研究発表抄録

演題番号 001〜050     051〜100     101〜150     151〜195     シンポジウム等


151 X線TV・超音波
  腹部超音波検査による内臓脂肪測定の試みについて -第2報-
堀田 和幸 医療法人 大分記念病院 放射線科
【はじめに】内臓脂肪を評価する方法に、腹膜前脂肪最大厚(以下「P-max値」という)を計測する方法と、同様に腹壁脂肪指数(以下「AFI値」という)を算出方法があり、当科の分析ではP-max値、AFI値に正の相関を示したと報告した。特定健診にて内臓脂肪型肥満の指標として腹囲計測が義務付けられたことを期して、その腹囲計測値とP-max値、AFI値との関係を調べ、若干の知見を得たので報告する。
【方法】当院の腹部超音波検査にて内臓脂肪の測定法を実施した60名を対象とし、Suzukiらの方法に従って計測した。P-max値と皮下脂肪最小厚を求め、両者の比をAFI値とし、腹囲計測値と比較し統計処理した。
【結果】結果は当日に発表するが、前回と異なる患者で分析した結果でも、今回もP-max値、AFI値は正の相関が示した。また腹囲計測値のとの関係でも正の相関を示したが、女性のAFI値、腹囲計測値の関係は弱い相関であった。女性の場合はAFI値、腹囲計測値とも皮下脂肪を考慮にいれて定めている値であるからと考えられ、今後も検討していきたい。
共同演者
 
所属
 
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152 X線TV・超音波
  超音波検査室における環境照度と画像表示モニタの輝度比との関係
畠中 史朗 九州大学大学院 医学系学府
【目的】超音波検査を行うにあたり,術者と被検者の両方に最適で,装置の性能を十分に引き出すことのできる環境を構築するために,部屋の明るさと超音波診断装置の画像表示モニタの輝度比の関係を調べる.
【方法】蛍光灯と減光フィルタを用いて0ルクスから152ルクスまでの10通りの環境照度をつくり,異なる照度ごとに術者(3名)が画像表示モニタのブライトネスとコントラストを調整した後,超音波診断装置に内蔵されているテストパターンや臨床画像の輝度を測定して,それぞれの輝度比を求めた.
【結果】環境照度が高くなると,術者が調整を行っても一定の輝度比を保つことは難しく,3名とも約20 ルクスまでは大きく輝度比が減少し,それを越えると緩やかに輝度比が低下する傾向がみられた.【結論】超音波画像の適切な輝度比を維持するためには,環境照度に配慮する必要があると思われる.今後は,術者の疲労度や作業効率も含めて検討する必要がある.
共同演者
杜下 淳次
田代 洋行
樗木 晶子
野口 ゆかり
島ノ江 信芳
中村 邦夫
所属
九州大学大学院 医学研究院 保健学部門
九州大学大学院 医学研究院 保健学部門
九州大学大学院 医学研究院 保健学部門
九州大学大学院 医学研究院 保健学部門
(株)コ・メディカル
(株)ヤマギワ
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153 MR検査 腹部
  当院におけるEOB・プリモビストの使用経験
吉村 伸一郎 出水郡医師会立阿久根市民病院診療放射線科
【目的】当院でもH20年6月からEOB・プリモビストの導入された。そこで、撮影プロトコル作成とEOB・プリモビストの有用性について検討する。
【方法】使用装置は、GE社製 Signa infinity Excite 1.5T。EOB・プリモビスト用の撮影プロトコルを作成する。実際に撮影を行い、病巣の検出能や診断能を症例とともに検討する。
【結果】dynamic相と肝細胞造影相を1回の検査で行える。また、リゾビスト造影と比べて検査が簡素化され、検査効率が上がった。3D撮影を行なうことで、コントラスト分解能に優れ、画像の連続性が向上した。CT撮影より病巣の検出能は向上した。EOB・プリモビストの有用性は非常に高いと思われる。
共同演者
田中 紀恵
吉田 志麻
高野 亮一
柏木 大晋
床波 隆幸
下田 仁志
塚元 巳年
内木場 健一
所属
出水郡医師会立阿久根市民病院診療放射線科
出水郡医師会立阿久根市民病院診療放射線科
出水郡医師会立阿久根市民病院診療放射線科
出水郡医師会立阿久根市民病院診療放射線科
出水郡医師会立阿久根市民病院診療放射線科
出水郡医師会立阿久根市民病院診療放射線科
出水郡医師会立阿久根市民病院診療放射線科
出水郡医師会立阿久根市民病院放射線科
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154 MR検査 腹部
  肝特異性造影剤Gd-EOB-DTPAの造影効果と至適撮像条件について
高木 祐一 天草地域医療センター 放射線部
【目的】本年1月に発売された肝特異性造影剤ガドキセト酸ナトリウム(以下Gd-EOB-DTPA)の造影効果について検討するとともに、スポイラー付きグラディエントエコーシーケンスの至適撮像条件について検討した。
【方法】@Gd-EOB-DTPA0.1ml/kgを急速に静脈内投与し、投与後30秒間隔で7相、さらに5,10,15,20分後の正常肝組織の信号強度を計測した。AGd-EOB-DTPAの緩和度から多血性腫瘍のT1値を予測し、コンピュータシミュレーションにて信号強度求め、フリップ角の最適化を行った。
【結果】Gd-EOB-DTPAは血流及び機能診断が同時に行え、有用性の高い造影剤である。また、グラディエントエコーシーケンスの最適化においては、TRが変化することで各組織のエルンスト角も変化するため、コンピュータシミュレーションは有用であると考える。
共同演者
川原 鉄也
緒方 隆昭
所属
天草地域医療センター 放射線部
天草地域医療センター 放射線部
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155 MR検査 腹部
  MRI用肝臓造影剤(EOB・プリモビスト)を用いた3D T1強調画像系MRCの有用性について
佐々木 雅史 鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門
【目的】肝腫瘍の血流評価と肝細胞機能の評価が可能となるMRI用肝臓造影剤(EOB・プリモビスト)は、T1強調画像においてガドリニウムイオンによる信号増強効果を示し、肝細胞に特異的に取り込まれた後、投与量の約40%が胆汁へ排泄される。我々は、この胆管系へ排泄されることに注目し、この時期に息止めで3DT1強調画像のMRCの撮像を行い、胆管系の臨床的評価が可能かどうかの有用性を検討した。
【方法】3TMRI装置を用いた当院肝臓造影MRI検査プロトコールで1)撮像パラメータの検討 2)撮像時期検討 3)従来のT2強調画像系MRCPとの比較検討 を行った。
【結論】臨床例30例の検討では、排泄時の3DT1強調画像系の撮像で十分胆管系の評価は可能であった。又、従来行われている3D T2強調画像系のMRCでは、息止めの検査が不可能であるためどうしても撮像時間が長くなるが、今回検討した排泄時を利用した3DT1強調画像系撮像は息止めで行えるため検査時間の短縮も可能となった。
共同演者
藤崎 拓郎
小谷 弘樹
野上 春彦
福島 昇
福倉 良彦
所属
鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門
鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門
鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門
鹿児島大学病院臨床技術部放射線部門
鹿児島大学医学部歯学部放射線科
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156 MR検査 腹部
  SPACEを使用した3D−MRCPの至適パラメータの検討
畑中 大輔 宮崎社会保険病院放射線部
【目的】今回、MRCPの撮像法において、従来の3D-TSEの撮像に比べEcho spaceが短く設定できるSPACEを使用し、至適パラメータの検討を行ったので報告する。
【方法】MRI装置はSIEMENS社製MAGNETOM Avanto 1.5Tを使用し、SIEMENS推奨の撮像条件をもとにTEおよびBWの撮像パラメータを変動させ、健常ボランティアによる撮像を行い、膵管および胆嚢管合流部の視覚評価を行った。
【結果】TEを400msec以下に設定すると腸管の信号強度が上がり、蠕動によるモーションアーチファクトが目立つ。そのため膵管および胆嚢管合流部の描出が困難であり、TEを400msec以上にすることが望ましい。また、BWは270Hz〜882Hzの間で変動させ、high BWほどEcho spaceの値が小さく、ブラーリングの少ない高分解能な画像となり膵管および胆嚢管合流部の描出が良好であった。今後、他のパラメータにおいても検討していきたい。
共同演者
坂口 裕
新佐枝 憲一
所属
宮崎社会保険病院放射線部
宮崎社会保険病院放射線部
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157 MR検査 腹部
  MRIを用いた体脂肪計測の基礎的検討
牛鼻 健二 株式会社ジェイマックシステム
【目的】生活習慣病予防目的で、CTを用いた内臓脂肪計測でメタボリックシンドロームを判定する方法は広く知られている。今回、他の検査目的に撮像した腹部MRI画像を用いて内臓脂肪計測が可能であるか、基礎的検討を行ったので報告する。
【方法】臍部付近の腹部MRI画像を用いて、内臓脂肪(VFA)皮下脂肪(SFA)腹囲(WC)を自動測定する体脂肪計測ソフトFatChecker(ジェイマック社製)を使用し、以下の項目について、検討を行った。 1. T1画像とCTを比較した計測結果の相関について 2. T2画像とCTを比較した計測結果の相関について 3. MRIとBMIを比較した判定結果の相関について
【結果】サンプル数が少ないために経過報告ではあるが、傾向的にT1,T2ともに良い相関を示すのではないかと思われる。結果については、学会発表にて報告致します。
共同演者
市原 正道
白石 実
中村 貴
北里 裕美子
紫垣 誠哉
所属
宮崎大学医学部附属病院
宮崎大学医学部附属病院
宮崎大学医学部附属病院
宮崎大学医学部附属病院
宮崎大学医学部附属病院
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158 MR検査 撮影技術
  位相差強調画像法を用いたピクセル内微細組織の強調と大きさの特定
有村 大喜 熊本大学医学部保健学科
【目的】本研究では、我々が独自に開発した位相差強調画像法(PADRE)を用い、Magnitude画像では描出できないピクセルサイズ以下の微細な組織を強調・描出すると共に、その大きさを決定できる可能性を研究する。
【方法】実際に大きさが分かっている微細構造物として模擬血管ファントムを作成し、PADREによって強調された画像から、模擬血管を含むピクセルを特定する。特定されたピクセルの違ったTEでの値から、理論式を用いて模擬血管の大きさを求め、実際の大きさと比較・検討する。
【結果】本研究により、直径がピクセルサイズ以下である模擬血管径を決定できることが示された。これにより、ピクセルサイズに満たない様々な微細組織を描出することが可能であると考えられ、同時にそのサイズを求めることが可能である。この技術の応用範囲は広く、現行の分解能・撮像時間で微小な組織の存在を示すことができるMRI技術の新たな可能性が示され、今後の応用が期待できる。
共同演者
竹丸 輝政
清田 直人
橋詰 優子
吉川 直通
北島 陽子
肥合 康弘
米田 哲也
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本脳神経外科病院
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
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159 MR検査 撮影技術
  位相画像における実効TEに関わる不均一性除去の検討
竹丸 輝政 熊本大学医学部保健学科
【目的】位相画像上に現れる位相値は、read方向の実行TEと実際のTEの違いによって不均一になることが指摘される。この効果は、位相情報を用いた画像化法においては、back groundのベースラインの不均一として、思わぬアーチファクトを生む。本研究では、この不均一度を測定し、これを取り除くための方法を検討し、その効果を確かめる。
【方法】均一な組織に見立てたファントムを撮像し、位相画像のベースラインの描出のために、位相画像上にHigh-passフィルタを施し、プロファイル曲線を得る。今回は得られたプロファイルを用いて、単純差分により均一なベースラインを作成する。
【結果】磁化率によるアーチファクトはこの方法により減少できることを確認できた。本方法により今後の位相画像を用いた研究に大いに貢献できると考えられる。今後は、単純差分だけではない方法を開発し、より効率の良い方法を確立したい。
共同演者
清田 直人
橋詰 優子
有村 大喜
吉川 直通
北島 陽子
肥合 康弘
米田 哲也
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本脳神経外科病院
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
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160 MR検査 撮影技術
  位相を用いた脳機能画像作成の可能性に関する検討
清田 直人 熊本大学医学部保健学科
【目的】従来のBOLD効果を中心とした脳機能画像は、low frequencyノイズの原因特定の困難、flowによる偽信号などの様々な問題がある。このような中、本研究は位相情報の、血中酸素濃度に対する鋭敏性を活かして、高分解能脳機能画像作成の可能性を検討した。
【方法】両手のgraspingで運動野の賦活化を行い、比較用に現行の機能画像を撮像する。同様の賦活化を行い、TEがTRより長く、大きな位相を作り出す、Philips Acheiva 3.0T上のPRESTOを用い位相画像を作成する。この際、TR/TE=30/50msを目安に撮像を行った。得られた位相画像から、独自に開発した位相差強調画像法を用い、強調した位相の差分より機能画像を作成した。
【結果】位相を用いた機能画像が正しく賦活化された部位を示した。解像度は256×256で作成可能であり、高い分解能の機能画像作成が可能であると考えられる。
共同演者
橋詰 優子
有村 大喜
竹丸 輝政
吉川 直通
北島 陽子
肥合 康弘
米田 哲也
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本脳神経外科病院
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
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161 MR検査 撮影技術
  酸素吸入による脳実質・血管内位相変化の計測と検討
橋詰 優子 熊本大学医学部保健学科
【目的】酸素吸入に伴う脳実質・血管内位相情報の変化を計測し、撮像条件・性別・部位の違いによる位相変化をデータベース化するとともに、理論値との比較・検討を行う。本研究は、位相を用いた画像化法の基礎データとして重要である。
【方法】健常ボランティアを、安静状態で通常呼吸と酸素付加による呼吸とで、PRESTO(Philips Acheiva 3.0T)で撮像し、位相値の変化を計測する。このとき、ボランティア間に差がないように、明確に同定できる血管で、径が1.5〜2.0mmを超える動脈・静脈を選び、周囲の実質と共に測定する。実質は均一な部分を選び測定する。
【結果】血管内の位相は、理論で予想されるような、酸素付加による位相変化が観測され、脳機能解析への新たなアプローチが可能であると考えられる。撮像条件等による位相変化は複雑であり、今後は、より細かな理論設計とシミュレーションによる解析を行う必要がある。
共同演者
有村 大喜
竹丸 輝政
清田 直人
吉川 直通
北島 陽子
肥合 康弘
米田 哲也
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
熊本脳神経外科病院
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
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162 MR検査 画質・技術
  頚動脈プラークイメージングに適した受信コイルの基礎的検討
近藤 泰史 大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
【目的】頸部プラークイメージの性状診断では高SNR・高分解能の画像が要求される。今回、頸動脈の描出に使用可能な受信コイルについて基礎的検討、血管壁描出能の評価を行い、頚動脈プラークイメージングに適した受信コイルの選択を試みた。【使用装置・機器】東芝社製:1.5T EXCELART Vantage XGV コイル:φ70円形コイル(φ70コイル)脊椎用アレイコイル(CTLコイル)その他 ファントム:付属円柱ファントム
【方法】1.各コイルのSNR・信号強度を比較した。2.頸部血管壁描出能を比較した。
【結果】1.φ70コイルが最もSNRに優れ、深部に於いても十分な感度を保っていた。2.CTLコイルはφ70コイルに比べSNRは劣るものの血管壁の評価は可能であった。【結論】今回はプラークイメージの性状診断に要求される高SNR・分解能を重要視し、φ70表面コイルが最も適したコイルであると判断した。
共同演者
山口 正孝
高木 育也
高山 佳士
羽田野 憲伍
村上 康則
所属
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
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163 MR検査 画質・技術
  高エネルギー外傷による緊急脊髄MRIの撮像法の検討
園田 真二郎 九州大学病院医療技術部
【目的】高エネルギー外傷による緊急脊髄MRI撮影時には固定具(バックボードやネックカラー等)があり、通常検査で使用しているコイルでは良い画像が得られない。そのため、コイルの種類や配置を変えて最良の撮像法の検討を行った。
【方法】当院のMRI検査室の所有するコイルの中で・synagy-spine・sense-body・sense-flex M・sense-flex L以上のコイルを単独もしくは組合せて以下の検討に用いた。@固定具ありの状態でファントム、ボランティアを撮影し画質の評価を行った。A固定具なしの状態でファントム、ボランティアを撮影し画質の評価を行った。B@の画質をAの画質に近づけるようパラメーターを検討した。
【結果】高エネルギー外傷による緊急脊髄MRIの撮像にはsense-flex M とsense-flex Lの組合せが一番有用であることが示唆された。
共同演者
古閑 省一
山下 泰生
舩津 亮平
小林 幸次
所属
九州大学病院
九州大学病院
九州大学病院
九州大学病院
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164 MR検査 画質・技術
  MRIにおけるHalf fourier法とzero filling法のMTFによる画像評価
信太 圭一 鹿児島医療技術専門学校 診療放射線技術学科
【目的】k空間の充填法により撮像時間を短縮することが出来るHalf Fourier変換とZero Fillingに着目し、 MTF(変調伝達関数)により評価し双方の特長について述べる。
【方法】簡易的にMTFを客観的評価する為にサラダ油と水の境界面によるedgeを用いてMTFを測定した。
【結果】512matrix sizeと512half fourierの主観的評価では同等の解像度であった。また、512half fourierと256zerofillingを主観的評価すると、512half fourierの方が解像度が良く、MTFによる評価でも512half fourierの方が256zerofillingよりも良い結果となった。撮像時間が 512half fourierと256zerofillingでは数十秒の違いであり、解像度等を考慮すると、撮像時間の短縮はhalf fourierで行う方が良いことが示唆された。
共同演者
 
所属
 
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165 MR検査 画質・技術
  磁場強度差がみかけの拡散係数(ADC)に与える影響について
西川 啓 九州大学病院 医療技術部 放射線部門
【目的】拡散強調画像から得られる、みかけの拡散係数(apparent diffusion coefficient:ADC)は拡散検出傾斜磁場(motion probing gradient:MPG)により決定されるb値、MPGを印加した場合としない場合の信号強度それぞれSとS0にて定義される。このため磁場強度を変えて測定しても変化しない。しかし臨床での計測においてはしばしばその違いを経験する。そこで自作ファントムを用いて3.0Tと1.5Tの異なる磁場強度の装置においてADC値を測定し、変化するのかを確認した。
【方法】拡散係数の異なる3種類の素材(整髪料、マヨネーズ、寒天)をアクリルケースに封入した自作ファントムを用いて3.0Tと1.5Tの異なる磁場強度の装置においてADC値を測定、比較した。
【結果】いずれの素材においても磁場強度が大きくなるとADC値が減少傾向にあったが有意な差は得られなかった。
共同演者
岩永 崇
宮崎 仁志
山下 康生
大賀 正浩
船津 亮平
辻田 直子
木村 知子
小林 幸次
所属
九州大学病院 医療技術部 放射線部門
九州大学病院 医療技術部 放射線部門
九州大学病院 医療技術部 放射線部門
九州大学病院 医療技術部 放射線部門
九州大学病院 医療技術部 放射線部門
九州大学病院 医療技術部 放射線部門
九州大学病院 医療技術部 放射線部門
九州大学病院 医療技術部 放射線部門
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166 MR検査 画質・技術
  MRI灌流画像解析ソフトPMAの臨床応用について
高橋 晃 国立病院機構 鹿児島医療センター 放射線科
【目的】急性期の脳梗塞治療においては回復の可能性のある脳組織(ペナンブラ)の評価が必要となる。 このペナンブラ領域の判定法には灌流・拡散ミスマッチ領域(DPMR)評価が有用といわれているが、解析の煩雑性等から臨床に用いられていない状況にある。しかし、簡便で安定した解析結果を得る事が可能な解析ソフトPMA(perfusion misumatch analyzer)がASIST-Japanより配布された。このPMAと装置メーカーPWI解析ソフトを比較検討したので報告する。
【方法】装置メーカーPWI解析ソフトと PMA双方で解析を行い、ソフトの簡便性、再現性の評価、またオペレーター間による解析結果の変動等を比較検討する。
【結果】PMAは患者データーを取り込む以外は全て自動で解析を行なう事ができ、オペレーター間による差が少ない。また、ROI解析においても安定した解析結果を得る事ができた。
共同演者
橋本 達也
宮島 隆一
本村 登
折田 信一
所属
国立病院機構 鹿児島医療センター
国立病院機構 鹿児島医療センター
国立病院機構 鹿児島医療センター
国立病院機構 鹿児島医療センター
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167 画像工学 画像処理
  Artificial Neural Network を用いた模擬結節状陰影の検出についての基礎的検討
奥村 英一郎 鹿児島医療技術専門学校診療放射線技術学科
【目的】胸部単純X線画像において,肋骨などと重なった結節状陰影を鑑別することが難しいため,最大30%見過ごされているとの報告がある.本研究の目的は artificial neural network (ANN) を用いて,模擬結節状陰影を高く検出する手法を開発することである.
【方法】22個の模擬結節状陰影(模擬病変)のウレタン樹脂球を任意に配置し5枚の模擬病変を含んだ画像と5枚の模擬病変を含まない画像を撮影した.各画像においてregion of interest(ROI)を選択し,power spectrum (PS) 値を求めANN解析を行った. また,ノイズを付加した場合についても上記と同様な方法で模擬病変の検出能を検討した.
【結果】ROI内に完全に模擬病変が含まれた場合のAz valueは0.998であった.また,ノイズを付加した場合でも同様に結果を得た。 模擬病変のPS値をANN解析することによって,模擬病変を高く検出することができた.しかし,ANNの特性がデータベースに依存するためあらゆる症例に対応できるデータベースの構築が必要である.
共同演者
川下 郁生
石田 隆行
所属
広島国際大学保健医療学部診療放射線学科
広島国際大学保健医療学部診療放射線学科
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168 画像工学 画像処理
  胸部単純写真における模擬腫瘤の妥当性の検討
竹内 結 熊本大学医学部保健学科
【目的】ROC実験などで,実症例を集めることは困難な場合が多い。そこで近年、ソフトウェア的にシミュレーションした腫瘤を利用している論文がいくつか発表されている。しかし、模擬腫瘤の妥当性についての研究は見られない。そこで本研究では、胸部単純写真での腫瘤陰影について,実際の腫瘤と模擬腫瘤を用いたROC解析により,模擬腫瘤の妥当性を検討したので報告する。
【方法】模擬腫瘤症例は,円錐台状の模擬腫瘤を,ソフトウエアーで正常な胸部画像に付加して作成した.実際の腫瘤症例と模擬腫瘤画像それぞれ30枚を、2名の放射線科医を含む6名が読影した。読影では,「実際の腫瘤」の確信度を答えてもらい,ROC解析を行なった.したがって,得られるROC曲線は,実際の腫瘤と模擬腫瘤の識別能を示すことになる.さらに,腫瘤の形状や位置による影響についても検討した.
【結果】模擬腫瘤の作成法や,ROC解析の詳細な結果については,当日発表する.
共同演者
杉本 崇大
桂川 茂彦
所属
熊本大学大学院保健学部
熊本大学医学部保健学科
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169 画像工学 画像処理
  標準ディジタル画像データベースにおける腫瘤検出の難易度と画像特徴量の関係
加藤 律子 熊本大学 医学部 保健学科
【目的】胸部単純X線画像の腫瘤陰影像において、放射線科医による腫瘤の検出の難易度と画像特徴量の関係を定量的に検討した。
【方法】日本放射線技術学会により発行された標準ディジタル画像データベースの腫瘤陰影像154枚(悪性100例,良性54例)を本研究に使用した。オリジナル画像のマトリックスサイズは2048×2048、階調数4096である。本研究では、腫瘤を中心に含むようにマトリックスサイズ512×512の関心領域を設定し、特徴量を求めた。使用した特徴量は、コントラスト、円形度、面積、周囲長、有効直径、平均ピクセル値などである。最後に、データベースで与えられているそれぞれの腫瘤陰影像の検出難易度(5段階)と、計算した特徴量の関係を検討した。
【結果】標準ディジタル画像データベースにおける異常陰影検出の難易度といくつかの画像特徴量の間には関係があり、検出難易度を理解する上で、有用であった。
共同演者
桂川 茂彦
堀 大輔
杉本 崇大
所属
熊本大学 医学部 保健学科
熊本大学 大学院 保健学部
熊本大学 大学院 保健学部
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170 画像工学 画像処理
  Computed Radiography(CR)による臥位ポータブル撮影での両側性胸水の検出
利根 裕史 九州大学医学部保健学科
【目的】富士フィルム社製FCR PROFECT CS(FCR)とコニカミノルタヘルスケア社製REGIUS MODEL190 (REGIUS)での臥位ポータブル撮影における両側性胸水の検出能を、ヒストグラム解析用パラメータ(パラメータ)を変化させ検討した。
【方法】胸部ファントムを、臥位にて左右片側性胸水、両側性胸水および胸水のない4条件下で撮影した。FCRとREGIUSで通常のポータブル撮影用パラメータと新たに考案した胸水検出用パラメータにて画像を作成した。2機種4条件2種類のパラメータの計16画像に関して、ImageJを用い両肺野にROIを設定し、デジタル値を測定した。
【結果】両CR装置にて、臥位ポータブル用パラメータでは、片側性胸水のみ検出が可能で、両側性胸水は検出困難であった。一方、胸水検出用パラメータでは、片側、両側性に関わらず、胸水は検出可能であった。
共同演者
東 純平
矢ヵ部 真理
太田 知世
張 鉄嬌
増田 雅史
輿石 知宏
坂井 修二
所属
久留米大学病院画像診断センター
九州大学保健学科
九州大学保健学科
九州大学保健学科
富士フィルムメディカル
コニカミノルタヘルスケア
九州大学保健学科
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171 画像工学 画像処理
  CDファントム用自動解析プログラムの作成とその有用性の検討
神宮 綾多郎 九州大学大学院 医学系学府保健学専攻
【目的】一般撮影における簡単な画質評価や品質管理の方法として、CD(Contrast Detail)ファントムが利用されている。通常、ファントムの評価は観察者が行うもので、観察者間・観察者内変動が生じる。本研究では、ディジタル化されたファントム像の評価を行うCDファントム用自動評価プログラムを作成し、その有用性について検討した。
【方法】一般撮影装置を用いて京都科学社製CDファントムを頭部、胸部、下肢の3つの条件で撮影した。ファントム像上のそれぞれの径と深さに対応する信号を検出し、自動的にCDカーブを描くプログラムを作成した。従来の方法での観察者による評価と本評価法を比較した。
【結果】自動評価プログラムでは観察者間・観察者内変動のない一定の結果が得られ、観察者の評価よりも高い精度であった。本研究により、品質管理の画質評価が迅速に行えるプログラムを開発した。
共同演者
大久保 文浩
日置 一仁
大喜 雅文
所属
九州大学医学部保健学科
九州大学医学部保健学科
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
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172 X線検査 被ばく・画像補正
  水晶体被ばく線量を考慮したX線入射方向の検討-宮崎わかばセミナーの取り組み-
山神 昭彦 潤和会記念病院 がん治療センター放射線治療室
【目的】宮崎わかばセミナーでは視束管撮影および茎状突起撮影について新たな撮影法の検討を行った。その中でX線の入射方向をAP方向にするかPA方向にするかが検討テーマとして提案された。そこで入射方向を決定づける要因の一つとして考えられる、水晶体の被ばく線量についてTLD (Thermoluminescence Dosimetry) を用いて測定し、比較・評価を行った。
【方法】頭部ファントムの水晶体部分にTLD素子を配置し、以下の項目について検討した。1.管電圧を変えた場合の測定値の比較2. 撮影距離を変えた場合の測定値の比較
【結果】AP方向では、直接X線が水晶体に到達するため、PA方向に比べ被ばく線量が高くなった。実際の臨床に近い撮影条件において、PA方向での水晶体の被ばく線量はAP方向に比べ、視束管撮影では1/20程度、茎状突起撮影では1/8程度であり、PA撮影を行う方が良いという結果であった。今回の結果を一つの指標とし、今後さらに画質評価なども検討しながら入射方向を決定したい。
共同演者
 
所属
 
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173 X線検査 被ばく・画像補正
  一般撮影における入射表面線量測定とSDEC・NDDとの比較検討
千葉 調 鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 臨床技術部放射線部門
【目的】一般撮影における医療被ばくに対し、IAEA・JARTよりガイダンスレベルが提示されている。今回我々は、一般撮影における入射表面線量を標準測定法(標準法)により算出し、その値を基準値としNumerical Dose Determination(NDD)・Surface Dose Evaluation Code(SDEC) において検討する。
【方法】標準法は、日本放射線技術学会計測分科会テキストを参考に空中照射線量・半価層を測定し、入射表面線量を算出する。NDDは、(社)茨城県放射線技師会、SDECは、エスエス技研(株)のソフトを使用する。
【結果】入射表面線量の標準法の値を基準値とし、SDECとNDDで比較したところ、SDECの方が基準値に近い値となった。 今回の実験では、標準法との差の許容範囲を±10%とした。SDECは簡便かつ高精度で入射表面線量が求められることが示唆された。
共同演者
藤坂 智史
末永 浩一
本村 克朗
木屋尾 祐太朗
福島 昇
所属
鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 臨床技術部放射線部門
鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 臨床技術部放射線部門
鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 臨床技術部放射線部門
鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 臨床技術部放射線部門
鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 臨床技術部放射線部門
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174 X線検査 被ばく・画像補正
  一般撮影における補償フィルターの作成 〜粘土による補償フィルター〜
増田 竜規 宮崎県立宮崎病院放射線科
【目的】人工関節が入った方の股関節軸位撮影において、濃度差が著しい部位に対して、粘土を使用した補償フィルターを作成し、濃度の平均化ができないかを検討した。
【方法】人工関節軸位撮影での使用管電圧において、厚さを変化させた粘土を撮影し濃度を測定する。また、人工関節軸位撮影の写真の濃度を測定する。その結果から、最適な厚さを求め、補償フィルターを作成し、検討する。
【結果】補償フィルターを使用していない場合と、使用した場合の写真を比較すると、使用した写真では大腿骨の近位部から遠位部まで濃度が平均化された。それにより、人工関節先端部や臼蓋部スクリューの緩み、骨折がないかを観察できた。このことから、安価で加工しやすい粘土で作った補償フィルターが有用であるといえる。
共同演者
金子 慶太
齋藤 泰洋
小早川 泰彦
浅田 俊治
豊浦 哲義
所属
弘潤会野崎東病院放射線科
宮崎県立宮崎病院放射線科
宮崎県立日南病院放射線科
宮崎県立日南病院放射線科
宮崎県立宮崎病院放射線科
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175 X線検査 被ばく・画像補正
  ディジタルシステムにおける最適グリッド選択の指標の検討
中 健太郎 九州大学大学院 医学系学府保健学専攻
【目的】ディジタルシステムにおける最適撮影法の確立を目的として,散乱線除去用グリッドの選択に関する定量的な指標を検討した.
【方法】腹部を想定した20cm厚アクリルファントムに対し,格子比が異なる5種類のグリッドを用いて,同一条件で撮影を行った.撮影条件は,13施設における調査から,管電圧80kV,入射線量20mAs,焦点-検出器間距離を1mとした.散乱線の減少に伴うコントラストの改善と,同一患者被曝線量の条件下での粒状性の悪化とのトレードオフを評価するという観点から,グリッド選択の指標としてS/N比による定量評価を行った.
【結果】被写体厚20cmで撮影した画像のS/N比は,格子比が5:1のとき4.07,10:1から14:1では4.34から4.41の値を示した. S/N比による評価は,視覚評価と相関があることから,グリッド選択の指標として有用であることが示された.
共同演者
田中 延和
東田 善治
熊澤 誠志
畔柳 宏之
所属
九州大学大学院 医学系学府保健学専攻
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
富士フィルム メディカル株式会社
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176 X線検査 被ばく・画像補正
  画像情報システムを利用したX線単純撮影における再撮影の原因分析
山澤 順一 水俣市立総合医療センター 診療技術部 放射線技術科
【目的】X線単純撮影において発生する再撮影は、患者の被ばくはもちろんのこと、我々診療放射線技師の業務時間や労力の無駄になるだけでなく、患者待ち時間の増加や技師の信用の損失につながり、多大な不利益を与えると考えられる。そこで、再撮影の原因を分析して、発生を出来るだけ減少させることは、我々の責務であると考えられる。今回、当センターのX線単純撮影において画像情報システムの蓄積データを利用して、あらゆる条件を加味した再撮影発生の原因を分析し、対策を検討したので報告する。
【方法】当センターの整形外科領域のX線単純撮影において、PACS運用が開始された2006年10月から、2008年7月までの期間で発生した再撮影について、再撮影になった例、再撮影には至らなかったが適合基準から外れた画像を集計し、患者、撮影装置、撮影技師の複数の因子からなる条件から原因を分析し、傾向と対応策を検討した。
【結果】再撮影の画像を撮影技術、撮影装置・システム、患者のそれぞれ原因別に分類した。
共同演者
高橋 英夫
所属
水俣市立総合医療センター 診療技術部 放射線技術科
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177 放射線治療 線量・技術
  画像処理ソフトを用いた全身照射用水補償フィルタ作成の簡便化
吉留 郷志 九州大学病院医療技術部
【目的】当院では全身照射において,全身の吸収線量を均等にするために水補償フィルタを使用しているが,その作成は時間と労力を必要とする作業である.そこで,画像処理ソフトを用いて体厚などのデータを入手し,水補償フィルタの作成を簡便化する手法を開発することを目的とした.
【方法】まず,複数枚に分かれている全身のリニアックグラフィを画像処理ソフトImageJに取り込み,結合した.そして,閾値処理によって全身の輪郭や肺野の輪郭,中心線などを自動的に取得するプラグインを作成し、得られたデータから水補償フィルタ厚を算出した.また,従来手法と開発手法によって算出された水補償フィルタ厚の比較を行った.
【結果】開発手法によって算出された水補償フィルタ厚はこれまでの手法によるものとほぼ一致した. よって,開発手法を用いることにより,照射の精度を落とすことなく作業を簡便化することができると考えられる.
共同演者
橘 昌幸
野口 佳孝
福永 淳一
平野 奈緒美
廣瀬 貴章
所属
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
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178 放射線治療 線量・技術
  胸部呼吸同期照射における照射条件の検討
尾野 倫章 熊本大学医学部附属病院医療技術部
【目的】呼吸同期放射線治療は、1回の照射時間が数秒の間欠照射であり、低MU(モニタユニット)での照射が 繰り返される。 そこで今回、呼吸同期放射線治療における低MUでの最適照射条件を検討する。
【方法】低MU照射時での再現性、線量率依存性、直線性の評価を行う。 また、可動式胸部腫瘍ファントムを用いて、RPMシステム(Real-time Positioning Management Syst em)による呼吸同期下での照射を行い、線量率依存性の評価を行う。
【結果】低MU照射の再現性は良好であり、線量率依存性はほとんどみられなかった。また、直線性は4MU以上 でエラーが2%未満であった。  今までは低MUでは低線量率照射が行われてきたが、今回の結果から胸部呼吸同期照射においては高 線量率照射を行うことが望ましい。
共同演者
丸山 雅人
中口 裕二
筧 清孝
前田 竜一郎
金縄 貴之
永末 望
橋田 昌弘
所属
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
熊本大学医学部附属病院 医療技術部
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179 放射線治療 線量・技術
  当院における前立腺癌3D-CRTの品質管理プログラム作成−臨床に有意義な根拠の明確化を目指して−
尻枝 勝敏 社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
【目的】前立腺癌3D-CRTの臨床計画をファントムに置換したQA計画上で、PTV中心線量および線量分布を推測、施設PTV Margin算定とあわせた当院の前立腺癌3D-CRTの品質管理プログラム作成とその臨床評価を試みる。
【方法】水等価ファントム中にピンポイント電離箱を標的中心として設置、臨床計画ビームを正規化し吸収線量を計測した。EDR-IIを配置した人体ファントムに、前立腺日間変位の合成GTVから仮想PTV作成した臨床計画を置換、照射後にFilm法による線量分布解析をおこない、D95および直腸膀胱側壁辺縁線量から評価した。
【結果】中心線量は5例平均197.0cGyであった。さらに線量分布解析により、辺縁線量およびHot spot有無など臨床照射前評価を可能とした。PTV marginはAP 5mm他は10mmである。van Herkによる理論値はAP10.3mmであり設定値超を確認した。5門non coplanar 32Gy縮小照射時の直腸側壁の等線量曲線50-60%間幅は4mmであり、ビーム半影も考慮した上で直腸粘膜障害発生抑制の根拠を明確にしていきたい。
共同演者
亀田 登
藤森 太一郎
亀澤 秀美
堀之内 隆夫
松本 哲郎
荻田 幹夫
所属
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
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180 放射線治療 線量・技術
  Ir-HDRを用いた子宮頸癌腔内照射における直腸線量の測定−計算値と実測値の比較−
高山 佳士 大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
【目的】治療計画装置PLATOによる直腸線量の計算値と5点線量計による実測値の比較を行い、計算値の有用性について検討した。
【方法】1、タフウォーターファントムを使用し計算値と実測値の比較 2、治療患者における計算値と実測値の比較 3、CT画像より直腸位置の測定
【結果】計算値では、直腸前壁など実測不可能な点や5点線量計が十分に挿入できなかった場合においても直腸線量の把握が可能であるが、実測値と比べ高線量となってしまう傾向がみられた。同一患者において、直腸の位置変動は比較的少なく、CT画像より3次元的に位置把握を行えば、毎回の治療時にCTを施行する必要性がない事が示唆された。そのためには簡便にCT画像の3次元的位置情報を2方向X線写真に反映させるシステムの構築が必要であると考える。
共同演者
滝 誠
吉田 幸人
後藤 圭介
村上 康則
所属
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
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181 放射線管理 線量測定
  民生品の光感受性素子を用いた放射線測定機器の試作
青山 良介 日本文理大学医療専門学校 診療放射線学科
【目的】放射線量に応じた増感紙の発光を民生品の光感受性素子にて検出する簡便な放射線測定機器を試作し、放射線測定実験が可能であるか検証を行ったので報告する。
【方法】増感紙と分光感度特性が一致するホトダイオードとオペアンプを用いて放射線測定機器を試作した。照射時間、焦点-検出器間距離を一定として、管電流、管電圧を変化させ蛍光量計との特性を比較し、Alでの半価層測定を行った。
【結果】試作した放射線測定機器の特性は蛍光量計と同様に良好な直線性を示した。また半価層測定では蛍光量計と同一の減弱特性を示し、照射条件に対して第1・第2半価層(約6.5mm・16.5mm)を得ることができ、試作した測定器は放射線測定実験の基礎を理解するために十分な性能であった。 増感紙と民生品の安価なホトダイオードで放射線量の測定を行った。今後、照射時間に応じた線量の変化を測定するために計数回路などを追加してより精度の高い線量計を目指したい。
共同演者
亀井 修
衛藤 路弘
所属
日本文理大学医療専門学校 診療放射線学科
日本文理大学医療専門学校 診療放射線学科
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182 放射線治療 線量測定
  GafChromicフィルムによる線量解析の物理的特性に関する検討
竹下 洋平 宮崎大学医学部附属病院放射線部
【目的】GafChromicフィルムは、現像処理を必要としない、放射線治療領域の二次元線量測定器として利用されている。しかし、これまでの報告により線量の誤差が5〜10%あると報告されている。今回、GafChromicフィルムの線量空間分解能やノイズ特性について、XV-2やEDR-2と比較して、線量検出器としての物理的特性を評価した。
【方法】GafChromicフィルムを10cm厚の固体水等価ファントムに挟んで、10MV X線を0.5Gy〜11Gy照射して、線量‐濃度変換テーブルを作成した。 次に、ビーム中心軸上にX方向半分の位置に鉛ブロックを配置して、エッジ画像を撮影し、線量空間分解能をMTFで計測した。ノイズ特性は、均一照射されたフィルムについて、二次元NPSを求めた。
【結果】結果は、会場のほうで報告する。
共同演者
川村 慎二
久家 教幸
四元 雄矢
市原 正道
紫垣 誠哉
所属
宮崎大学医学部附属病院放射線部
宮崎大学医学部附属病院放射線部
宮崎大学医学部附属病院放射線部
宮崎大学医学部附属病院放射線部
宮崎大学医学部附属病院放射線部
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183 放射線管理 線量測定
  サイバーナイフ治療時における生殖腺被曝線量−評価方法確立、臨床での線量推計の試み−
袴田 哲郎 社団法人 八日会 藤元病院 放射線部
【はじめに】サイバーナイフはおもに頭・頚部の治療をおこなっている。なかには、幼児や児童といった患者様もおられ、放射線感受性の面からも生殖腺被曝線量の推計をおこなう必要性があると考えられたので報告する。【目的】治療時に発生する散乱線による生殖腺被曝線量がどの程度かを実測し、今後の治療において患者様に十分な説明ができるようにする。
【方法】ランドファントムを用いて指頭型電離箱を生殖腺の位置に置き、精度管理用の照射条件及び実際の治療時に用いる照射条件を比較検討した。
【結果】一過性の不妊が生じるとされる、しきい線量(女性0.65〜1.5 Gy・男性0.15 Gy)にくらべ1/1000という値をしめした。そのためサイバーナイフ治療時による一過性の不妊等を招く可能性は少ないと考えられる。【結論】今回の実験で治療時に生殖腺がうけるおおよその被曝線量を知ることができた。これを踏まえ今後の患者様への説明に役立てたい。
共同演者
藤森 太一郎
亀澤 秀美
亀田 登
尻枝 勝敏
松本 哲郎
荻田 幹夫
所属
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線治療部
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184 放射線管理 線量測定
  ピンホールカメラを用いた子宮頚がん密封小線源治療における線源配置の検証
四元 雄矢 宮崎大学医学部附属病院 放射線部
【目的】子宮頸がんの腔内治療において線源配置の検証は治療前の線源停止位置確認により行われており、実際の治療における検証は行われていないのが現状である。今回、ピンホールカメラを利用して腔内治療時の192Ir線源画像を取得し線源配置の検証を行った。
【方法】ピンホールカメラの受光面にイメージングプレートを配置した。ピンホールカメラを治療時に寝台背面に配置して、192Ir線源からの散乱線画像を取得した。得られた画像を治療計画時の計算画像と比較して線源位置の検証を行った。
【結果】ピンホールカメラを用いることで患者治療時の線源画像を得ることができた。これにより治療時の線源配置の検証が可能となった。【結論】ピンホールカメラは腔内治療における線源配置の品質管理に有用である。
共同演者
川村 慎二
久家 教幸
市原 正道
竹下 洋平
紫垣 誠哉
田原 義弘
所属
宮崎大学医学部附属病院 放射線部
宮崎大学医学部附属病院 放射線部
宮崎大学医学部附属病院 放射線部
宮崎大学医学部附属病院 放射線部
宮崎大学医学部附属病院 放射線部
宮崎大学医学部 放射線医学講座
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185 核医学 脳血流・画質
  脳血流SPECT検査におけるCT/AC使用時の再構成条件の検討
藤下 稔雅 長崎北病院 放射線科
【目的】Infinia Hawkeye4では脳血流SPECTにおいてCT/ACを吸収補正に使用するための画像再構成としてOS-EM法を使用する。その際に最適なIterationを検討し、DEW散乱線補正を使用するためその係数Scatter Weightを求める。また、従来使用されている画像再構成FBP法と吸収補正Chang法との組み合わせた画像との比較検討をおこなう。
【方法】Cold Spotファントムと均一性ファントムに123I-IMP溶液を満たし、SPECT収集とCTスキャンを実施した。均一性ファントムのプロファイルカーブとCV値より最適散乱線補正係数を求め、Cold Spotファントムのコントラスト値より最適Iterationを求めた。
【結果】OS-EM法における最適Iterationは6回であり、DEW散乱線補正係数は0.8であった。OS-EM法とFBP法との比較では同等のコントラストが認められた。
共同演者
小浦 哲
小玉 亮一
所属
長崎北病院 放射線科
長崎北病院 放射線科
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186 核医学 脳血流・画質
  TEW法脳血流SPECTにおいて、減弱補正を安定して行うための一方法
吉田 幸人 大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
【目的】脳血流SPECTにおいて、Chang法による減弱補正ではサイノグラムを利用した自動輪郭抽出で任意の閾値を設定する手法が用いられている。しかし123I脳血流製剤を使用した場合では、TEW法による投影データのカウント減少により適切な輪郭抽出が行えない場合が多い。今回我々は、安定して自動輪郭抽出が得られるような方法を検討したので報告する。
【方法】TEW法による投影データカウント値の低下に着目し、123I脳血流製剤の臨床例において、TEW法を行う前のメインピークでサイノグラムの輪郭抽出を行い、その結果をTEW法後のデータに移行させ減弱補正を行う方法を検討した。
【結果】Chang法の自動輪郭抽出には、TEW法を行う前のメインピークの投影データを使用することにより比較的安定することが示唆された。TEW後のデータで自動輪郭抽出を行う従来の方法に比較し、今回検討した方法は安定性も増し有用性は高いものと考える。詳細については当日報告する。
共同演者
中山 晃一
小石 幸生
近藤 泰史
竹川 依梨加
村上 康則
所属
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
大分大学医学部附属病院医療技術部放射線部門
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187 核医学 脳血流・画質
  eZISの定期的施設間補正の必要性について
栗本 純一 大分県厚生連鶴見病院 放射線技術科
【目的】今回、eZIS解析でアーチファクトと思われる血流低下領域を認めた為、新たにファントムデータをを収集し施設間補正を行った。そして、それ以降に撮像した25名に対し旧ファントムデータと新ファントムデータの両方でeZIS解析を行い比較検討した。【統計解析ソフト】eZIS version3【使用放射線医薬品】ニューロライト注射液(99mTc-ECD):富士フィルムRIファーマ
【方法】25名の脳血流SPECTのデータに対して旧ファントムデータと新ファントムデータを用いて解析したeZIS画像を視覚的に比較検討する。
【結果】後部帯状回においてアーチファクトと思われる血流低下が100%認められた。これは、検出器の時間的劣化によるものが一番の原因と考える。やはり、定期的に施設間補正をしていく必要がありそうだが、どのタイミングで行うべきかはこれからの検討課題である。
共同演者
園 光博
土谷 豊
内藤 秀一
高野 恵
所属
大分県厚生連鶴見病院
大分県厚生連鶴見病院
大分県厚生連鶴見病院
大分県厚生連鶴見病院
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188 核医学 脳血流・画質
  甲状腺乳頭癌のTl-201シンチグラフィにおけるoff-peak windowデータ収集法の有用性に関する検討
村上 智紀 医療法人 野口記念会 野口病院 放射線科
【目的】Tl-201イメージングにおけるoff-peak window設定(OFF-pw, 77 keV±14.3%)による画質改善の効果を、従来のon-peak window設定(ON-pw, 71 keV±10%)と比較検討するために、TEWデータ収集法を応用した両window設定画像の同時収集法を考案し報告した。本法を用い、甲状腺乳頭癌のTl-201シンチグラフィにおけるOFF-pw画像の有用性を検討した。【対象】同時収集法によるTl-201シンチグラフィを79症例の患者に施行した。術前に施行した超音波検査の所見が単発腫瘤であり、術後に腫瘍径(8×5〜76×45 mm)が判明した38症例を対象とした。
【方法】早期像で病変部(T)、対側甲状腺部(N)、右肺野(L)に腫瘍短径を直径とする円形ROIを設定した。得られた総計数値よりT/N比とT/L比を算出した。これをOFF-pw画像とON-pw画像で比較した。
【結果】T/N比は76.5%(26/34)、T/L比は92.1%(35/38)の症例でOFF-pw画像の方がON-pw画像よりも高値であった。以上より、OFF-pw画像の有用性が示唆された。今後さらなる検討を行っていきたい。
共同演者
野口 靖志
古嶋 昭博
高木 昭浩
松本 政典
所属
医療法人 野口記念会 野口病院 放射線科
熊本大学生命資源研究・支援センター
大阪大学大学院医学系研究科
熊本大学医学部保健学科
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189 核医学 脳血流・画質
  空間フィルタ処理を用いた骨シンチグラフィ全身スキャン画像の評価
椎葉 拓郎 (医)同心会古賀総合病院放射線技術部
【目的】骨シンチグラフィは,投与後2〜4時間後に全身スキャンを行い,スタティックやSPECTを撮像するのが一般的である.全身スキャン像は,それぞれの患者の血中クリアランスによって骨とバックグラウンドのコントラストが異なり,椎体や肋骨など何番なのかを判断することが難しい場合がある.そこで,画像処理によってコントラストの改善と椎体や肋骨の辺縁の視認性が向上するか検討した.
【方法】画像処理は,原画像にスムーシングを行ったあと,エッジ強調を行い,これらの処理を行った画像に原画像を加算した.ファントムを用いて原画像と処理画像での物理評価と臨床画像での一対比較法を用いた視覚評価を行った.
【結果】処理画像が原画像に比べ,コントラストが改善した.視覚評価においても処理画像の方が優れた結果を示した.よって,処理画像を提供することにより,診断精度が向上する可能性が示唆された.
共同演者
前田昌二
所属
(医)同心会古賀総合病院放射線技術部
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190 核医学 脳血流・画質
  複数のアンシャープマスキング(USM)処理を用いた核医学画像の画質改善について
野瀬 隆之 宮崎大学医学部附属病院放射線部
【目的】複数のUSMを用いた処理を行うことで核医学画像の画質改善が行えないか検討したので報告する。
【方法】@試料の放射能濃度を変化させディジタル特性曲線を作成し、USM処理有り、無しについて比較検討した。AラインソースからMTFを求め、USM処理有り、無しについて比較検討した。B均一性ファントムからWSを求め、USM処理有り、無しについて比較検討した。C上記@〜BからNEQ(u)を求め、USM処理有り、無しについて比較検討した。
【結果】@ディジタル特性曲線:処理有りの場合は、処理無しの場合に比べてγが大きくなり、グラディエント値は約1.5倍になった。AMTF:処理無しの場合と比べ処理有りの場合では、MTFは高い値を示した。BWS:処理無しの場合と比べ処理有りの場合では、WSは高い値を示した。CNEQ(u):処理無しの場合と比べ処理有りの場合では、どの周波数域においても高い値を示した。【結論】複数のUSMを用いた処理を行うことで、明らかな画質の改善がみられた。
共同演者
有田 英男
児玉 博和
平原 由美
北里 裕美子
小濱 糸穂
紫垣 誠哉
所属
宮崎大学医学部附属病院放射線部
県立日南病院
宮崎大学医学部附属病院放射線部
宮崎大学医学部附属病院放射線部
宮崎大学医学部附属病院放射線部
宮崎大学医学部附属病院放射線部
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191 核医学 心筋
  201Tl心筋SPECTにおける心筋外高集積の影響
山口 真平 熊本大学医学部保健学科
【目的】201Tl心筋SPECT検査において心筋外高集積は再構成画像にアーチファクトを生じる問題があり、各再構成法を比較すると逐次近似法に比べFBP法で強いと報告されている。今回、逐次近似法に各種画像補正を加えた場合の心筋外高集積の影響をファントム実験で検討した。
【方法】Anthropomorphic torsoファントムを用い、201Tl濃度を心筋:肝:バックグラウンド=1:0.5:0.05とした通常の条件と、肝の高集積モデルとして心筋:肝:バックグラウンド=1:1:0.05の条件で作成した。撮像は、SPECT/CT combined装置で行い、高集積の影響を視覚的、および定量的に評価した。
【結果】心筋:肝=1:0.5の通常モデルでは、補正なしで肝の集積による集積低下を後側壁に認めるが、減弱補正および減弱・散乱線補正を加えた場合には認めなかった。しかし、高集積モデルでは、いずれの場合でも同部に集積低下を認めた。心筋外高集積の心筋SPECTへの影響は、逐次近似法でも集積低下として認められ、減弱補正は軽減し、散乱線補正やコリメータ開口径補正、特に後者で強調されると考えられた。逐次近似法を用いた再構成および各種補正を加えた心筋SPECTでも高集積によるアーチファクトが出現する可能性があると思われた。
共同演者
冨口 静二
勝田 昇
吉塚 伸行
鷹本 慶子
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部附属病院医療技術部
日立メディコアプリケーション部
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192 核医学 心筋
  201Tl心筋SPECTにおける減弱、散乱線、コリメータ開口径補正の有用性
李 仁珠 熊本大学医学部保健学科
【目的】201Tl心筋SPECT検査の画像補正に減弱、散乱線補正に加え、コリメータ開口径(CDR)補正が行われるようになり、その臨床的有用性も報告されている。今回、201Tl心筋SPECTにおけるCDR補正を含めた各画像補正法の有用性についてファントム実験で検討した。
【方法】Anthropomorphic Torsoファントム(心筋の前壁、下壁にそれぞれ欠損を配置)を使用し、201TlCl水溶液の濃度比が心筋:肝臓:バックグラウンド=1:0.5:0.05となるよう調整した。撮像は、combined SPECT/CT 装置によりエミッションデータの収集、および減弱補正、散乱線補正(ESSE法)に必要なCTデータを収集した。画像補正効果の評価は、各補正画像に対しプロファイルカーブおよびROIを作成し、コントラストおよび均一性を定量的指標を算出し行った。コントラストは、正常部および欠損部のカウント比、均一性の指標としては、ROI中のカウントの変動係数(CV)を用いた。
【結果】減弱補正により心筋全体の均一性が向上し、散乱線補正により欠損部と正常部とのコントラストが向上した。CDR補正を行うと、さらにコントラストは向上するが、均一性はやや低下する結果となった。しかし、臨床的考察を行うと減弱補正に加え、散乱線補正やCDR補正を行うことで虚血領域の検出感度が向上するものと考えられた。
共同演者
冨口 静二
勝田 昇
吉塚 伸行
鷹本 慶子
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部附属病院医療技術部
日立メディコアプリケーション部
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193 核医学 心筋
  201Tl心筋SPECTにおけるESSE法とTEW法の散乱線補正効果の比較
伊藤 幸 熊本大学医学部保健学科
【目的】SPECT/CT装置の導入により、CTは減弱補正と共に散乱線補正(ESSE法)にも利用されるようになった。今回、心筋SPECTにおける散乱線補正法であるeffective source scatter estimation(ESSE)法とtriple energy window(TEW)法の散乱線補正効果をファントム実験で比較検討した。
【方法】Anthropomorphic Torsoファントム(Data Spectrum社製)内に201Tl濃度を心筋部:肝臓部:バックグラウンド=1:0.5:0.05となるように調整した。 また、臨床での病変部と正常心筋部とのコントラストの評価を想定し、心筋部には前壁と下壁にそれぞれ欠損を配置した。撮像は、SPECT/CT combined装置を使用し、SPECTは、メインエネルギーウィンドウ両側にサブウィンドウを設定し、triple energy windowで収集した。画像再構成には逐次近似法(減弱補正、コリメータ開口径補正有り)を行い、ESSE法、およびTEW法で散乱線補正したものを作成した。
【結果】正常心筋部に対する欠損部のコントラストは、TEW法の方がESSE法より大きかった。しかし、心筋短軸像で評価した正常心筋部(欠損の影響が見られないスライス)の均一性はESSE法の方が良好であった。これは、TEW法ではカウントの減算を行うためESSE法に比べS/N ratioが低下するためと考えられた。高い収集カウントではTEW法の方が虚血領域検出に有用で、ESSE法は低い収集カウントでの虚血領域検出に有用と考えられ、虚血領域の検出感度については、臨床例による両者の比較が必要であると思われた。
共同演者
冨口 静二
勝田 昇
吉塚 伸行
鷹本 慶子
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部附属病院医療技術部
日立メディコアプリケーション部
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194 核医学 心筋
  201Tl心筋SPECTにおけるX線CTとの寝台の共有の有無が及ぼす減弱補正効果への影響
田中 仁志 熊本大学医学部保健学科
【目的】SPECT/CT装置では、SPECTおよびCT共に同一寝台で施行されている。一方、融合画像はソフトウェアでも可能で、個別に撮像されたCT像を減弱補正に使用することも可能である。この際には、SPECT撮像時と異なる寝台を使用している点が減弱補正を行う場合には問題となる。今回、SPECT/CT combined装置のCTを用いた場合と異なるCTで撮像された場合の減弱補正効果をファントム実験で比較検討した。
【方法】Anthropomorphic Torsoファントム(Data Spectrum社製)を使用し、ファントムは201Tl濃度を心筋部:肝臓部:バックグラウンド=1:0.5:0.05に調整した。SPECTはSPECT/CT combined装置で撮像し、CTはSPECT/CT combined装置(Light Speed Ultra GE社製)とPET/CT 装置(GEMINI Philips社製)で撮像した。減弱補正係数マップは、それぞれのCTで基準ファントムを異なる条件で撮像し、CT値より線減弱補正係数に変換するbilinearスケールを作成し施行した。
【結果】視覚評価においては、心基部の減弱補正効果に軽度の違いが認められた。また、均一性の指標としてSPECT短軸像に複数のROIを設定し求めた変動係数は、減弱補正なしに比べ、同一寝台を用いたCTで補正した場合の方が、異なる寝台で撮像されたCTで補正した場合よりCV値は低値となった。このような差は、寝台の吸収の差を反映しているものと考えられた。異なる寝台で撮像されたCTを減弱補正に利用する場合には、視覚的診断には有用であるが、定量評価する際には注意が必要と考えられた。
共同演者
冨口 静二
勝田 昇
吉塚 伸行
鷹本 慶子
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部附属病院医療技術部
熊本大学医学部附属病院医療技術部
日立メディコアプリケーション部
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195 核医学 心筋
  心筋血流解析ソフトCardioBullの使用経験
坂元 成行 国立病院機構鹿児島医療センター
【目的】現在当院では、心筋血流SPECT(201TlCl)の心筋血流解析に“4DMSPECT”を使用しているが、今回、99mTc-MIBIを用いた心筋血流SPECTの開始に伴い、“CardioBull”を使用する機会を得たので、その使用経験と4DMSPECTとの比較検証にもとづいた臨床的有用性について報告する。
【方法】現在当院で使用している4DMSPECTとCardioBullについて、同一症例における心筋血流解析の比較検証を行ない、その臨床的有用性について検討した。
【結果】CardioBullは、4DMSPECTと比較的良好な相関が認められた。また、ノーマルデータベース(NDB)として、国内における99mTc-MIBIと201TlClの健常者データを、それぞれ組み込んでおり、NDBとの比較解析が可能である点で極めて有用であった。
共同演者
宮島 隆一
渋谷 充
本村 登
折田 信一
所属
 
 
 
 
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