CRを用いたLG用カセッテの基礎的検討 | ||
奥 好史 | 鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門 | |
【目的】現在使用しているコダック社製エルクエストCRカセッテは、撮影時金属増感紙をCRスクリーンに圧着するために、ロッドを引き撮影モードにして撮影を行い、読み取り時はロッドを元の位置に戻し処理を行うという作業が必要で、大変煩雑であった。試作された改良型はCRスクリーンと金属増感紙を一体化することで煩雑さを無くすとともにCRスクリーンの耐久性を向上させた。今回、試作カセッテを使用する機会を得て現行型と試作カセッテの基礎的検討を行ったので報告する。 | ||
【方法】撮影は、両方のカセッテとも同一の条件で行った。鮮鋭度の評価にはMTFを粒状性の評価にはWSで評価した。また、バーガーファントムを用い視覚評価を行った。視覚評価時の画像処理パラメータは同一のものを用いた。 | ||
【結果】試作カセッテは、物理評価において現行型と同レベルの鮮鋭性、粒状性を有していた。また、撮影時煩雑な操作を必要とせず、さらに軽量化を図ることで作業性の向上が期待される。 | ||
共同演者 池田 睦 小林 保浩 竹下 元士 福島 昇 |
所属 鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門 鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門 鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門 鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門 |
102 | 放射線治療 管理・精度 | |
宮崎県内8施設の皮膚マーキング方法に関するアンケート報告および比較、検討 | ||
樋口 和男 | 宮崎県立延岡病院放射線科 | |
【目的】宮崎放射線治療技術管理研究会の2008年度研究事業として、皮膚マーキング研究班が発足し、研究活動を行っている。今回、各施設の現状把握およびマーキング方法の改善を目的として、アンケート調査および比較、検討を行ったので報告する。 | ||
【方法】宮崎県内の放射線治療機器を有する8施設へのアンケート調査の実施各施設の皮膚マーキング方法の比較、検討 | ||
【結果】アンケート調査結果(皮膚マーキング方法、使用施設数、および平均識別可能日数) 既製品のペン型皮膚マーカー+スキンマーカー 2施設 3.5日、 既製品のペン型皮膚マーカー+テープ 2施設 3.5日、 市販の黒マジック+スキンマーカー 1施設 5.0日 市販の黒マジック、フクシン系の皮膚インクの使い分け 1施設 3.25日、 フクシン系の皮膚インク+テープ 1施設 5.0日、 フクシン系の皮膚インク 1施設 8.5日 各施設のマーキング方法の比較、検討については当日会場で報告する。 | ||
共同演者 柿木 正浩 山田 真吾 小早川 泰彦 四元 雄矢 福見 元明 小林 龍史 |
所属 独立行政法人国立病院機構 都城病院 (財)潤和会記念病院 宮崎県立日南病院 宮崎大学医学部付属病院 宮崎県立延岡病院 宮崎県立延岡病院 |
103 | 血管造影 画像評価 | |
64列CTとコーンビーム C-arm CTによるCTAの比較 | ||
谷 憲樹 | 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻 | |
【目的】血管造影装置によるコーンビーム C-arm CTが実用化され、臨床に活用されつつある。三次元的に血管の走行を見ることは臨床的に有用であり、従来から行われてきた通常のCTと比較してコーンビーム C-arm CTの血管描出能がどの程度かを比較することは重要であると考える。今回、ファントムを用い、64列CTの血管描出能との比較を行う。 | ||
【方法】64列CTと血管造影装置によるコーンビーム C-arm CTの血管描出能の比較を、狭窄ファントムを用いて行う。CT値が250、300、350、400、450になるように造影剤を作り、それぞれの造影剤の濃度で撮影条件を変えて撮像する。撮像された血管狭窄の視覚的評価および定量的評価を行う。 | ||
【結果】それぞれのモダリティでの各造影剤濃度での血管狭窄の描出能を把握することができた。今後よりいっそうコーンビーム C-arm CTの撮像条件の最適化を行い臨床に役立てていきたい。 | ||
共同演者 肥合 康弘 栃原 秀一 松岡 史織 甲斐 祐大 中戸 研吾 吉村 丈晴 藤本 翔 桑野 真由美 |
所属 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部附属病院医療技術部 熊本大学医学部附属病院医療技術部 熊本大学医学部附属病院医療技術部 熊本大学大学院保健学教育部保健学専攻 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻 |
104 | 血管造影 画像評価 | |
コーンビームCT装置の処理条件の最適化と装置間の比較 | ||
藤本 翔 | 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻 | |
【目的】熊本大学病院では、メーカの異なる2台のコーンビームCTが稼働しているが、臨床で使用している上で、それぞれの装置の特性の違いを経験することが多かった。そこで、血管狭窄ファントムを用いて、コントラストおよび分解能の違い中心として画質の比較を行い、臨床における使い分けを考察する。 | ||
【方法】A社とB社のそれぞれのコーンビームCTにおいて、血管狭窄ファントムを用いて撮影を行う。なお血管狭窄ファントムの狭窄率は10~90%である。そのファントムにCT値がそれぞれ250,300,350,400,450となるように造影剤の濃度を変化させて撮像を行い、主にコントラストと空間分解能について定量的評価および視覚評価を行い比較する。 | ||
【結果】2社の装置を比較をすると、それぞれ、コントラストと空間分解能で相反する特性を持つことがわかった。それぞれの装置の特性を理解して、検査目的に応じて使い分ける必要がある。 | ||
共同演者 肥合 康弘 栃原 秀一 松岡 史織 甲斐 祐大 中戸 研吾 谷 憲樹 吉村 丈晴 若松 重良 |
所属 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部附属病院医療技術部 熊本大学医学部附属病院医療技術部 熊本大学医学部附属病院医療技術部 熊本大学大学院保健学教育部保健学専攻 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻 |
105 | 血管造影 画像評価 | |
Allura Xper FD20装置を用いた肝動脈化学塞栓療法(TACE)における一考察 | ||
酒本 司 | 国立病院機構熊本医療センター放射線科 | |
【目的】当院では、クリティカルパス導入にともない、TACE4日後に腫瘍塞栓の確認CTを行っている。2007年10月にFPD搭載で、コーンビームCT(CBCT)が撮像可能な血管連続撮影装置Allura Xper FD20システムが導入され、横断像や3次元画像にて腫瘍の塞栓状態を術中確認することが可能となった。今回、当院で行われている術後の確認CTと術中CBCTの画像比較を行い、その有用性について検討した。 | ||
【方法】CBCTおよびCT装置の@コントラスト分解能A照射線量について検討した。【使用機器】撮影装置 血管造影装置 Allura Xper FD20(Philips製) CT撮影装置 Somatom Sensetion10 (Siemens製) 測定器 線量計 Radcal 9015 Chamber 10X5-3CT | ||
【結果】CBCTはコントラスト分解能において当院のCT画像に劣っていたが、腫瘍の塞栓状態の把握には十分なコントラストおよび分解能が得られていた。また、線量については、CBCTの方が約1.6倍の線量であったが、ICPR(1990)による放射線被ばくが人体に及ぼす線量を考慮すると、その差は問題ないものであった。術中にCBCTを撮影することで腫瘍の塞栓状態がリアルタイムに確認可能であり、しかも4日後の確認CTを省略することで患者負担も軽減できる、非常に有用なシステムであった。 | ||
共同演者 東 扇千子 井手口 忠光 西本 博美 |
所属 国立病院機構熊本医療センター放射線科 国立病院機構熊本医療センター放射線科 国立病院機構熊本医療センター放射線科 |
106 | 血管造影 画像評価 | |
コーンビームCTのアーチファクトと造影剤濃度について | ||
甲斐 祐大 | 熊本大学医学部付属病院 医療技術部 | |
【目的】C-arm回転撮影(以下、コーンビームCT)では、通常のCTに比べ、ストリークアーチファクトが見られる。今回、コーンビームCTのアーチファクトについて、データ収集方法の違いと造影剤濃度による解析を行ったので報告する。 | ||
【方法】撮影条件は、当院の腹部撮影で使用しているプロトコールを用いた。それぞれのプロトコールに対して、造影剤濃度を変化させ、コーンビームCTを撮影した。得られた画像より、それぞれアーチファクトを解析し評価を行った。 | ||
【結果】データ収集方法と造影剤濃度の違いで異なるアーチファクト量が得られた。今後は撮影目的に応じて、アーチファクトをできるだけ軽減できるような撮影プロトコールを検討していきたい。 | ||
共同演者 栃原 秀一 永末 望 松岡 史織 倉岡 杏希子 橋田 昌弘 |
所属 熊本大学医学部付属病院 医療技術部 熊本大学医学部付属病院 医療技術部 熊本大学医学部付属病院 医療技術部 熊本大学医学部付属病院 医療技術部 熊本大学医学部付属病院 医療技術部 |
107 | 血管造影 画像評価 | |
フラットパネルディテクタ(FPD)による三次元画像における歪みの検討 | ||
渡邊 由香 | 県和会大手町病院放射線科 | |
【目的】従来の血管撮影装置で得られる三次元画像は解剖学的位置の把握を主目的とされていたが、FPD搭載装置の普及により歪みの少ない画像が得られることから、血管内治療の際の血管径や角度測定、脳動脈瘤のサイズ計測に利用されるようになってきた。今回、当院に設置されているFPD搭載装置の三次元画像について、歪みの有無、再現性の検証を行なったので報告する。 | ||
【方法】1. 被写体として立方体アクリルファントム(以下ファントム)を用いる。2. ファントムをX、Y、Z軸方向に対し一定間隔に位置を変化させ、データ収集をする。3. 各データ収集位置での三次元画像を作成する。4. 三次元画像にてファントムの辺を測定する。なお、データ収集条件および三次元画像作成条件は常に同一とする。 | ||
【結果】データ収集位置により歪みが存在し、三次元画像の再現性が保たれなくなることが確認できた。 | ||
共同演者 森山 俊明 東 信一郎 井沢 弘幸 山田 比呂史 片山 武利 田坂 公司 |
所属 県和会大手町病院放射線科 県和会大手町病院放射線科 県和会大手町病院放射線科 県和会大手町病院放射線科 県和会大手町病院放射線科 県和会大手町病院放射線科 |
108 | 血管造影 画像評価 | |
「3D DSAのための血管ファントム」の応用(画像再構成パラメータ設定の判定) | ||
濱田 智広 | 国立大学法人 大分大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門 | |
【目的】九州循環器撮影研究会より「3D DSAのための血管ファントム」が開発されたが、このファン トムを使用して画像再構成パラメータを設定する際に応用したので報告する。 | ||
【方法】東芝製DSA装置の再構成PC上でユーザー側が設定可能なパラメータとしてフィルタ関数とLook Up Table(L値)の2通りある。血管ファントムを3D DSA撮影したデータに対し、フィルタは3種類、L値は6段階に変化させ、ZIO WorkStationにて画像処理しその血管描出を比較した。 | ||
【結果】各パラメータによる3D DSA画像の違いを評価できた。フィルタでは画像高周波成分の強調度が異なりノイズの差として描出され、L値では画像コントラストに影響する。血管ファントムは維持管理目的だけでなく、パラメータ設定の際に応用を試み、4種類の造影剤濃度での比較、径の異なる模擬血管での比較が可能できわめて有用であった。 | ||
共同演者 燒リ 育也 村上 康則 |
所属 国立大学法人 大分大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門 国立大学法人 大分大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門 |
109 | 核医学 画像再構成 | |
コリメータ開口径補正のHot Spot検出に対する有用性 | ||
浦辺 裕亮 | 熊本大学医学部保健学科 | |
【目的】臨床SPECT検査の再構成画像に対する画像補正には減弱補正、散乱線補正に加え、コリメータ開口径補正が用いられるようになった。そこで今回、SPECT性能評価ファントムを用いた実験を行い、コリメータ開口径補正を含む各画像補正法のHot Spot検出に対する有用性を検討した。 | ||
【方法】SPECT性能評価ファントム内に、径7mm-30mmの異なるSpotに99mTc水溶液を入れ、combined SPECT/CT 装置によりエミッションデータの収集、および減弱補正、散乱線補正(ESSE法)に必要なCTデータを収集した。評価方法は、各再構成画像の各Spotに対しプロファイルカーブを作成し、FWHMを算出、またSpot部とバックグラウンドとのカウント比を、コントラストとして算出することで行った。 | ||
【結果】検出されたSpotのFWHMはコリメータ開口径補正を加えた場合に、最も小さく算出された。又、バックグラウンドに対するコントラストは、散乱線補正およびコリメータ開口径補正を加えた場合に向上することが分かった。臨床的考察を行うと陽性病変検出においては、減弱補正に加え散乱線補正やコリメータ開口径補正を施行することにより改善するものと思われた。 | ||
共同演者 冨口 静二 勝田 昇 吉塚 伸行 鷹本 慶子 |
所属 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部附属病院医療技術部 熊本大学医学部附属病院医療技術部 日立メディコアプリケーション部 |
110 | 核医学 画像再構成 | |
コリメータ開口径補正のCold Spot検出に対する有用性 | ||
前田 悠葵 | 熊本大学医学部保健学科 | |
【目的】臨床SPECT検査の再構成画像に対する画像補正には減弱補正、散乱線補正に加え、コリメータ開口径補正が用いられるようになった。そこで今回、SPECT性能評価ファントムを用いた実験を行い、コリメータ開口径補正を含む各画像補正法のCold Spot検出に対する有用性を検討した。 | ||
【方法】SPECT性能評価ファントム内に、99mTc水溶液を均一に満たし、径7mm-30mmの異なるSpot(水で満たした)をランダム配置することでCold Spotを作成した。combined SPECT/CT 装置によりエミッションデータの収集、および減弱補正、散乱線補正(ESSE法)に必要なCTデータを収集した。評価方法は、各再構成画像の各Spotに対しプロファイルカーブを作成し、コントラストを算出することで行った。 | ||
【結果】コリメータ開口径補正を加えた場合には、全てのCold Spotに対するコントラストは向上する結果となった。特に、ファントム中心部付近に設置したCold Spotにおいてコリメータ開口径補正による補正効果が顕著に見られ、よりコントラストは改善した。臨床的考察を行うとコリメータ開口径補正を加えることで、深部の陰性病変検出能が向上するものと思われた。 | ||
共同演者 冨口 静二 勝田 昇 吉塚 伸行 鷹本 慶子 |
所属 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部附属病院医療技術部 熊本大学医学部附属病院医療技術部 日立メディコアプリケーション部 |
111 | 核医学 画像再構成 | |
コリメータ開口径補正のSPECT像均一性、濃度直線性に対する検討 | ||
長田 武虎 | 熊本大学医学部保健学科 | |
【目的】臨床SPECT検査の再構成画像に対する画像補正には減弱補正、散乱線補正に加え、コリメータ開口径補正が用いられるようになった。そこで今回、SPECT性能評価ファントムを用いた実験を行い、コリメータ開口径補正を含む各画像補正法のSPECT像均一性、濃度直線性に対する有用性を検討した。 | ||
【方法】SPECT性能評価ファントム内に、99mTc水溶液を均一に満たした場合(均一性の評価)、径20mmのSpot(計5か所) に99mTcを満たして濃度を1-1/32まで変えた場合(濃度直線性の評価)において、combined SPECT/CT 装置によりエミッションデータの収集、および減弱補正、散乱線補正(ESSE法)に必要なCTデータを収集した。均一性の評価は、ファントム内に円形ROIを設定し、ROI内の平均カウントとその標準偏差より、%RMSU(=100×SD/Mean (%))を算出した。濃度直線性の評価は、ファントム内の各スポットにROIを設定し、濃度の違いによる各補正法の濃度直線性を評価した。 | ||
【結果】均一性の評価は、コリメータ開口径補正を用いた場合の方が%RMSU の値は小さくなり均一性が良好であったが、画像上輪郭部(エッジ部)は強調される傾向も認められた。濃度直線性の評価は、コリメータ開口径補正を加えた場合においても十分に保たれる結果となった。最も均一性、濃度直線性が良かったのは、減弱・散乱線補正およびコリメータ開口径補正を全て施行したものであり、コリメータ開径補正の有用性が示唆された。 | ||
共同演者 冨口 静二 勝田 昇 吉塚 伸行 鷹本 慶子 |
所属 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部附属病院医療技術部 熊本大学医学部附属病院医療技術部 日立メディコアプリケーション部 |
112 | 核医学 画像再構成 | |
プラナー画像に対するAstonishTMの使用経験と基礎的検討 | ||
金縄 貴之 | 熊本大学医学部付属病院 医療技術部 | |
【目的】ガンマカメラを用いた核医学イメージングでは、コリメータによる距離に依存した空間分解能の劣化が生じる。当施設に導入されている画像再構成ソフトウェアAstonishでは、プラナー画像に対しても空間分解能補正を行える。今回、当施設におけるプラナー画像に対するAstonishの使用経験と補正効果について基礎的実験を行ったので報告する。 | ||
【方法】臨床検査においては、99mTc製剤による骨イメージングに応用した。基礎的検討については、99mTcを用いて空間分解能(FWHM,FWTM)等についてを評価した。 | ||
【結果】99mTc製剤による骨イメージングについては、多くの例で画質の向上がみられた。基礎的検討ではAstonishの空間分解能補正を加えることによりFWHMおよびFWTMの改善が認められたが、その改善効果は距離に依存していた。今後、さらにファントム実験によりAstonishの定量性について検討していきたい。 | ||
共同演者 吉塚 伸行 下之坊 俊明 勝田 昇 橋田 昌弘 松本 政典 古嶋 昭博 |
所属 熊本大学医学部付属病院 医療技術部 熊本大学医学部付属病院 医療技術部 熊本大学医学部付属病院 医療技術部 熊本大学医学部付属病院 医療技術部 熊本大学医学部 保健学科 熊本大学 生命資源研究・支援センター |
113 | 核医学 画像再構成 | |
ディジタルファントムを用いたSPECT画像の検討 | ||
河村 誠治 | 久留米大学病院画像診断センター | |
【目的】異なるSPECT間で画像再構成を行い、画像の検討を行うことは技術的にも臨床的にも重要なことである。そこで、日本放射線技術学会が開発したディジタルファントムを用いてSPECT画像の検討を行ったので報告する。 | ||
【方法】ディジタルファントムを四つの画像処理装置にインポートし、各画像処理装置上でSPECT再構成を行い画像の検討を行った。検討項目は、FBP法やOSEM法で再構成された画像、前処理フィルタ、部分容積効果、空間分解能などであり、これらについて検討を行った。 | ||
【結果】各画像処理装置において再構成画像は異なるカウントを示したが、画像のコントラストなどを相対値で評価した場合は同様の傾向を示した。ディジタルファントムを用いての検討は画像処理装置の特性および臨床画像の理解を深める上で有用と考えられた。 | ||
共同演者 |
所属 |
114 | 核医学 画像再構成 | |
SPECT/CTにおけるCTを用いた画像補正の有用性の検討 | ||
児玉 博和 | 宮崎県立日南病院 放射線科 | |
【目的】SPECT/CTでは,散乱・減弱補正にCTを用いるが,一体型のCTにおける散乱・減弱補正の有用性をファントムを用いて検討した. | ||
【方法】一体型のSPECT/CTを用いた場合と単体のCTを用いた場合で,ファントムを用いて行った.ファントムは,IB-20(京都科学)を用いた.画像再構成(FBPとOSEM)の違いと散乱・減弱補正の違いによる画像の違いを比較検討した. | ||
【結果】ファントム実験で,changの補正よりもCTによる散乱・減弱補正を行った方が画質の向上が認められた.カウントは,OSEMでCTによる減弱補正したものが一番高く,次にFBPでchangの補正,OSEMの補正なしの順に低くなった.また,プロファイル曲線から,頭部ヘッドレスト部やテーブルによる減弱を改めて確認できた. | ||
共同演者 甲斐 陽一 |
所属 宮崎県立宮崎病院 |
115 | 放射線治療 モンテカルロ(X線) | |
光子線の吸収線量測定における円筒形電離箱の壁の補正係数の評価 | ||
芳山 史晃 | 熊本大学医学部保健学科 | |
【目的】標準測定法01(JSMP-01)の光子線における円筒形電離箱の壁の補正係数Pwallをモンテカルロ(MC)計算により算出し、JSMP-01による解析的方法と比較する。 | ||
【方法】Co-60, 4, 10 MV光子線について、EGSnrc/egspp user codeを用いて実際の円筒形電離箱の幾何学的な形状と構造のシミュレーシンを行い、電離箱の空洞の吸収線量[Dair]cylを計算した。同様に、電 離箱壁を水に置換して空気の吸収線量Dairを計算し、Dair/[Dair]cylからPwallを算出した。一方、JSMP-01による解析的な方法からPwallを算出し、MC計算結果と比較した。さらに、水ファントム以外の肺等価および骨等価ファントムにおけるPwallについても計算した。 | ||
【結果】現在、Pwallの計算中である。 | ||
共同演者 荒木 不次男 上田 昌史 大野 剛 坂田 健太郎 橋本 知都 重冨 祐樹 |
所属 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 |
116 | 放射線治療 モンテカルロ(X線) | |
光子線の吸収線量測定における平行平板電離箱の壁の補正係数の評価 | ||
重冨 祐樹 | 熊本大学保健学科 | |
【目的】光子線の吸収線量測定における平行平板電離箱の壁の補正係数Pwallの評価をモンテカルロ(MC)シミュレーションを用いて行った。 | ||
【方法】EGSnrc/CAVRZnrc user codeを用いて平行平板形電離箱の幾何学的形状をシミュレーションし、電離箱の空洞の吸収線量[Dair]cylを計算した。同様に、電離箱壁を水に置換して空気の吸収線量Dairを計算し、Dair/[Dair]cylからPwallを算出した。 | ||
【結果】現在計算中である。 | ||
共同演者 荒木 不次男 上田 昌史 大野 剛 坂田 健太郎 橋本 知都 芳山 史晃 |
所属 熊本大学保健学科 熊本大学保健学科 熊本大学保健学科 熊本大学保健学科 熊本大学保健学科 熊本大学保健学科 |
117 | 放射線治療 モンテカルロ(X線) | |
光子線における水等価ファントムの物理特性の評価 | ||
橋本 知都 | 熊本大学医学部保健学科 | |
【目的】光子線における水等価固体ファントムを用いた水の吸収線量評価のために、固体ファントムの深さスケーリング係数cplと電離量変換係数kQ,plをモンテカルロ(MC)シミュレーションにより算出する。 | ||
【方法】光子線における固体ファントムのcplを求めるために、校正深の水等価深deqを相対電子密度とMCから求め比較した。MCではEGSnrc/DOSXYZnrc user codeを用いてTPR曲線を作成し、10-20 cmにおける回帰近似による水と固体ファントムの線減弱係数比からcplを求めた。kQ,plは水と固体ファントムの質量エネルギー吸収係数比および質量衝突阻止能比をMCから計算して求めた。固体ファントムはSolid WaterRMI457とTough Water WE211、Plastic WaterであるPW1030とPW1039、光子線エネルギーにはCo-60, 4, 6, 10, 15 MVを用いた。 | ||
【結果】現在、計算中である。 | ||
共同演者 荒木 不次男 上田 昌史 大野 剛 坂田 健太郎 芳山 史晃 重富 祐樹 |
所属 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 |
118 | 放射線治療 モンテカルロ(電子線) | |
電子線の線量測定における円筒形電離箱線量計の空洞補正係数の評価 | ||
大野 剛 | 熊本大学医学部保健学科 | |
【目的】標準測定法01(JSMP-01)の電子線吸収線量測定において、円筒形電離箱の空洞補正係数Pcavの値が 示されている。本研究では、モンテカルロ(MC)計算を用いてPcavを算出し、実験的に得られたJSMP-01値との比較・検証を行う。 | ||
【方法】EGSnrc/egspp user code を用いて円筒形電離箱の空洞をシミュレーションし、空洞中心を校正深より0.5r下に設定した。空洞は空気と同じ密度をもった水(Low density water, LDW)として、水/空気の質量衝突阻止能比の影響を除外した。MCでLDWの吸収線量DLDWと同じ校正深における水の吸収線量Dwを計算し、Pcav をDw/DLDWで求めた。Pcavは空洞のサイズを変え、12, 16, 20 MeV電子線について計算した。 | ||
【結果】現在、Pcavの計算中である。 | ||
共同演者 荒木 不次男 上田 昌史 坂田 健太郎 芳山 史晃 橋本 知都 重富 祐樹 |
所属 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 |
119 | 放射線治療 モンテカルロ(電子線) | |
電子線の吸収線量測定における平行平板電離箱の空洞補正係数の評価 | ||
坂田 健太郎 | 熊本大学医学部保健学科 | |
【目的】電子線の吸収線量測定における平行平板電離箱の空洞補正係数Pcavの評価をモンテカルロ(MC)シミュレーションを用いて行った。 | ||
【方法】EGSnrc/CAVRZnrc user codeを用いて平行平板形電離箱の空洞(電離体積)の幾何学的形状をシミュレーションした。その際、空洞空気の代わりに同じ密度をもった水(low density water, LDW)の吸収線量DLDWを求め、水と空気の質量衝突阻止能比の影響を除外した。水の吸収線量Dwは電離箱の測定深で求めた。Pcavは校正深におけるDw/DLDWから算出した。電子線のエネルギーは6, 9, 16, 20 MeVを使用した。 | ||
【結果】標準測定法01では平行平板形電離箱のPcavは1.0に仮定されているが、低エネルギーにおいてPcavは1.0より小さくなった。詳細については現在計算中である。 | ||
共同演者 荒木 不次男 上田 昌史 大野 剛 重富 祐樹 橋本 知都 芳山 史晃 |
所属 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 |
120 | 放射線治療 モンテカルロ(電子線) | |
電子線の吸収線量測定における平行平板形電離箱の壁の補正係数の評価 | ||
上田 昌史 | 熊本大学医学部保健学科 | |
【目的】平行平板形電離箱(NACP-02、ROOS)の壁の補正係数Pwallをモンテカルロ(MC)シミュレーションを用いて評価する。 | ||
【方法】EGSnrc/CAVRZnrc user code を用いてNACP-02とROOS電離箱の幾何学的形状と構造をシミュレーションし、実際の電離箱の空洞(電離体積)の吸収線量[Dair]ppを計算した。同様に、電離箱の壁を水に置換した空洞の吸収線量Dairを計算し、Dair/[ Dair]ppからPwallを求めた。電子線のエネルギーは6 MeV〜20 MeVを使用した。 | ||
【結果】標準測定法01では平行平板形電離箱Pwallは1.0に仮定されているが、NACP-02とROOSについては壁の補正の必要性が明らかになった。詳細については現在計算中である。 | ||
共同演者 大野 剛 坂田 健太郎 重富 祐樹 芳山 史晃 橋本 知都 荒木 不次男 |
所属 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 熊本大学医学部保健学科 |
121 | 放射線治療 モンテカルロ(電子線) | |
電子線治療における不均質領域の線量評価 | ||
福田 正悟 | 熊本大学院保健学教育部 | |
【目的】電子線治療における不均質領域の線量評価をモンテカルロシミュレーション(MC)、治療計画装置(RTPS)および測定値の比較で行った。 | ||
【方法】Varian Clinac iXの6, 9, 12, 20 MeV電子線の加速器ヘッドのモデリングをEGSnrc/BEAMnrc MC codeを用いて行い、水等価、肺等価および骨等価ファントムの組み合わせによる数種類の不均質モデルのPDDとOCRについてEGSnrc/DOSXYZnrc codeを用いて計算した。同様な不均質モデルにおいて、RTPSおよび測定によるPDDおよびOCRを求め、MCと線量比較を行った。 | ||
【結果】結果については、計算および測定中である。 | ||
共同演者 荒木 不次男 中口 裕二 |
所属 熊本大学院保健学教育部 熊本大学医学部附属病院医療技術部 |
122 | CT検査 腹部・造影剤 | |
当院における注入時間固定撮影法から見た体格と血管・肝臓とのCT値の関係について | ||
小浜 剛 | 医療法人 愛誠会 昭南病院 放射線科 | |
【目的】当院では造影検査のプロトコールは注入時間固定における体重あたりのヨード量一定にて検査を行っている。そこで臨床結果と身長・体重・BMIとの関係を検討する。 | ||
【方法】平成20年4月から、当院にて撮影した肝臓精査(n=23)・膵臓・胆嚢精査(n=21)での動脈相(腹腔動脈)・門脈相(門脈・肝臓実質)・平衡相(肝臓実質)でのCT値を測定し、身長・体重・BMIとの関係を検証した。 | ||
【結果】腹腔動脈のグラフでは体重で2.487x+149.48(相関係数0.53)、BMIでは7.984x+117.23(相関係数0.56)となり中等度の相関が見られた。また、BMI22.0を境に2群に分けた腹腔動脈のCT値は22.0以上では320.9±33.2HU、22.0以下では264.86±50.82HUとなり有意差(P<0.01)があった。このことより、注入時間固定・体重当たりのヨード量一定での時間固定法での撮影時では体重・BMIが高くなるにつれて血管のCT値は上昇する可能性がある。当日はより多くのデータの検証結果を発表する。 | ||
共同演者 熊谷 繁夫 坂口 智哉 小林 学 相川 晃太 永岡 良一 朝戸 幹雄 |
所属 医療法人 愛誠会 昭南病院 放射線科 医療法人 愛誠会 昭南病院 放射線科 医療法人 愛誠会 昭南病院 放射線科 医療法人 愛誠会 昭南病院 放射線科 医療法人 愛誠会 昭南病院 放射線科 医療法人 愛誠会 昭南病院 放射線科 |
123 | CT検査 腹部・造影剤 | |
呼吸が腎動脈分岐角度に及ぼす影響について | ||
九町 章博 | 北九州市立八幡病院放射線科 | |
【目的】昨年、第2回九州放射線医療技術学術大会において、経皮的腎動脈形成術(以下PTRA)支援におけるMDCTについての検討で、術前MDCTの有用性について報告を行った。 しかし、循環器内科医より“PTRA時の腎動脈造影(自然呼吸)と術前に撮影した腎動脈CTA(努力吸気+)では腎動脈分岐角度が異なる症例が存在する。”との指摘を受けた。 そこで今回、現在までにPTRAを行った約60名について、腎動脈造影時の腎動脈分岐角度の変動と、腎動脈CTA時の分岐角度を調査すると共に、その対策を報告する。 | ||
【方法】PTRA時の腎動脈造影(自然呼吸)において腎動脈分岐角度の変動幅(吸気時〜呼気時)を計測し、腎動脈CTA時の分岐角度がこの範囲内にあるか調査する。 | ||
【結果】約半数の調査が終了し、現在においても腎動脈CTA時の分岐角度が、腎動脈造影時の変動幅を超過する結果が出ている。詳細については後日報告する。 | ||
共同演者 満園 裕樹 |
所属 北九州市立八幡病院放射線科 |
124 | CT検査 腹部・造影剤 | |
大腸がん術前検査における内視鏡検査直後のCT Colonographyの有用性 | ||
村井 秀樹 | 医療法人白十字会 佐世保中央病院 放射線部 | |
【目的】当院での大腸がん術前検査は、CT検査、内視鏡検査や注腸検査が施行される。検査が数日間に及ぶため、患者は前処置や検査日数など負担が大きい。そこで、検査方法の検討を行い、内視鏡検査とCT Colonographyを組み合わせた検査法を検討したので報告する。 | ||
【方法】検査方法は内視鏡検査直後に腹部CT検査を施行した。前処置は内視鏡検査のみで、ファイバー抜去前に再度空気を送気させ、仰臥位にて撮影した。 | ||
【結果】CT Colonographyを行う事で、腸管の走行と病変の位置及び進達度の評価も可能となり術前検査として有用な画像が得られた。また、注腸検査が不要となり患者負担軽減、検査短縮及び早期手術が可能となった。【結論】内視鏡検査とCT Colonographyを組み合わせる事で術前検査の簡略化と患者負担の軽減に繋げることができた。今後は画質向上のために、腸管内残渣の処理や空気量の調整、鎮痙剤の追加といったCT検査における前処置や病変部位に応じた撮影体位について検討を行っていきたい。 | ||
共同演者 |
所属 |
125 | CT検査 腹部・造影剤 | |
ヨード量とCT値の基礎的検討 | ||
尾方 翔 | 国立病院機構九州医療センター放射線部 | |
【目的】八町らは撮影条件、CT装置間で造影効果に違いが生じると報告した。撮影条件を変化させた際のヨード量とCT値の関係、さらに装置間による造影効果の違いについて調べた。 | ||
【方法】X線CT装置: LSU 16(GE), Aquilion64 (東芝)自作CT値測定用ファントム(試験管にヨード量0〜24[mgI/mL]調製後、円柱容器に固定し、水を加えた)をコンベンショナルスキャンで撮影し以下の項目について調べた。1,線量と線質の影響 2,スライス厚の影響 3,BHC補正 4,装置間におけるCT値の変化 | ||
【結果】線量およびスライス厚を変化しても、CT値に変化は認められず、CT値に影響しないことが判明した。線質を変化するとCT値に違いがみられ、BHC補正を行うとCT値は上昇した。装置間ではAquilion64の方がLSU16に比べCT値が高くなり造影効果に違いがみられた。 | ||
共同演者 天川 一利 内田 陽子 松永 博 町田 章 |
所属 国立病院機構九州医療センター放射線部 国立病院機構九州医療センター放射線部 国立病院機構九州医療センター放射線部 国立病院機構九州医療センター放射線部 |
126 | CT検査 腹部・造影剤 | |
薬物動態解析を用いた大動脈の造影シミュレーション | ||
天川 一利 | 国立病院機構九州医療センター放射線部 | |
【目的】薬物動態解析を利用した数学シミュレーションを用いて大動脈のTDCを作成し、既知の報告の整合性について検証を行い、その有効性について調べた。 | ||
【方法】山口らの報告を参考に右心系、肺循環系、左心系、大動脈、末梢動脈・毛細血管、静脈系の6コンパートメントモデルを作成し、組織分布に基づいた物質収支式より造影剤濃度を連立微分方程式より求めた。以下の項目について検討した。造影剤注入速度の影響、造影剤注入量の影響、体重の影響、心係数の影響 | ||
【結果】注入速度が増加すると最高濃度の上昇が見られ、高濃度持続時間の短縮傾向が見られた。造影剤注入量の増加に応じて、最高濃度の上昇、最高濃度到達時間の延長が見られた。注入量が増加しても立ち上がり角度はほぼ一定であった。体重の増加に伴い、造影効果の低下が見られたが、最高濃度に達する時間は一定であった。心係数の変化に伴い、造影効果に違いが見られた。いずれも既知の報告と一致した。 | ||
共同演者 尾方 翔 内田 陽子 松永 博 町田 章 |
所属 国立病院機構九州医療センター放射線部 国立病院機構九州医療センター放射線部 国立病院機構九州医療センター放射線部 国立病院機構九州医療センター放射線部 |
127 | 放射線治療 高精度治療1 | |
Batho Power Law(BPL)およびAnalytical Anisotropic Algorithm(AAA)による投与線量計算の比較 第1報 ファントムデータ | ||
橘 昌幸 | 九州大学病院医療技術部放射線部門 | |
【目的】実測データベースであるBPLと肺のような不均一な領域の線量計算精度の向上が期待される理論データベースであるAAAによる投与線量の計算をファントムにより行い、比較したので報告する。 | ||
【方法】CT値が-900から300HUまでの100HU間隔のファントム内でのMU値をBPLおよびAAAにより計算し比較を行った。計算条件は、X線エネルギー:4、6、10MV、照射野:4×4、5×5、6×6、7×7、10×10cm2、CT値可変部分の深さ:3、6、9、12cmとした。 | ||
【結果】CT値が低く、エネルギーが高いほどBPLとAAAによるMU値の差が大きかった。また、照射野が小さく、深さが浅いほど差が大きかった。BPLとAAAによるMU値は、条件によっては大きく異なることがあり、臨床においては従来の線量評価とは異なった線量投与となる可能性があるので注意が必要である。 | ||
共同演者 野口 義孝 福永 淳一 平野 奈緒美 吉留 郷志 廣瀬 貴章 |
所属 九州大学病院医療技術部放射線部門 九州大学病院医療技術部放射線部門 九州大学病院医療技術部放射線部門 九州大学病院医療技術部放射線部門 九州大学病院医療技術部放射線部門 |
128 | 放射線治療 高精度治療1 | |
Batho Power Law(BPL)およびAnalytical Anisotropic Algorithm(AAA)による投与線量計算の比較 第2報 臨床データ | ||
橘 昌幸 | 九州大学病院医療技術部放射線部門 | |
【目的】肺定位放射線治療を行った約100例の患者に対して、BPLとAAAによる投与線量計算を比較したので報告する。 | ||
【方法】過去BPLによる投与線量の計算で治療を行った約100例の患者に対して、AAAによる再計算を行いMU値の比較を行った。 | ||
【結果】治療に使用した3種類のX線エネルギー4、6、10MVに関してBPL/AAAに有意差が認められ、4MV X線ではBPL/AAAが1以上となり、6、10MV X線では、1以下となり、特に10MV X線ではBPL/AAAの値が低くなった。SSD、照射野、肺透過距離、肺透過割合とBPL/AAAとの関係について検討した結果、10V X線で前述の因子の影響を大きく受けBPL/AAAの変動が大きかった。AAAを臨床に採り入れる際には、BPLで行われてきた線量評価とは異なった線量投与となる可能性があるので注意が必要である。 | ||
共同演者 野口 義孝 福永 淳一 平野 奈緒美 吉留 郷志 廣瀬 貴章 |
所属 九州大学病院医療技術部放射線部門 九州大学病院医療技術部放射線部門 九州大学病院医療技術部放射線部門 九州大学病院医療技術部放射線部門 九州大学病院医療技術部放射線部門 |
129 | 放射線治療 高精度治療1 | |
Intensity Modulated Radiation Therapy(IMRT)における治療前線量検証-線量計の違いよる影響について- | ||
福永 淳一 | 九州大学病院医療技術部 | |
【目的】IMRTにおける線量計を用いた治療前線量検証において、JASTROのガイドラインに示される各一門のRTPSとの誤差は±5%とされている。現在当院では、0.6ccの指頭型チェンバーを用いて検証をおこなっているが、ある症例において±5%を超える症例を経験した。その理由を、チェンバーの体積によるものと考え、IMRTにおける治療前線量検証において体積の異なるチェンバーが検証結果に及ぼす影響を検証した。 | ||
【方法】IMRT治療前線量検証において、体積の異なるチェンバー(0.6cc、0.125cc、0.015cc)によるRTPSとの誤差を比較する。 | ||
【結果】結果・結論は会場にて報告する | ||
共同演者 橘 昌幸 野口 佳孝 平野 奈緒美 吉留 郷志 廣瀬 貴章 岩佐 桂 |
所属 九州大学病院医療技術部 九州大学病院医療技術部 九州大学病院医療技術部 九州大学病院医療技術部 九州大学病院医療技術部 九州大学病院医療技術部 |
130 | 放射線治療 高精度治療1 | |
IMRTのためのEPIDとフィルム法の検証の比較 | ||
前田 竜一郎 | 熊本大学医学部附属病院 医療技術部 | |
【目的】IMRTの線量分布検証はフィルム法が主である。他の簡便な方法としてリニアック搭載のEPID(Electric Portal Imaging Device)がある。今回、EPIDの基本的な物理特性を調べ、その有用性についてフィルム法との比較を行った。 | ||
【方法】EPID(VARIAN社製)の物理特性(線量直線性・線量率依存性・均一性)を測定した。また、IMRT線量分布のファントム検証を行い、γ法およびプロファイルを使用してフィルム法とEPIDを比較した。 | ||
【結果】EPIDの基本的な物理特性はガイドラインの許容範囲内であった。IMRTの線量分布は、フィルム法とよく一致した。 【結論】EPIDはIMRTの線量分布検証で、フィルムに置き換わる簡便な方法である。 | ||
共同演者 丸山 雅人 中口 裕二 筧 清孝 尾野 倫章 金縄 貴之 橋田 昌弘 |
所属 熊本大学医学部附属病院 医療技術部 熊本大学医学部附属病院 医療技術部 熊本大学医学部附属病院 医療技術部 熊本大学医学部附属病院 医療技術部 熊本大学医学部附属病院 医療技術部 熊本大学医学部附属病院 医療技術部 |
131 | 放射線治療 高精度治療2 | |
ExacTracを併用した放射線治療装置(Oncor)における位置精度の比較 | ||
小林 保浩 | 鹿児島大学医学部歯学部附属病院臨床技術部 | |
【目的】今年6月放射線治療装置更新により、体幹部位置決め装置ExacTracを併設した放射線治療装置(Oncor)を導入した。この装置には、位置検証方法として、MVCT(CBCT)、ポータルイメージ、X線で2方向から撮影するExacTracの3つの方法がある。今回、各方法で位置め精度、セットアップ時間等について比較検討をしたので報告する。 | ||
【方法】人体ファントムに金属マーカーを入れて、それをターゲットとしてCT撮影を行い、治療計画装置で、金属マーカーをアイソセンターとした治療計画を作成し、各位置検証方法で精度の評価を行った。また、セットアップまでの時間も比較した。 | ||
【結果】今回の実験より各位置検証の特徴が理解できた。今後、症例ごとの使い分けについて検討を加えていきたいと思う。 | ||
共同演者 竹下 元士 池田 睦 奥 好史 |
所属 鹿児島大学医学部歯学部附属病院臨床技術部 鹿児島大学医学部歯学部附属病院臨床技術部 鹿児島大学医学部歯学部附属病院臨床技術部 |
132 | 放射線治療 高精度治療2 | |
OBIを使用したIGRTの有用性の検討 | ||
山田 真吾 | (財)潤和会記念病院放射線治療室 | |
【目的】皮膚マーカーを主体においたポジショニングでは、治療部位及び体型等により誤差を生じ、正確な治療が困難な場合があると考えられる。今回、皮膚マーカーによるポジショニングにおける誤差の検討を行い、IGRTの有用性について報告する。 | ||
【方法】オフラインレビューを使用しOBIで得られた画像とDRR画像との照合をLng、Lat、Vrt及びカウチローテーションについて行い、その誤差について検討を行った。 | ||
【結果】治療部位及び体格の差により変動はあるが皮膚マーカーを主体においたポジショニングではセッティングした体位とDRR画像に差異を生じた。毎回のより正確な治療を行う為にはOBIを使用したIGRTは有用であると考えられる。尚、詳細については会場にて報告する。 | ||
共同演者 山神 昭彦 上園 勝弘 |
所属 (財)潤和会記念病院放射線治療室 (財)潤和会記念病院放射線治療室 |
133 | 放射線治療 高精度治療2 | |
CBCT(Cone Beam CT)の回転中心の検証 | ||
大浦 弘樹 | 国立病院機構九州がんセンター放射線治療部 | |
【目的】IGRTにおいて、CBCTを用いて腫瘍位置の確認をおこなう。そのためには、CBCTの回転中心を日常的に管理しなければならない。今回、CBCTの回転中心を簡易的に日常点検としておこなう方法と検討し、CBCTの回転中心を測定し、検証した。 | ||
【方法】1.受け入れ試験の方法(メーカー推奨)による方法と自作ファントムによる方法と比較する。2.自作ファントムを用いて日常的にCBCTを測定する。 | ||
【結果】1.受け入れ試験の方法による方法と自作ファントムによる方法と比較した。(1)測定に要する時間は、自作ファントムが短時間であった。(2)測定結果に関しては、自作ファントムのほうがCBCTの中心の算出が容易におこなえた。2.回転中心は測定期間においては変動がなかった。自作ファントムによりCBCTの回転中心を簡易的に日常点検としておこなうことが可能である。 | ||
共同演者 笠 紀美子 寺崎 浩一 池田 敏久 築城 聖二 |
所属 国立病院機構九州がんセンター放射線治療部 国立病院機構九州がんセンター放射線治療部 国立病院機構九州がんセンター放射線治療部 国立病院機構九州がんセンター放射線治療部 |
134 | 放射線治療 高精度治療2 | |
Mega Voltage Cone Beam CTによる位置照合精度の検討 | ||
平川 真次 | 大牟田市立総合病院 中央放射線部 | |
【目的】本年6月下旬に当院で稼動開始した、SIEMENS社製放射線治療装置ONCOR-impression plusに搭載されているMega Voltage Cone Beam CT(MVCBCT)の位置照合精度について検討を行ったので報告する. | ||
【方法】はじめに、ガントリの回転中心精度と治療寝台の動作精度について幾何学的精度管理ツールIso-Alignにより評価を行った。次に、治療装置付属の画質評価ファントムを用いて治療計画を立て、治療装置でMVCBCTを撮影し、オートレジストレーションにより位置補正を行った。これを基準点とし、意図的に寝台を0.5cmから3cm移動し、MVCBCTを撮影し、オートレジストレーションによって位置補正を行い、寝台の移動距離との差を検証した。また、マニュアルレジストレーションとの比較検討も行った。 | ||
【結果】詳細は、会場にて報告する。MVCBCT による3D位置照合で、治療精度の向上につながる。 | ||
共同演者 |
所属 |
135 | 放射線治療 高精度治療2 | |
QC-3ファントムを用いたFPDの最適撮像位置の検討 | ||
笠 紀美子 | 独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター | |
【目的】近年、治療直前に画像の取得を行い位置の確認ができ、正確な治療が可能なった。このような治療方法を画像誘導放射線治療(IGRT:Image Guided Radiotherapy)といい、高精度放射線治療の分野において重要となる。照射位置照合を行う際に画質はとても重要となり、無視できない。そこで今回は、QC-3ファントムを用いてFPDの撮像位置(SID)における画質の評価を行い、最適な撮像位置を検討した。 | ||
【方法】FPDの撮像位置を変化させQC-3ファントムの撮影を行い、専用解析ソフトAQUAを用いて解像度およびコントラストの評価を行った。 | ||
【結果】解析の結果、FPDの最適な撮像位置としてSID145cmにおける評価が高くなった。しかし治療部位、治療範囲、照射方法によりSIDの許容範囲があるため、すべての症例に適用できるというわけではないので目的に応じた画質が得られるようにFPDの最適な撮像位置を考慮しなければならない。 | ||
共同演者 寺崎 浩一 池田 敏久 築城 聖二 大浦 弘樹 井芹 卓見 |
所属 独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター 独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター 独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター 独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター 独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター |
136 | CT検査 その他 | |
胸部CTにおける肺加重部陰影と直前の臥床時間の検討 | ||
福元 嘉也 | 鹿児島厚生連病院 | |
【目的】当院では早期食道癌の患者に対し内視鏡的食道粘膜剥離術(食道ESD)を行っており、術前後で胸部CTを施行している。術直後のCT像で舌区、またが左下葉に陰影を認めることがあり、長時間の左側臥位により肺に加重部位が発生し陰影が生じていることが推測された。今回、直前の臥床時間がどれくらい濃度上昇に起因するかを検討した。 | ||
【方法】ESD前後で施行された25例の胸部CTから、陰影が生じている同部位の3点のCT値を測定し、3点の平均値から変化率を求め、臥床時間との関係を求めた。 | ||
【結果】陰影は舌区に多く認め、濃度上昇と臥床時間は比例関係にあった。しかし、完全に比例するものではなく、BMIや心疾患、肺疾患などにより変化すると思われた。また、数日後に経過観察として撮影された胸部CTではすべての陰影が消失しており、陰影は可逆性であることがわかった。今回の検討で、左側臥位で寝たきりの患者などの胸部CTでは肺加重部位陰影を考慮する必要があると考えた。 | ||
共同演者 石山 重行 西 憲文 中島 さおり 原口 宏典 栫 裕幸 |
所属 鹿児島厚生連病院 鹿児島厚生連病院 鹿児島厚生連病院 鹿児島厚生連病院 鹿児島厚生連病院 |
137 | CT検査 その他 | |
造影CT検査におけるアナフィラキシーショックを経験して | ||
金城 直樹 | 沖縄県立中部病院 放射線科 | |
【目的】造影剤使用時の副作用として熱感、疼痛、嘔吐、掻痒感、発疹等が一般的である。当院において造影CT検査時にアナフィラキシーショックを経験した。この経験を踏まえ、患者の急変時の対応と安全対策について検討したので報告する。 | ||
【方法】@今回の急変時の状況と放射線技師、医師、看護師の対応について分析 Aこれまでの急変時対応マニュアルの再検討 B新たな安全対策マニュアルの作成と医療スタッフへの周知 | ||
【結果】造影剤による重篤な副作用が出現した場合、迅速で的確な初期治療が重要となる。そのためにも放射線科、救急センタースタッフ等との連携をとり救急対応の訓練を日頃から行っていくことが必要となる。 | ||
共同演者 染谷 明良 眞部 覚 上原 沙織 |
所属 沖縄県立中部病院 放射線科 沖縄県立中部病院 放射線科 沖縄県立中部病院 放射線科 |
138 | CT検査 その他 | |
10歳代の胸部follow-up CT検査における医療被ばくの現状 | ||
豊田 雅彦 | 鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門 | |
【目的】当院では骨肉腫等の10歳代の患者に対して定期的に胸部CT検査を行っている。10歳代は成人に比べ放射線感受性が高く、また胸部は放射線誘発ガンの決定臓器が多いため、被ばく線量等について総合的な検討が必要と考える。今回、当院における10歳代胸部CT被験者の累積被検回数調査および胸部CTプロトコルによる被ばく線量評価を行ったので報告する。 | ||
【方法】@医療情報記録等により過去10年間の累積被検回数の調査を行った。A当院のCT装置(東芝製Aquilion 16DAS、4DAS 計2台)に表示されるCTDI、DLPを利用し、英国放射線防護庁2003年報告書(以下、NRPB)と国際放射線防護委員会publ87(以下、ICRP)の参考値と比較検討を行った。B臓器吸収線量の測定として人体ファントムの甲状腺、乳腺、肺、胸椎、皮膚表面(剣状突起前)の位置にTLDを埋め込んで行った。 | ||
【結果】累積被検回数調査では骨肉腫の患者において平均12回と他の疾患に比べ優位に多かった。当院のCTDIw、DLP、実効線量はNRPBより高く、ICRPより低い値であった。CTDIvolはCT装置16DASにおいてNRPBの参考値を上回っていた。臓器吸収線量は甲状腺、肺、皮膚、脊髄、乳腺の順に線量が高かった。実効線量を臓器吸収線量測定結果より計算した推定値は7.8mSv、DLPから計算した推定値は7.6mSvであった。問題提起として乳腺線量が16DAS にて18mGy、4DASにて12mGyであること、また、全例において甲状腺が撮影範囲含まれているなどが示唆された。 | ||
共同演者 西郷 康正 福島 昇 |
所属 鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門 鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門 |
139 | 医療情報管理 ネットワークシステム | |
病診連携ネットワークシステムを導入して | ||
宮崎 公志 | 織田病院 放射線科 | |
【目的】近年、医療機能や地域医療での病診連携の重要性が増している。当院でも平成20年1月より病診連携を強化することを目的として病診連携ネットワークシステムを構築し運用を開始した。その使用状況と問題点および今後の課題について報告する。 | ||
【方法】システム構成PACS:Kodak Carestream PACS V10.1 RIS:Carestream RIS-J V2.0 レポートシステム:Carestream Report V2.0 病診連携システム:当院SE製作 | ||
【結果】病診連携ネットワークシステムの導入により外来では検査後の待ち時間の短縮・フィルムコストの削減、入院では入院中の詳細な情報を提供でき退院後紹介元施設での診療がスムーズになりシームレスな連携が可能となった。 | ||
共同演者 |
所属 |
140 | 医療情報管理 ネットワークシステム | |
フィルムレス運用に伴う画像入出力の問題点 | ||
松崎 晴子 | 独立行政法人国立病院機構 長崎医療部センター 診療放射線部 | |
【目的】当院では平成19年3月からフィルムレス運用開始に伴い、従来のコピーフィルムを廃止し、デジタイザを導入した。画像サーバに記録保存すると共にフィルム及びDICOM画像(CD/DVD)を入出力することができ、モニタにて画像参照できるシステムを構築した。 | ||
【方法】現状のHIS-RISオーダリングシステム及びPACS環境下における画像入出力トラブルについて検討した。 | ||
【結果】デジタル媒体による画像情報入出力に関してHIS-RISオーダリング連携におけるアクセション番号やDICOM規格違反等の問題点があった。 フィルムレス運用に伴い画像入出力の問題点が明らかになった。今後、フィルムレス化は時代の趨勢であり、DICOM規格を遵守した円滑なデジタルデータの受け渡しをHIS・RIS・PACSベンダーに期待する。 | ||
共同演者 田畑 信幸 山路 彩子 木寺 慶志郎 百武 亜樹 島本 惟 永倉 典嗣 宮崎 悟 |
所属 独立行政法人国立病院機構 長崎医療部センター 診療放射線部 独立行政法人国立病院機構 長崎医療部センター 診療放射線部 独立行政法人国立病院機構 長崎医療部センター 診療放射線部 独立行政法人国立病院機構 長崎医療部センター 診療放射線部 独立行政法人国立病院機構 長崎医療部センター 診療放射線部 独立行政法人国立病院機構 長崎医療部センター 診療放射線部 独立行政法人国立病院機構 長崎医療部センター 診療放射線部 |
141 | 医療情報管理 ネットワークシステム | |
当院に導入した治療RIS(RadiQuest/TheraRIS)の紹介 | ||
中島 弘泰 | 佐賀大学医学部附属病院放射線部 | |
【目的】平成19年度に更新した治療システムと同時に治療RISを導入し、HIS、治療装置、治療RISを接続して診療業務を4月末日より開始した。今回導入した治療RISの紹介する。 | ||
【接続装置・機器】外照射治療装置 :SIEMENS社製 ONCOR Impression Plus,ONCOR Impression 腔内照射治療装置 :Nucletron社製 microSelectron HDR 治療計画装置 :PHILIPS社製 Pinnacle3 HIS :富士通社製 EG main EX 治療RIS :横河電機社製 RadiQuest/TheraRIS | ||
【結果】HIS及び治療計画装置からの患者情報のオンライン情報取得、治療実施情報の治療装置からのオンライン取得が可能となり業務効率が上がった。患者受付時に患者カードのバーコードを読み込むことにより、患者間違いを無くすことができる。【まとめ】治療RISの導入によって治療業務効率が上がりまた、医療安全面についても有用である。 | ||
共同演者 廣木 昭則 永見 範幸 阿部 一之 |
所属 佐賀大学医学部附属病院放射線部 佐賀大学医学部附属病院放射線部 佐賀大学医学部附属病院放射線部 |
142 | 医療情報管理 ネットワークシステム | |
当院の治療システム(ONCOR)の紹介 | ||
永見 範幸 | 佐賀大学医学部附属病院放射線部 | |
【はじめに】平成20年3月、当院における直線加速器装置の更新に伴いSIEMENS社製の ONCOR Impression とONCOR Impression plusを設置した。同時に、横河電機社製の治療RIS(TheraRIS)も更新した。 | ||
【目的】新システム導入後、診療放射線技師の業務は大きく変化した。今回、新治療システム導入前・導入後の業務フローの比較を行ったので報告する。 | ||
【結果】新システム導入後の業務フローの改善点として、新システム導入以前は、治療計画パラメータをオフラインの手入力で実施していたが、新システム導入により、治療計画装置、直線加速装置、治療RIS間で治療パラメータがオンラインで送受信可能となり、手入力によるミスが無くなった。また照射位置精度を上げるため、一人の患者さんあたり一週間に一回確認のEPID撮影後、照射を行うので、照射位置確認業務が増えた。 | ||
共同演者 中島 弘泰 廣木 昭則 阿部 一之 |
所属 佐賀大学医学部附属病院放射線部 佐賀大学医学部附属病院放射線部 佐賀大学医学部附属病院放射線部 |
143 | その他 医療安全・調査 | |
当院での放射線安全講習の現状 | ||
秋鷹 幸村 | 千代田病院 放射線部 | |
【目的】当院では、平成15年より安全対策の研修、新人研修の一環として放射線安全講習を年2回実施している。今回アンケートを行い、講習を行った事の成果と今後の課題について報告する。 | ||
【方法】新人研修では講習前後に、安全研修では講習後にアンケートを行った。 | ||
【結果】新人研修の講習前の意見では、「被ばくすることによって奇形児が生まれる」、「できれば検査に就きたくない」など放射線に対して体に悪いというイメージが強かった。しかし、どちらの講習後においても放射線に対する不安や誤解がなくなったとの意見が聞かれた。【結論】今回のアンケートおいて、医療職でも放射線は体に悪いというイメージが強いことがわかった。講習を行うことで、職員に放射線の知識を深めてもらい不安や誤解をなくすことが患者さんへの安全にもつながると考える。今後も続けていく事が重要であるが、今までは参加人数が少なかったため、もっと人数を増やすことが重要である。 | ||
共同演者 三樹 陽子 |
所属 千代田病院 |
144 | その他 医療安全・調査 | |
KYT(危険予知トレーニング)放射線部の取り組み | ||
山口 広之 | 白十字病院放射線部 | |
【目的】われわれ白十字病院は、2007年5月より現場スタッフが中心となりKYT(危険予知トレーニング)を行なっている。その中での放射線部としての取り組みを紹介する。 | ||
【方法】2007年5月、6月に看護師、コ・メディカルスタッフより代表者を選びKYT研修会を行った。この研修会でKYT経験者が増えたことで、各部門で日常業務のKYTを行い、その報告会を行なった。 | ||
【結果】KYT研修会では、同じシートを部門も経験も違うスタッフと見ることで様々な危険要因を発見することが出来た。また、現場スタッフが自部門のKYTを積極的に行い、報告会で発表することは医療安全活動として有効であった。放射線部でもMRIの危険性や患者付き添いの必要性など院内スタッフに周知出来た。【結語】KYTは研修会でのトレーニングだけではなく、それを実践し院内で報告することにより、自部門の危険を院内に周知出来ると考える。 | ||
共同演者 |
所属 |
145 | その他 医療安全・調査 | |
医療過誤の成立要件についての検討ー特に放射線領域を中心にー | ||
三和 秋雄 | 大分大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門 | |
【目的】放射線診療は、現代医療の中で極めて重要な役割を果たしているが、その性質から用法を誤ると、種々の放射線障害を惹起することもあり、放射線を用いての診断や治療においては、その特性に対応した十分な注意義務が要求される。検査・治療中での造影剤による副作用等の問題もある。しかも、放射線に関する医事紛争は以前は少なかったものの、近年は医事紛争全般の増加とともに増加傾向を示している。今回われわれは、放射線領域での医療過誤の成立要件について検討した。 | ||
【方法】放射線診療をめぐる諸判例を可能な限り収集・検討し、放射線領域での医療過誤についてその具体的な成立要件を検証した。 | ||
【結果】医療過誤を引き起こせば、当事者は、民事・刑事・行政の三方面からの責任追及がなされる。ここでは、主に民事責任を中心に成立要件を検討したが、それらは@過失、A違法性、B因果関係の3点に集約される。 | ||
共同演者 羽田野 憲伍 小石 幸生 村上 康則 |
所属 大分大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門 大分大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門 大分大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門 |
146 | その他 医療安全・調査 | |
口臭について 第二報 口臭防止対策 | ||
馬場 仁 | 九州大学病院医療技術部放射線部門 | |
【目的】口臭防止法としては、歯磨き、舌磨き、ガム、口中清涼食品(舌下、経口)などがあり、時と場所によって使い分けが必要である。そこで、放射線技師の仕事に適した口臭防止法を検討したので報告する。 | ||
【方法】口臭の判定は、息をポリエチレン袋に入れ、1時間後に、息の水蒸気がポリエチレン袋面に吸着された後の臭いを自分で嗅いだ。2日間歯磨きをせずに口臭外来を受診した時の臭いを口臭度:0とし、口臭がない時を-3として、自分で臭いを嗅いで判定を行った。 -0.75以上は注意信号。 | ||
【結果】1.歯磨き:通常歯ブラシ、音波振動歯ブラシでも、丁寧に磨き、朝、昼、晩が基本です。 2.舌磨き:効果があるが、歯磨きと併用すべきです。 3.ガム:唾液の分泌を促すので口臭を感じさせないので効果的ですが、世間の目がありますので、適宜状況を判断して使用しましょう。 4.口中清涼剤:口臭を隠す効果であり、使用時間しか効果がないので、緊急時のみ使用します。 | ||
共同演者 楪 秀樹 小寺 |
所属 九州大学病院医療技術部放射線部門 九州大学病院医療技術部放射線部門 |
147 | その他 医療安全・調査 | |
入学動機と職業意識からみた学生の生活実態に関する考察 | ||
松本 志信 | 日本文理大学医療専門学校 進路指導部 | |
【目的】学生の入学動機ならびに職業意識と学生生活との関連から、学生の意識向上のための教育的課題を見つける。 | ||
【方法】本学生320名を対象に、入学動機、満足度、生活実態ならびに将来像に関するアンケート調査を行なった。満足度に関する調査は、“自尊感情に関する測定テスト”(モリス・ローゼンバーグ)を使用した。 | ||
【結果】入学を志した期間が長いほど、余暇や交友より学業中心の学生生活を送り、技師の仕事に魅力を感じる学生が多い。また、将来的にも仕事や研究を重要視する割合が増えていく。基礎学力に関わらず努力し続けて目標を達成する学生に共通しているのは、そのひたむきさである。医療系への進学の志望時期の早い学生ほど勉強時間も多く、職業意識も高いことから、学生の目的意識の向上には、入学前の意識付けが大きく影響しており、学生に対する職業紹介や周知時期が、質のいい学生ならびに医療技術者の確保につながるものと考える。 | ||
共同演者 大形 健 安部 祐治 後藤 照代 堀 稚七美 森川 恵子 |
所属 日本文理大学医療専門学校 進路指導部 日本文理大学医療専門学校 進路指導部 日本文理大学医療専門学校 進路指導部 日本文理大学医療専門学校 進路指導部 日本文理大学医療専門学校 進路指導部 |
148 | その他 医療安全・調査 | |
鹿児島県における女性放射線技師の動向 | ||
山口 鈴乃 | 鹿児島医療技術専門学校 診療放射線技術学科 | |
【目的】現在、女性の診療放射線技師の募集が増加傾向にある中で、鹿児島県における女性技師の働 く環境とはどのようなものであるか、また管理者の女性技師への配慮とはどのようなものであるかを 、アンケート調査によって明らかにし、考察することを目的とする。 | ||
【方法】本校の臨床実習先である鹿児島県の57施設に対し、施設の女性技師の人数に満足してい るかの調査を女性技師と放射線科管理者に対して行った。 | ||
【結果】女性の出産・子育ての配慮に関して、放射線科管理者の配慮と女性の要望とが一致 している結果となった。また、女性技師が職場に求めるもの、管理者が女性に求めるものを知ること が出来た。今後、性別関係なく「働きやすい職場」とはどのようなものか調査していく必要性がある と考える。 | ||
共同演者 瀬筒 美紀 穂満 望美 信太 圭一 本田 城二 |
所属 鹿児島医療技術専門学校 診療放射線技術学科 鹿児島医療技術専門学校 診療放射線技術学科 鹿児島医療技術専門学校 診療放射線技術学科 鹿児島医療技術専門学校 診療放射線技術学科 |
149 | X線TV・超音波 | |
高濃度バリウムに対する画質向上の検討 | ||
淵脇 崇史 | 鹿児島共済会南風病院 医療技術部放射線科 | |
【目的】近年高濃度バリウムの使用が主流となり、胃X線検査の精度が向上してきた。今回、より画質の向上を図ろうと、I.I−DR装置において、鉛ツーブスの設置を行い、撮影電圧の高電圧化、散乱線の除去、軟線の除去を行った。そのことによる胃X線画像の比較検討を行ったので報告する。 | ||
【方法】同一患者による胃X線画像の二重造影部の大弯、前庭部の画素値を計測し、ツーブス設置前後で比較検討を行った。 | ||
【結果】ツーブスを設置し、散乱線の除去、撮影電圧を上げることで、大弯側と前庭部の画素値の差が少なくなり、均一な画像が得られるようになった。また、大弯側においては散乱線の除去効果により、黒とびの少ない画像が得られるようになり、胃X線画像の画質が向上したものと思われた。 | ||
共同演者 石本 裕二 日高 稔 |
所属 鹿児島共済会南風病院 医療技術部放射線科 鹿児島共済会南風病院 医療技術部放射線科 |
150 | X線TV・超音波 | |
I.I.搭載型デジタルX 線TVシステムにおける輝度(相対Gx値)の簡易測定法についての検討 | ||
羽田野 憲伍 | 大分大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門 | |
【目的】X線TVシステムのI.I.輝度(Gx値)測定は、JIS(Z4721-1987)に定められた方法で行われるが、各施設でその測定を精度良く行うことは容易ではない。今回我々は、新たに導入されたI.I.搭載型デジタルX線TVシステム(東芝:ZEXIRA,ADR-2000A)のデジタル処理機能を用いて、そのAverageGL値(DR装置のキャリブレーション・モードの平均グレイレベル値)から相対Gx値を簡易的に測定・管理する方法を検討したので報告する。 | ||
【方法】@従来行われている輝度計及び線量計にて相対Gx値を測定する法AAverageGL値より相対Gx値を測定する法を用いてI.I.相対Gx値測定を定期的に行い比較・検討した。 | ||
【結果】各手法の測定値間に有意な相関が見られた。これより我々はAverageGL値より相対Gx値を測定する法はI.I.輝度の簡易測定法として有用であるとの結論を得た。 | ||
共同演者 三和 秋雄 小石 幸生 村上 康則 |
所属 大分大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門 大分大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門 大分大学医学部附属病院 医療技術部放射線部門 |