研究発表抄録

演題番号 001〜050     051〜100     101〜150     151〜195     シンポジウム等


051 CT検査 画質2
  異なるメーカーのCT装置における再構成関数の検討
近藤 雅敏 九州大学病院 放射線部
【目的】同一の検査内容の場合、臨床医は異なるメーカーのCT装置であっても同等の画質の出力を要求することがある。メーカー間の再構成関数の違いは物理評価を中心に検討されているが、物理評価を臨床に応用するには専門知識が必要となる。そこで、物理評価を臨床医も理解可能な形式にて表示し、異なるメーカーの再構成関数を適切に選択することで、より同等な画像を出力することを目的とした。
【方法】2メーカーの4列CT装置にて検討した。CT装置の物理評価として、水ファントムにおけるSD値、ワイヤー法による50%MTFを測定した。A社で臨床に用いる再構成関数を基準とし、B社の装置にて最も同等の画質を得られる再構成関数を導いた。この再構成関数にて臨床画像を再出力、診療放射線技師が視覚評価した。
【結果】SD値、50%MTFの値が最も近い再構成関数を選択した。この結果、従来と比較して同等の出力が可能となった。
共同演者
吉留 郷志
粟元 伸一
吉川 英樹
所属
九州大学病院 放射線部
九州大学病院 放射線部
九州大学病院 放射線部
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052 CT検査 画質2
  64列MDCTを用いた股関節人工骨頭術後関節面の視覚評価
大島 賢治 大分県厚生連 鶴見病院 放射線技術科
【目的】CT検査において良好な画像を得る為にはさまざまなパラメータが存在する。そこで今回、そのパラメータの中でも最も重要な画像再構成関数に着目し、64列MDCTを用いて股関節人工骨頭置換術術後の撮影において良好な画像再構成関数を決定するため検討した。
【方法】自作ファントムを使用し、64列MDCTにて撮影を行う。得られた画像データより5種類の再構成関数にて0.5mm厚の画像再構成を行い64列MDCT担当技師6名にて視覚評価を行う。
【結果】今回の研究にて、以前より使用していた再構成関数は妥当であったと考えられる。しかし関節面が良好に描出された再構成関数は他にも存在し、今後臨床でも使用し、評価していきたい。また今回はチタン合金の人工骨頭をファントムに選択したが、手術症例によってはコバルトクロムの人工骨頭を使用するため、材質によって再構成関数を使い分けることも今後の課題として取り組んでいきたい。
共同演者
三浦 弘
奥川 幸洋
藤原 誠
高野 恵
所属
大分県厚生連 鶴見病院
大分県厚生連 鶴見病院
大分県厚生連 鶴見病院
大分県厚生連 鶴見病院
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053 CT検査 画質2     CT検査 その他 において発表予定
  CT画像評価における関心領域の精度についての検討
塘田 孝夫 特定医療法人社団至誠会 木村病院 放射線科
【目的】関心領域の平均CT値や標準偏差を求めることは日常的に行われている。統計学的には関心領域内の画素数をより多くすればより安定した数値が得られることは予想がつくが、必要な画素数や関心領域の大きさに関する明確な指標はない。 今回、CT値の平均値・標準偏差が安定した値を得られる関心領域の大きさについて検討したので報告する。
【方法】直径約200mm、300mmの水ファントムをnon-helicalで撮像し、得られた画像にたいして画像の直径の中心、半径の中心(0時、3時、6時、9時方向)の5点に関心領域を設定し関心領域の大きさを可変し計測する。また、経時的に同様の検査を行い値の変化を観察する。
【結果】関心領域内の画素数がある大きさになるとCT値の平均値・標準偏差が安定してくることが明らかになった。
共同演者
 
所属
 
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054 CT検査 画質2
  Bowtie filterの違いにおける off-center positionでの画像ノイズの影響
中田 恵美子 熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
【目的】Bowtie filterの違いにおける off-center positionでの画像ノイズの影響について検討を行う.
【方法】胸部CTファントムおよびGE社製LightSpeed VCTを使用して、bowtie filter をsmall, medium, largeの3種類変更してスキャンを行った。撮像はファントムの位置をon-centerである0 cmからoff-centerである2, 4, 6 cm 上方に移動して行った。スキャン後に画像のノイズを測定した。
【結果】結果:0 cm での画像ノイズを1とした場合のノイズ比は small bowtie filterで6 cmでの位置が最も劣化していた。一方、large bowtie filterの場合はoff-center の位置によるノイズの影響は見られなかった。結論:画像ノイズは各bowtie filterおよびoff-center positionの位置の違いで影響が異なった。
共同演者
羽手村 昌宏 
坂部 大介
筧 清孝
田中 政行
船間 芳憲
所属
熊本大学医学部附属病院放射線部
熊本大学医学部附属病院放射線部
熊本大学医学部附属病院放射線部
熊本大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
熊本大学医学部附属病院放射線部
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055 CT検査 心臓
  スナップショット・パルスの基礎的検討
石井 佳人 JR九州病院中央放射線室
【目的】スナップショットパルスは、プロスペクティブ・ゲーティングスキャンと寝台移動を繰り返す心電同期ノンヘリカルスキャン法であり、画像作成に必要な心位相にのみにX線を照射するため、撮影線量を大幅に軽減できるといわれている。今回、従来法とは異なる新たな心臓CTスキャン法について基礎的検討を行なったので報告する。
【方法】スナップショットパルススキャンとヘリカルスキャンについて、実効スライス厚、MTF(スライス面内、体軸方向)、ノイズ等の画質を比較すると共に、同一範囲を撮影した際の装置表示CTDIvol値ならびにDLP値の比較を行なった。
【結果】スライス面内のMTFおよびノイズはほぼ同等であったが、実効スライス厚はスナップショットパルススキャンの方が良好であり、被ばく線量の指標についても、ヘリカルスキャンに比べ、非常に小さな値を示した。
共同演者
塩谷 正貴
所属
JR九州病院中央放射線室
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056 CT検査 心臓
  スナップショット・パルスにおけるスラブの連続性についての検討
塩谷 正貴 JR九州病院 中央放射線室
【目的】心臓CTでは冠動脈評価にMPR(Multi Planer Reconstruction)像を多用するため、画像データの連続性は重要である。スナップショット・パルスは、カーディアック・ヘリカルに比べて低被ばくと高画質を特徴としているが、このプロトコルの適用基準をクリアした被検者であっても撮影スラブの連続性が良くない症例を経験した。今回、その原因について調査、検討を行ったので報告する。
【方法】1.実際の検査、及び立方体ファントームの画像データからMPR像を作成し、スラブ間の連続性について評価した。2.撮影スラブの端、中央部、境界での物理データ(SD、実効スライス厚、MTF)の比較評価を行なった。
【結果】スナップショット・パルスは体軸方向に位置するスラブの端、中央部、境界でSD、実効スライス厚に変化が生じていた。
共同演者
石井 佳人
所属
JR九州病院
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057 CT検査 心臓
  Coronary CTAにおけるECG Dose Modulationの臨床に適した設定値の検討
岸川 誠 佐賀県立病院好生館放射線科
【目的】ECG Dose Modulation(以下ECG-DM)を使用するにあたり、設定時と撮影時の心拍数が異なる場合、画像の標準偏差や被ばく線量にどのような影響を及ぼすか、また設定時と撮影時の心拍数が異なる場合High mA Range(67〜81%)が臨床において適用できるか検討した。
【方法】設定時の心 拍数に対して、撮影時の心拍数を変化させ、ECG-DMを使用してファントムを心電同期スキャンした。画像の標準偏差や被ばく線量への影響を検討した。X線CT装置は東芝メディカルシステムズ社製 Aquilion 64
【結果】設定値の心拍数に対して心拍数が上昇すると高線量領域は心拍位相の後方にずれ被ばく低減効果は少なくなった。心拍数が低下すると高線量領域は心拍位相の前方にずれ被ばく低減効果は大きくなった。当院の臨床において撮影時の心拍変動は少ない為、High mA Range(67〜81%)は当院の臨床において適用可能である。臨床にてECG-DMを使用する場合は動作特性や撮影時の心拍変動を考慮する必要がある。
共同演者
江口 昭彦
柿本 信二
大西 輝法
所属
佐賀県立病院好生館
佐賀県立病院好生館
東芝メディカルシステムズ株式会社 九州支社
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058 CT検査 心臓
  22Gサーフロー注射針を用いた冠動脈CTAにおける造影剤注入圧の臨床的検討
濱田 智太郎 財団法人昭和会 今給黎総合病院
【目的】高速注入が必要となる冠動脈CTAにおいて、22Gサーフロー注射針使用下での350mgI/mL及び370mgI/mLのシリンジの注入圧力を測定し、そり低侵襲なCT造影検査での高速注入法について検討する。また、240mgI/kgのヨード量での冠動脈のCT値、視覚的評価が可能であるかを併せて検討する。
【方法】ボーラストラッキング法でヨード量240mgI/kgで13秒注入し、生理食塩水25mLでフラッシュを行う。注射部位は右肘静脈で統一する。
【結果】冠動脈CT値、視覚的評価、安全性、造影剤漏出有無、最大注入圧力値、圧力波形、注入時の熱感な局所の痛みをVAS評価する。結果は当日発表します。
共同演者
新村 栄次
稲留 久恵
加治屋 博一
小屋 俊彰
所属
財団法人昭和会 給黎総合病院
財団法人昭和会 今給黎総合病院
財団法人昭和会 今給黎総合病院
財団法人昭和会 今給黎総合病院
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059 CT検査 心臓
  冠動脈CTのマルチフェーズ解析を利用した最適心位相決定の試み
白木 利明 独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター放射線科
【目的】冠動脈CTにおいて心位相検索は、冠動脈が描出されている横断面によるフェーズ解析によって行われ、最適位相検索に苦慮する現状にある。そこで、当院で使用しているTERARECON社製WorkStation Aquarius NetStationは、4D画像をストレス無く動かす事が可能であることより、マルチフェーズでリコンしたデータを用いて最適心位相を決定する手法について、臨床評価を行ったので報告する。
【方法】従来法と心位相15〜85%の10%間隔でリコンを行い最適心位相を決定するマルチフェーズ法で得られた冠動脈CTの比較を行い、同時期に施行されたCAGとの感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を評価した。
【結果】マルチフェーズ法によって作成した冠動脈CTは、従来法と比較して冠動脈全体の静止位相を検索する事が可能となり、ボケやアーチファクトが少ない冠動脈像が得られ陽性的中率が向上した。
共同演者
宮島 隆一
渋谷 充
高橋 晃
本村 登
折田 信一
所属
独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター放射線科
独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター放射線科
独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター放射線科
独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター放射線科
独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター放射線科
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060 画像工学 MTF
  ディジタルX線画像の物理特性に対する線質の影響
甘艸 慎史 九州大学医学部保健学科
【目的】CRの物理特性と入射X線の線質に関しては、これまでいくつか報告があり、MTFについては、硬線質のX線でMTFが低下することが報告されている。また、輝尽性蛍光体のX線に対する感度は、硬線質のX線で低下することも報告されている。本研究では、これらの現象を検証するために、Fuji Profect CS を用いて片面集光IPと両面集光IPで実験を行った。
【方法】3種類のIEC推奨線質RQA5、RQA7、RQA9を用いて、CR片面集光システムと両面集光システムの物理特性である、プリサンプルドMTF、ノイズパワースペクトル、DQEを測定し、入射X線の線質とIPの特性について検討する。
【結果】現在実験中であるが、線質の違いに対するMTFの違いは、これまでの報告に比べて少ない傾向が見られた。
共同演者
中 健太郎
田中 延和
豊福 不可依
東田 善治
所属
九州大学大学院 医学系学府保健学専攻
九州大学大学院 医学系学府保健学専攻
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
九州大学大学院 医学研究院保健学部門
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061 画像工学 MTF
  矩形波テストパターンを用いたディジタルX線画像システムのpresampled MTF測定に関する検討
林田 和也 久留米大学病院画像診断センター
【目的】矩形波レスポンス関数(以下,SWRF)を用いたディジタルX線画像システムのpresampled MTFの測定を検討した.
【方法】矩形波テストパターンを,直接変換型FPDシステム(サンプリングピッチ150μm)の撮像マトリックスに対して約3度の角度をつけて配置し撮影した.この画像から,Buhrらが提唱した方法を参考にして矩形波のパターンを合成した(実効サンプリング間隔は約7μm).このパターンからSWRFを算出し,Fisherの式で近似した後にColtmanの補正式を用いて正弦波レスポンス関数に変換したあと,スリット法で求めたMTFと比較した.
【結果】SWRFから求めたMTFは,4 cycles/mm以下でスリット法と同等の結果を示した.高周波数域では,SWRFから求めたMTFがわずかに低い値を示したが,その差は最大で約0.05であり,スリット法に近い結果が得られた.
共同演者
片山 礼司
杜下 淳次
坂口 太郎
黒木 英郁
前田 孝
所属
久留米大学病院画像診断センター
九州大学大学院医学研究院保健学部門
久留米大学病院画像診断センター
久留米大学病院画像診断センター
久留米大学病院画像診断センター
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062 画像工学 MTF
  対エッジを用いたMTF測定の新しい方法―エッジの配置方法と走査方向による検討―
楢崎 亜希子 九州大学大学院医学系学府保健学専攻
【目的】MTF測定の手法であるエッジ法はスリット法に比べ簡便なため、広く普及し始めている。しかしエッジ法は多くの問題点を抱え、スリット法と同様な結果を得るには、解析途中で工夫が必要となる。そこで今回、新しく左右対称の対エッジを製作し平滑化等の処理を行わない新しい手法でMTFを算出したので報告する。
【方法】IP上に左右対称のエッジ面を主・副走査方向に対して、それぞれ2〜3度傾けて配置した。対エッジを用いることで、ほぼ同じ位置の左右対称ESFを一度の撮影で同時に得ることができた。得られた左右対称ESFの差分微分を行い、それぞれの低線量域LSFをピークで結合しMTFを求め、スリット法と比較した。
【結果】新しく考案した対エッジ法では、平滑化等の処理を行わなくてもスリット法で求めたMTFとよく一致した。また、対エッジ法を用いたことでCRでは主走査方向のエッジの向き(右・左)、および走査方向によってMTFが異なることも新たにわかった。
共同演者
井手口 忠光
川路 康之
東田 善治
豊福 不可依
所属
国立病院機構 熊本医療センター
九州大学大学院医学系学府保健学専攻
九州大学大学院医学研究院保健学部門
九州大学大学院医学研究院保健学部門
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063 画像工学 MTF
  一対のエッジを使用したMTF測定法のシミュレーション
川路 康之 純真短期大学 健康科学研究所
【目的】我々は前回、新しいMTFの測定方法として一対のエッジを利用した方法を提案した。この方法は、スムージング、フィルタリングや外層などの画像処理を施さずにLSFが得られるため、より正確なMTFが得られる可能性がある。しかし、従来の方法に比べどれくらいの精度があるのか、まだ検討されてなかった。今回、我々は、この新しい測定法の精度についてシミュレーションを使用して、検討した。
【方法】既知のMTF値をもったシミュレーション画像をエクセルとImageJにより作成した。このシミュレーション画像に実際の画像より得られたノイズや不均一性を付加し、新しいエッジ法と従来のエッジ法を用いてMTFを得た。それぞれ得られたMTFを既知のMTFと比較し、その精度を求めた。
【結果】一対のエッジを使用した方法で得られたMTFは、従来のエッジ法の弱点であった高周波領域のみならず、すべての周波数領域で高い精度を示した。
共同演者
井手口 忠光
楢崎 亜希子
東田 善治
豊福 不可依
所属
独立行政法人国立病院機構 熊本医療センター 放射線部
独立行政法人国立病院機構 九州医療センター 放射線部
九州大学大学院医学研究院保健学部門
九州大学大学院医学研究院保健学部門
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064 画像工学 CAD
  頭部単純CTにおける急性期脳梗塞のEarly CT sign 検出のためのCAD技術
齊藤 英樹 熊本大学大学院保健学教育部
【目的】急性期脳梗塞のEarly CT sign は、後の治療方針に大きな影響を与える重要な所見である。しかし、その変化は軽微で読影は困難な場合が多い。本研究では頭部単純CTにおいてEarly CT sign を検出するコンピュータ支援診断における手法を開発したので報告する。
【方法】本研究では、急性期脳梗塞19症例の頭部単純CT画像を使用した。使用装置は東芝社製Aquilionとシーメンス社製SOMATOM PLUS 4で 、各スライス厚(テント下/上)は6mm/8mm、5mm/10mm、マトリックスサイズは512×512である。まず、しきい値処理等により急性期脳梗塞の発生頻度が高い中大脳動脈領域を抽出した。次に、抽出した領域に16×16の関心領域を設定して細分化し、各関心領域の特徴量を求めた。さらに、線強調処理にて脳溝の定量化を行った。最後に、関心領域の特徴量と脳溝量から、梗塞領域の検出を行った。
【結果】開発した手法は梗塞領域に対応する低吸収域及び、脳溝の不明瞭化を有意に検出しており、急性期脳梗塞の判定に有用であると考えられた。本手法の詳細については当日発表する。
共同演者
桂川 茂彦
平井 俊範
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学薬学研究部
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065 画像工学 CAD
  胸部MDCTにおける結節状陰影の検出のためのCADアルゴリズムの開発
長渕 康祐 熊本大学医学部保健学科
【目的】近年では胸部MDCT検査の普及により肺がんの早期発見が期待されるようになったが、その反面、撮影されたスライス画像枚数の急激な増加のために、読影を行う医師の負担が大きくなってきている。そこで、本研究では胸部MDCTにおける結節状陰影検出のためのコンピュータ支援診断(CAD)アルゴリズムを開発したので報告する。
【方法】本研究に使用した症例は、直径が20.0mm以下の結節状陰影を含む19症例で、1症例につき結節状陰影は1つだけ存在した。なお、撮影に使用した装置は8列の検出器を有する東芝製Aquilion TSX-101A、撮像パラメータは、スライス厚2.0mm、マトリックスサイズ512×512、ヘリカルピッチ7である。本手法では、まず、しきい値処理、ラベル付け処理およびモルフォロジカルフィルタ処理を行って検出の対象となる肺野を抽出した。次に、抽出した領域に対して選択的強調フィルタを適用して、結節の初期候補領域を検出した。さらに、候補領域の特徴量から偽陽性を除去し、最終的な結節状陰影を決定した。
【結果】本手法により検出の対象となる肺野の抽出および初期候補陰影の検出に成功した。結節状陰影の抽出の最終結果および検出能の評価の詳細は当日発表する。
共同演者
杉本 崇大
堀 大輔
桂川 茂彦
所属
熊本大学大学院保健学教育部
熊本大学大学院保健学教育部
熊本大学医学部保健学科
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066 画像工学 CAD
  3テスラ造影3DT1強調画像における転移性脳腫瘍のCAD技術の開発
杉本 崇大 熊本大学大学院保健学教育部
【目的】転移性脳腫瘍の検出は、その後の治療方針に大きな影響を与えるので非常に重要であり、造影3DT1強調画像によるスクリーニングは広く行われている。しかしながら、画像データ量が多いために病変の検索には時間がかかり、ときに小さい病変の検出が難しい場合もある。したがって、本研究では、3テスラ造影3DT1強調画像において転移性脳腫瘍を自動的に検出するCADの手法を開発したので報告する。
【方法】本手法開発のために使用した症例は、転移性脳腫瘍を有する34症例である。34症例合わせて腫瘍は365個存在した。選択強調フィルタ及び大脳・小脳・脳幹の自動的なセグメンテーション、領域拡張処理等をもとに腫瘍を決定した。
【結果】選択強調フィルタは非常に高い感度で転移性脳腫瘍を強調できるため、腫瘍の性質・大きさに依らず高い検出率を持つが、その反面偽陽性が多くなってしまった。そこで領域拡張処理により偽陽性を削減した。検出能の評価に関する詳細は、当日発表する。
共同演者
桂川 茂彦
平井 俊範
村上 龍次
山下 康行
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部付属病院
熊本大学医学部付属病院
熊本大学医学部付属病院
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067 画像工学 CAD
  MRIにおける脳実質の3次元セグメンテーション
氏原 晋太郎 熊本大学医学部保健学科
【目的】医用画像における対象臓器のセグメンテーションは,CAD技術の基盤的要素として重要であ る。本研究では,頭部MR画像における脳実質の3次元セグメンテーション法を開発したので報告する。
【方法】本手法のために使用した症例は,正常例10症例,転移性脳腫瘍を有する異常症例19例であ った。すべての画像は,3テスラMR装置にて撮像された造影T1強調画像で,撮像パラメータは,スラ イス厚1.0mm,マトリックスサイズ256×256であった。まず,原画像に対して、標準偏差を用いたフ ィルタ処理、モルフォロジカルフィルタ処理、ラベリング処理により脳実質の初期候補領域を決定し た。次に,領域成長法により詳細に脳実質を抽出した。マニュアル法による抽出結果と比較すること で,本手法の精度を評価した。
【結果】MR画像における脳実質の自動抽出法を開発した。手法 および評価結果の詳細については当日発表する。
共同演者
桂川 茂彦
堀 大輔
杉本 崇大
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学大学院保健学教育部
熊本大学大学院保健学教育部
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068 画像工学 CAD
  MATLABを使用した胃疾患のデジタル画像処理
長野 宣道 日本文理大学医療専門学校 診療放射線学科
(大分大学大学院工学研究科 博士前期課程)
【目的】MATLABを使用し胃X線写真の自動診断支援を行う上で,従来行われているいくつかの手法を組み合わせて症例写真を比較検討した.
【方法】デジタル化した特徴的所見のある胃疾患7例(BorrT,BorrU,腺腫,粘膜下腫瘍,Uc+Vと,襞の集中を伴う潰瘍瘢痕,襞の集中を伴わない潰瘍瘢痕)に対しネガ反転処理,濃度変換(γ強調)処理,平滑化処理,鮮鋭化処理,エッジ検出法(ソーベル法,レビット法,ラプラシアン法,ロバーツ法,ゼロ交差法,キャニー法),加算法(x方向微分+y方向微分),フーリエスペクトル解析,テクスチャ解析およびヒストグラム解析を適用して画像の特徴を工学的に評価した.
【結果】微細病変部分の描出においてはネガ反転,胃全体像の形態描出に関してはキャニー法,病変部分の線の描出に関してはソーベル法,レビット法,キャニー法で高評価であった.また,ソーベル法とレビット法のxy方向をそれぞれ加算した画像については,一枚の画像で胃全体の線を強調することができた.逆に,ラプラシアン法では線が消失してしまい評価できないようになった.フーリエスペクトル解析,テクスチャ解析,ヒストグラム解析においても疾患の形態的違いで特徴的な結果を得た.今回の検討で得た疾患の形態的特徴は,今後CADプログラミングを組む上で大きな参考になると思われる.今後はこの結果をふまえ,疾患の特徴抽出を行う微分フィルタを提案し従来法と比較検討していく予定である.
共同演者
 
所属
 
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069 核医学 PET/CT(画質・管理)
  3D F-18 FDG PET-CT収集におけるoverlap-slice数の検討
迫田 和也 九州大学病院
【目的】当院のPET-CTでは、3分/1bed、 overlap-slice数は9で収集を行っている。総検査時間はそのままとした場合でoverlap画像の劣化のない最適なoverlap-slice数の検討を行った。
【方法】Discovery STEを使用し、F-18 37MBqを封入した円柱ファントムを寝台上に置き、1bed当たり3分と2分40秒で、overlap-slice数を7、9、11、13に変化させ、2bed収集を行った。CenterとOverlap画像にROIを設定し、両者のSDの比を求めた。
【結果】SDの比は、3分収集では、overlap-slice数が7、9、11、13でそれぞれ1.65、1.47、1.30、1.24であった。また2分40秒収集では、1.79、1.50、1.39、1.29であった。
共同演者
氷室 和彦
大屋 信義
千住 竜之
所属
九州大学病院
九州大学病院
九州大学病院
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070 核医学 PET/CT(画質・管理)
  「FDG−PET検査における微小集積に対する撮影・再構成条件の検討」
田 明広 社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線部 
【目的】通常の検査では悪性度の低い細胞あるいは悪性度が高くても早期で小さな細胞は、描出できない可能性がある。この病巣を少しでも認識可能とする為に撮影条件及び再構成条件の検討を行う。
【方法】軟部組織濃度ベースに病巣部(認識限界濃度)のファントムを作成し、軟部組織上の認識不明瞭な集積を再現し、2分と5分撮影に対し種々再構成を行い、認識不明瞭な集積に対し評価する。評価方法は、@統計雑音評価SD/mean値の評価、A病巣部/非病巣部値の評価、B病巣部の高カウント値評価、の3通りで全ての条件を満たすものを採用する。
【結果】3通りの評価により、9つの再構成条件に絞り込むことができた。臨床にて、画像の視覚的評価確認を実施し今回のファントム実験による評価と相異なし。【結論】臨床による検討を繰り返し、最適な再構成条件を探索する必要がある。認識不明瞭な集積に対し病巣を認識するため、慎重に検討していきたい。
共同演者
中野 豊
藤田 晴吾
亀田 登
上村 清央
松本 哲郎
梅村 好郎
藤元 登四郎
所属
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線科
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線科
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線科
社団法人 八日会 藤元早鈴病院
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071 核医学 PET/CT(画質・管理)
  PET-CTにおける部分容積効果の評価および補正法の検討
溝口 範子 九州大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
【目的】PET-CT検査における部分容積効果をファントムにて評価し、補正方法の作成を検討した。
【方法】6種の球状ファントムをF-18溶液で満たし、球状ファントム:バックグラウンド比10:1、2:1、1.3:1としてPET-CT(Discovery STE)にて撮影した。各バックグラウンド比において、それぞれのファントムの最大カウントを測定しリカバリ曲線を作成した。
【結果】球状ファントム:バックグラウンド比10:1の時のリカバリ係数はφ13mmでは0.85、φ10mmでは0.48であった。2:1では、φ22mmにて0.82、φ10mmにて0.49であった。さらに1.3:1ではφ22mmにて0.84であったが、φ17mm以下では検出できなかった。各サイズにおけるリカバリ係数は球状ファントム:バックグラウンド比によって異なり、両者を考慮した補正が必要であった。
共同演者
氷室 和彦
大屋 信義
光元 達哉
坂口 裕一
泉川 明日香
亀田 卓典
佐々木 雅之
所属
九州大学病院放射線部
九州大学病院放射線部
九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野
九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野
九州大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
九州大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
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072 核医学 PET/CT(画質・管理)
  68Ge外部線源強度とトータルカウントの関係
亀澤 秀美 社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線部
【目的】あるtransmission(以下、TRAN)収集データと異なる日のTRAN収集データを比較評価する場合、収集時間が同じであってもその比較評価は正しい結果を得ることはできない。なぜならば外部線源強度の減衰により同じ収集時間であってもトータルカウント値が変化しているためである。この研究ではトータルカウントと外部線源強度および収集時間の関係を求めることを目的とした。
【方法】20 cmφ円柱型アクリルファントムをいくつかの線源強度にてTRAN収集を行った。収集したTRAN収集のRawデータに長方形ROIをとり、外部線源強度と収集時間、トータルカウントの関係を調べた。
【結果】外部線源強度とトータルカウントの関係では線源強度が強くなるほど計数損失によりトータルカウントが頭打ちとなる。外部線源強度の違いにおける収集時間とトータルカウントの関係では、収集時間とカウント数の関係は直線関係を示し、線源強度が強いほど傾きが大きくなった。トータルカウントの違いによる外部線源強度と収集時間の関係では、得られた関係から欲しいカウント数を得るために必要な収集時間がわかる。異なる日に同様の測定を行い比較評価する場合、外部線源強度の減衰を考慮し、同様の収集条件(トータルカウント値が同様)となるように収集しなければならない。
共同演者
亀田 登
松本 哲郎
所属
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線部
社団法人 八日会 藤元早鈴病院 放射線部
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073 核医学 PET/CT(画質・管理)
  F-18−酢酸の合成と精製分離
竹永 枝里子 熊本大学医学部保健学科
【目的】臨床利用しているC-11−酢酸の代わりに半減期の長いF-18を用いた、F-18−酢酸の合成とその精製分離の開発。
【方法】ヨード酢酸エチルエステルにクリプトフィックス-222を用いたF-18をアセトニトリル中で反応させ、F-18−酢酸を合成する。その後、分離カラムによりヨード酢酸とF-18−酢酸を分離し、フラクションコレクターと減圧蒸留により分取精製する。
【結果】フッ素酢酸は法的に取り扱いが難しいため、フッ素酢酸のかわりにクロロ酢酸を用いて分離を行った。ヨード酢酸とクロロ酢酸を用いた分析を行った結果、クロロ酢酸は22分に、ヨード酢酸は25分前後にピークが現れた。これらの結果から、フッ素酢酸とヨード酢酸はさらに良好な分離が可能であり、F-18−酢酸を分離カラムとフラクションコレクターを用いて精製分取する。
共同演者
二宮 賢太郎
冨吉 勝美
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部保健学科
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074 核医学 PET/CT(呼吸同期)
  PET-CTにおける呼吸性移動による集積低下の検討
泉川 明日香 九州大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
【目的】PET−CT検査にて呼吸性移動によって生じる集積の過小評価のパターンをファントムにて検討した。
【方法】F-18を満たした6種の球状ホットファントムを移動しない状態(N)と振幅2cm、15往復/分にて移動させながら(M)、PET-CT(Discovery STE)にて撮像した。各sphereの軸位断面での最大カウントを含むピクセルの長軸列のNとMの最大カウント及び最大カウントの80%以上が占める割合を比較した。
【結果】最高カウントはMではNよりも低く、φ22mmでは26%、φ13mmでは55%過小評価した。またそれぞれの最高カウントの80%領域は、φ37mmでは28%、φ22mmでは27%、φ13mmでは56%であった。以上よりPET-CTでは呼吸性移動によって最大カウントの低下が生じ、高集積範囲の割合はサイズによって異なっていた。
共同演者
大屋 信義
光元 達哉
坂口 裕一
亀田 卓典
溝口 範子
佐々木 雅之
所属
九州大学病院放射線部
九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野
九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野
九州大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
九州大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
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075 核医学 PET/CT(呼吸同期)
  呼吸性移動がPET/CTにおける自動輪郭抽出におよぼす影響
亀田 卓典 九州大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
【目的】PET画像における腫瘍輪郭抽出のための閾値を、呼吸性移動を模したファントムを用いて静止状態と移動状態で比較した。
【方法】大きさの異なる6つの球形ファントムにF-18溶液を注入し、周囲を空気とした。PET収集はstaticモードにて静止状態および呼吸周期15回/分・振幅2cmにて移動させた状態で3分間収集した。CTは静止状態で撮像した。まず静止画像の冠状断像の各球の最大割面において、輪郭抽出によって理論上の面積と同等の面積を得る閾値を検討した。次に、移動状態において同様の検討を行った。
【結果】静止画像では理論上の面積と同じ面積を得る閾値は28%であった。一方、移動状態において閾値28%を用いると、得られる面積は理論値の11〜64%と過小評価した。移動状態における至適閾値は6%であった。同一球であっても静止状態と移動状態では輪郭決定のための閾値が異なり注意が必要である。
共同演者
大屋 信義
光元 達哉
坂口 裕一
泉川 明日香
溝口 範子
川上 泰史
玉村 直之
佐々木 雅之
所属
九州大学病院放射線部
九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野
九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野
九州大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
九州大学医学部保健学科放射線技術科学専攻
GE横河メディカルシステム(株)
日本メジフィジックス(株)
九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
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076 核医学 PET/CT(呼吸同期)
  呼吸同期PET/CTによる定量性改善の検討
光元 達哉 九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野
【目的】呼吸移動ファントムを用い移動の有無によるstatic画像、gate画像におけるPETカウント、サイズを比較検討した。
【方法】F-18:39.6kBq/ml をPhantom内の6 spheresに注入。呼吸回数15回/min、移動幅2 cmと設定した移動テーブル上にファントムを乗せ、テーブル移動の有無により、CTはHCT、4DCTを、PETはstatic、gate撮像をそれぞれ行った。撮像法の組み合わせにより、それぞれROI内最大カウント、サイズ計測を行い比較検討した。
【結果】移動無に比べ移動有ではサイズは増大し、最大カウントは低下したが、gate撮像により改善した。しかし、4DCTによる改善傾向はみられなかった。以上よりgate撮像によりPETカウント、サイズともに改善した。
共同演者
坂口 裕一
大屋 信義
氷室 和彦
川上 泰史
玉村 直之
佐々木 雅之
所属
九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野
九州大学病院放射線部
九州大学病院放射線部
GE横河メディカルシステム(株)
日本メジフィジックス(株)
九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
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077 核医学 PET/CT(呼吸同期)
  呼吸同期PET/CT再構成画像にCTデータの違いが与える影響
坂口 裕一 九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野
【目的】呼吸同期PET/CTに利用される4DCTの有用性をファントム実験にて検討した。
【方法】6つの球形ファントムにF-18を39.5Mbq/kg注入、呼吸回数15回/分・振幅2cmの移動をさせた。PETはgateモードで8分間収集した(8bin)。CTは移動するファントムをcineモード収集した4DCT、静止したファントムを各呼吸相の中心で撮像した理想4DCTを用いて、再構成画像を作成した。基準画像は静止したファントムのstatic像とし、PETにおける冠状面の最大面積、75%容積、CTにおける冠状面の最大面積を比較した。
【結果】CTの最大面積は4DCTで有意に大きかった。PETの最大面積の差はほとんど見られなかったが、75%容量は4DCTで有意に小さく(p<0.05)、その高集積部位が占める領域は中心からずれていた。これらの結果から、4DCTを用いると同期PET画像において分布に差異を生じる可能性がある。
共同演者
光元 達哉
大屋 信義
氷室 和彦
川上 泰史
玉村 直之
佐々木 雅之
所属
九州大学大学院医学系学府保健学専攻医用量子線科学分野
九州大学病院放射線部
九州大学病院放射線部
GE横河メディカルシステム株式会社
日本メジフィジックス株式会社
九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
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078 X線検査 頭頸部・上肢
  視束管撮影法の検討−宮崎わかばセミナーの取り組み−
日高 淳一           医療法人隆徳会 宮崎鶴田記念クリニック
【目的】視束管撮影はポジショニングが難しいため、再撮影になる場合が多く、また再現性も悪いため、視束管の安定した描出が難しい。また既知の角度で撮影すると視束管と眼窩縁が重なったり、楕円形に描出されたりすることを多く経験した。そこでこれらの問題を解決すべく検討を行った。
【方法】1. CT画像を用いて正中矢状線と視神経とのなす角度を計測する。 2. 頭部ファントムを用いて角度を変化させて視束管撮影を行い、視束管の描出の変化を調べる。 3. 1.および2.の結果から視束管撮影の角度を検討する。
【結果】CT画像による結果では、正中矢状線と視神経とのなす角度の平均値は24.73度となった。ファントムを用いた検討では25度および35度のときが視束管の描出が良好であった。これらの結果から、正中矢状線と視神経とのなす角度は25度を基準として撮影することが望ましいと思われた。また今回の結果を踏まえて撮影補助具を用いることにより再撮影の減少や再現性の向上を図ることができた。
共同演者
 
所属
 
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079 X線検査 頭頸部・上肢
  茎状突起撮影法の検討-宮崎わかばセミナーの取り組み-
立岡 進次 古賀総合病院放射線技術部
【目的】宮崎わかばセミナーにおいて、茎状突起撮影法についてのディスカッションをおこなったところ、従来の撮影法はポジショニングが難しく患者の負担も大きいという意見があった。また再現性も悪いため、撮影法の再検討が必要という結論になった。そこで茎状突起撮影の角度を検討し、患者の負担が少なく再現性の良い撮影法を考案したので報告する。
【方法】1.頭部ファントムを用いて、眼窩耳孔線を基準として角度を変化させながら撮影を行い、茎状突起の描出が良好な角度を検討した。2.頭部固定装置を利用した撮影法を考案し、ポジショニング・患者負担・撮影条件等について検討を行った。
【結果】頭部ファントムを用いた検討では頭尾方向7〜10度の範囲で描出良好となった。これより撮影角度を頭尾方向10度とし、頭部固定装置を利用した撮影方法を検討したところ、患者負担の減少、再現性の向上、茎状突起描出能の向上がみられ、従来よりも良好な臨床画像の提供が可能となった。
共同演者
久峩 尚也
斉藤 純一
椎葉 拓郎
前田 昌二
所属
古賀総合病院
古賀総合病院
古賀総合病院
古賀総合病院
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080 X線検査 頭頸部・上肢
  頸椎斜位撮影の角度の検討―宮崎わかばセミナーの取り組み―
椎 崇史 潤和会記念病院中央放射線部
【目的】頸椎斜位撮影については、患者の角度を50度斜位とする文献が多くあるが、実際には50度以外の角度で撮影されている施設が多くあった。また実際に撮影を行っている中で、50度で撮影しても椎間孔の描出が不明瞭な場合もあり、撮影角度の再検討が考えられた。そこで今回CT画像より、椎間孔の描出が良好な角度を検討し、さらに性別、年齢別に評価を行ったので報告する。
【方法】1.3D-CT画像を利用して角度を変化させながら椎間孔の描出が良好な角度を調べた。2. CTのAxial画像を利用して、各椎間孔と椎体正中との角度を計測した。
【結果】3D-CT画像による検討結果では文献の50度とほぼ一致した。性差による有意差はみられず、また年齢差による大きな差はなかった。Axial画像による検討結果では、椎間孔の角度が頸椎上部で50度より小さくなり、下部で大きくなる傾向がみられた。結果の詳細については当日発表する。
共同演者
 
所属
 
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081 X線検査 頭頸部・上肢
  Scapula-Y撮影の検討
川崎 久充 福岡整形外科病院 放射線科
【目的】10年前にこの撮影法の検討を行い、現在も高い精度で良好な画像が得られている。一般に撮影頻度が少なく体格等により再撮影が多いといわれている。今回当院で行っている体表面を指標とした簡便な撮り方、及び再撮影の必要性を検討した。
【方法】教科書には肩甲骨上角と肩峰を結ぶ線をフイルムに対して垂直とすることで肩峰下腔を描出するとしている。しかし肩甲骨上角は触れることが困難であるため当院では体表面より触知しやすい肩甲棘長軸を基準とし、これをフイルムに対して上下左右とも垂直とし頭側より15度で撮影を行う。
【結果】再撮影の頻度は1割程度であった。症例を把握し撮影の目的に合った画像の描出を検討するべきである。【結語】体表面より触知できる肩甲棘を基準とすることで簡便かつ正確に行える。また症例にあった撮影をすることで再撮影を減らすことができる。
共同演者
釘宮 慎次郎
辻 英雄
藤戸 大介
香月 伸介
井田 景子
所属
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
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082 X線検査 頭頸部・上肢
  肩関節脱臼における骨形態の検討
釘宮 慎次郎 福岡整形外科病院
【目的】肩関節脱臼の多くは、上腕骨挙上外転肢位での後方からの外力により起こる。しかし先天的に関節窩の形態に変化があると考え計測を行った。肩関節脱臼について、本来随意性脱臼や動揺性肩関節は分類を別に考えるべきと思われるが、今回、後方脱臼2名随意性脱臼2名についても検討を行った。
【方法】当院に来られた肩関節脱臼の患者様男性20名女性4名総計24名について肩関節軸射画像から肩甲骨軸に対する関節窩の後方傾斜角度を計測した。又、正常人26名についても同様の計測をし比較した。
【結果】後方脱臼を除く男性平均値5.3度女性平均値4.08度全体平均値4.69度、正常人平均値6.34度、後方脱臼男性15.4度女性5.9度、随意性脱臼男性21.9度女性5.9度【結語】性別及び正常人との明らかな差異はなく、先天的な骨形態の変化は見られなかった。肩関節脱臼は安定機構を上回る外力及び軟部組織の要因が主であると考える。
共同演者
川普@久充
辻 英雄
藤戸 大介
香月 伸介
井田 景子
所属
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
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083 X線検査 下肢
  大腿骨上顆軸撮影についての検討
高橋 秀行 大分大学医学部附属病院放射線部
【目的】人工膝関節全置換術(TKA)施行時の骨切り角度の評価に有用とされる大腿骨上顆軸撮影(Epicondylar View)法について検討した。
【方法】下腿骨側面画像(33症例)を用いて脛骨上関節面の計測を行い、大腿骨上顆軸撮影の入射角の違いによる脛骨上関節面の描出についての検討と撮影の補助具の作成・改良を行った。
【結果】脛骨上関節面に平行な角度(脛骨上関節面の中点と脛骨下関節面の中点を結んだ線とのなす角)は約83°(±13°)であった。従来法では管球を尾頭方向に10°傾け撮影していたため、寝台を10cm程度上昇させる必要があった。補助具作成により、寝台上昇をせずに撮影(X線入射角が水平)が可能となり、患者の安全性が図れた。また、補助具改良により、ふくらはぎや踵が補助具に触れることなく、下腿骨が下垂可能となり、脛骨上関節面の描出向上が図れた。
共同演者
村上 康則
三和 秋雄
小石 幸生
望月 祐次
高木 育也
所属
大分大学医学部附属病院放射線部
大分大学医学部附属病院放射線部
大分大学医学部附属病院放射線部
大分大学医学部附属病院放射線部
大分大学医学部附属病院放射線部
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084 X線検査 下肢
  膝関節側面像より考える膝蓋骨軸位撮影法
佐々木 崇 霧島市立医師会医療センター
【目的】当院での膝蓋骨軸位撮影は撮影者ごとに異なった撮影方法で撮影しており、経験年数における撮影技術の差、異なった撮影方法、被検者の個体差などにより各技師間でのX線写真の再現性があるとは言い難い。今回我々は膝蓋骨軸位撮影において、膝関節側面像から再現性のある写真を撮影することは出来ないかと言う概念で検討を行った。
【方法】@:膝関節の屈曲の度合いよる膝蓋骨の位置・傾き等の検討を行う。A:膝関節側面像よりX線入射角の基準を算出し、中心線の入射角を求める。B:この方法を用い臨床評価を行う。
【結果】今回の方法を用いることにより、再現性のある膝蓋骨軸位像が撮影出来るのと思われる。しかし膝関節側面像が表示されるまで待つ必要があり、撮影時間の超過が問題点であり、今後この方法を簡便に行える様に検討を重ねる必要があると思われる。
共同演者
平賀 真雄
中村 克也
坂口 右己
塩屋 晋吾
福元 健
橋本 隆志
所属
霧島市立医師会医療センター
霧島市立医師会医療センター
霧島市立医師会医療センター
霧島市立医師会医療センター
霧島市立医師会医療センター
霧島市立医師会医療センター
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085 X線検査 下肢
  A-P方向での顆間窩撮影のための撮影補助台の検討
中野 努 産業医科大学病院放射線部
【目的】顆間窩撮影は一般的に腹臥位の体位で行なわれているが、痛みの強い患者では適応できなかったり、正確な位置合わせが困難なことがある。今回A-P方向からの顆間窩撮影が可能な撮影用補助台を試作した。
【方法】1.良い顆間窩撮影の基準として、(a)顆間窩が他の部分と重ならずに投影されている。(b)脛骨外側関節面が接線に投影されているとした。これらの基準を満たしA-P方向から撮影するため、「大腿骨軸に対するX線の投影角度」、「膝の屈曲角度」を検討した。2.膝のMRIのサジタル画像から大腿骨軸に対して50°の投影角度が適正で、(b)の基準から膝の屈曲角度は50°となった。3.拡大率が小さくなるように、大腿骨膝側を25°上げ、下腿骨足側を25°下げ、大腿骨軸に対するX線入射角度が50°となるよう足側より15°斜入させた。4.拡大率を小さくし、X線の斜入が小さくなるように像面を傾斜させた。5.体位の変換を行わずに左右の顆間窩撮影が行える補助台を検討した。
【結果】試作した撮影補助台を用いて顆間窩撮影を行ったが、全ての患者さんで撮影可能で顆間窩の良好な画像が得られた。
共同演者
中村 幸枝
小川 治久
所属
産業医科大学病院放射線部
産業医科大学病院放射線部
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086 X線検査 下肢
  仮骨延長術における脛骨後傾角度の検討
釘宮 慎次郎 福岡整形外科病院放射線科
【目的】変形性膝関節症における手術方法に仮骨延長術があるが延長前と延長後では脛骨後傾角度に変化がおこり、膝関節正面撮影での入射角度が異なる事が考えられる。そこで、延長前と延長後における脛骨後傾角度を計測し、どの程度変化しているのか調べ最適入射角度を検討した。又、角度が変化する原因も検討したので報告する。
【方法】当院で仮骨延長術を行い1年後に抜釘した患者様男性10名女性28名に対して延長前と延長後の脛骨後傾角度を計測した。
【結果】男性最大値3.82度最小値0.16度平均1.24度女性最大値7.03度最小値0.28度平均2.33度【結語】結果から個人差はあるが平均値男女共に1度〜2度程度であり、ほとんど変化はなかった。実際の撮影で入射方向が異なる要因は、関節拘縮により膝関節の伸展制限がおこる為と考えられる。又、脛骨後傾角度が変化する原因は固定するスクリュウの方向による、手術手技的な問題である。
共同演者
川普@久充
辻 英雄
藤戸 大介
香月 伸介
井田 景子
所属
福岡整形外科病院放射線科
福岡整形外科病院放射線科
福岡整形外科病院放射線科
福岡整形外科病院放射線科
福岡整形外科病院放射線科
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087 X線検査 下肢
  立位足部撮影の検討 〜特に側面像の縦アーチについて〜
辻 英雄 福岡整形外科病院 放射線科
【目的】立位での足部撮影は扁平足や外反母趾等の診断に重要である。当院で使用しているソフトロンボード(緩衝材)は上に乗ることによって多少変形する。今回、その変形が縦アーチに影響を及ぼすかについて検討したので報告する。
【方法】立位側面像において横倉法を参考にし、各定点を結ぶ距離を計測した。対象は今回の研究に理解をしていただいたボランティア男性5名、女性2名、計7人7足で内側・外側の縦アーチの変化をソフトロンボードの有無で比較した。
【結果】ソフトロンボードの有無で縦アーチの変化はほとんどみられなかった。しかし、ソフトロンボードの変形で踵骨部(後方)が沈む傾向にあった。【結語】ソフトロンボードを使用すると変形によって踵骨部が沈み足部全体に荷重がかからない場合がある。又、荷重はかかっていても外側アーチが変化する可能性があるため、撮影をする際に十分に説明し注意する事が必要である。
共同演者
釘宮 愼次郎
川普@久充
藤戸 大介
香月 伸介
井田 景子
所属
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
福岡整形外科病院
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088 画像工学 モニタ
  臨床画像を用いた医用画像表示用液晶ディスプレイの画質評価
黒木 英郁 久留米大学病院 画像診断センター
【目的】本研究では,解像度および表示色(モノクロ・カラー)が異なる5台の医用画像表示用液晶ディスプレイ(以下,LCD)の画質を視覚的に評価した.
【方法】評価対象のLCDは,モノクロLCD(2M, 3M,5M pixels)およびカラーLCD(2M,3M pixels)とした.評価には正規化順位法を適応し,観察画像として診断用に撮影された成人と小児の胸部単純X線画像(各3画像)を使用した.観察実験は診療放射線技師10名で行い,気管分岐部の陰影,右下肺野の肺血管陰影,心陰影と重なる肺血管陰影について,画質が良いと判断した順に順位付けを行わせた.結果に対して,最小有意差法による解析を行い,順位の有意差(有意水準5%)を調べた
【結果】モノクロのLCD 3台は,すべての評価部位で,カラーのLCD 2台より有意に高い順位を得ていた.一方,同じ表示色のLCD間では,順位に有意差を認めず,また,解像度と,画質の順位には規則性を認めなかった.
共同演者
坂口 太郎
片山 礼司
前田 孝
所属
久留米大学病院画像診断センター
久留米大学病院画像診断センター
久留米大学病院画像診断センター
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089 画像工学 モニタ
  ディジタルカメラを用いた簡易的な輝度測定の可能性と画像表示装置の品質管理への応用
橋本 義人 九州大学医学部保健学科
【目的】ディジタルカメラを輝度計の代わりとして利用し,簡便にLCDモニタの受入試験や不変性試験などの品質管理が行えるシステムを開発する.
【方法】LCDモニタにテストパターンを表示し,ディジタルカメラと輝度計で測定してピクセル値と輝度の関係を求めた.その関係からディジタルカメラのピクセル値を輝度に変換し,モニタの輝度均一性やコントラスト応答などの評価を行った.
【結果】輝度が3〜500cd/u の範囲で輝度とピクセル値の関係は直線性を示したが,3cd/u 以下では直線性は見られず再現性は低かった.輝度均一性などの低輝度領域を必要としない品質管理については輝度計を用いた結果と1.3%程度の差であった. 【結論】ディジタルカメラを用いた簡易的な品質管理は,LCDモニタの輝度均一性を評価する上で有用であることがわかった.
共同演者
杜下 淳次
中 健太郎
畠中 史郎
日和佐 剛
高橋 慶多
山口 貴弘
ユン ヨンス
所属
九州大学大学院医学研究院
九州大学大学院医学系学府
九州大学大学院医学系学府
九州大学大学院医学系学府
九州大学医学部保健学科
九州大学医学部保健学科
高麗大学校保健科学大学
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090 画像工学 モニタ
  LCDモニタの輝度の違いが胸部腫瘤陰影の検出能に与える影響
高橋 慶多 九州大学医学部保健学科
【目的】LCDモニタの最高輝度の違いが胸部腫瘤陰影の検出能に与える影響をROC解析で調べる.
【方法】観察者13名で,3つの異なる最高輝度(170cd/u,450cd/u,670cd/u)についてROC解析を行った.観察試料は,日本放射線技術学会が作成し配布している標準ディジタル胸部画像データベースから胸部腫瘤陰影を含んだ画像20枚と含まない画像20枚を用いた.使用したLCDモニタは,モノクロ3メガピクセルで10ビット表示が可能なG31-S(EIZO)である.
【結果】13名の観察者のROC曲線下の面積の平均は,170cd/u が0.824,450cd/u が0.832,670cd/u が0.834と大きな差はなく,検出能に統計的な有意差は見られなかった(両側paired-t検定).【結論】胸部腫瘤陰影の検出に関しては,LCDモニタの異なる輝度で大きな差を示さないことが分かった.
共同演者
尹 湧I
杜下 淳次
末岡 正輝
畠中 史朗
日和佐 剛
橋本 義人
山口 貴弘
所属
高麗大学校保健科学大学
九州大学大学院 医学研究院
先端医療センター
九州大学大学院 医学系学府
九州大学大学院 医学系学府
九州大学医学部保健学科
九州大学医学部保健学科
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091 放射線治療 治療計画
  Large Bore CTにおける被写体位置が画像に及ぼす影響について
加來 直樹 北九州市立医療センター放射線科
【目的】当院では放射線治療計画用CTとしてLarge Bore CT 、Aquilion LBを導入した。当装置は、大口径(900mm)によって体位の自由度、圧迫感の減少などの利点がある。 しかし一方で、Scan FOV内での被写体位置による画質の違いは定かではない。そこで今回、Scan FOV内での中心と辺縁では画質の違いがどの程度あるか評価を行ったので報告する。
【方法】各種ファントムを用い、ガントリーボアの中心から辺縁までoffsetした条件下でのCT値,ノイズ,画像均一性,MTFの測定を行った。 撮影条件は120kV、スライス厚4mmとし、mAs値およびDisplay FOVは測定項目に応じて変化させた。
【結果】被写体が中心から辺縁にoffsetされるにつれて、それぞれの評価項目において画質の低下が現れた。特に均一性の評価ではScan FOV 辺縁において、最大47.78HUと大きな差が確認された。詳細については会場において報告する。
共同演者
満園 裕樹
九町 章博
所属
北九州市立八幡病院放射線科
北九州市立八幡病院放射線科
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092 放射線治療 治療計画
  大開口径CTにおける呼吸同期システムの使用経験
村岡 亜友美 国立病院機構 九州がんセンター 画像診断部 放射線科
【目的】体幹部定位放射線治療に関して、治療計画用CTの撮像方法は、呼気または吸気停止下に行う方法や呼吸位相のモニタリングを行い、呼吸位相に合わせた迎撃照射を行う方法、自由呼吸下で行う方法(Slow Scan法)などがある。今回、当院の放射線治療計画用CT(大開口径CT Aquilion 16 Large Bore)に呼吸同期システムが整備された。呼吸性移動に関してセンサーのレスポンスがどの程度であるかなど、システムの検討を行う。
【方法】1.センサーの感度の検証 2.Scan開始までのTime Ragの検証 3.人工呼吸器を用いた検証
【結果】本呼吸同期システムのセンサーのレスポンスは、増幅機能により小さな変化にも対応でき、体幹部定位放射線治療計画CTにおいて有効であることが示唆された。今後は、臨床的に患者さんのどの部位に置くべきか、また、撮像方法に関して、呼吸を停止した場合と同期した場合のどちらが有効であるのか検討していきたいと考える。
共同演者
高尾 友子
大原 健司
中尾 徹弘
大浦 弘樹
井芹 卓見
所属
国立病院機構 九州がんセンター
国立病院機構 九州がんセンター
国立病院機構 九州がんセンター
国立病院機構 九州がんセンター
国立病院機構 九州がんセンター
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093 放射線治療 治療計画
  頭部CT画像とMR画像の3次元融合画像法の開発
広瀬 直生 熊本大学医学部保健学科
【目的】画像診断において複数のモダリティーを用いて診断することは、それぞれのモダリティーに有利な特性を複合的に利用できるために、診断能が向上することが多い。そこで、本研究では、CTとMRIによる頭部画像の3次元融合画像法の開発を行ったので報告する。
【方法】本研究で使用した症例 は、頭部腫瘍の放射線治療計画のために、同時期に撮影されたCTとMR画像のペアを有する7症例を用いた。CT画像は8列のMDCT装置で撮影され、マトリックスサイズは512×512、スライス厚1.0mmである。MRIは造影3DT1WIを使用し、マトリックスサイズ256×256、スライス厚0.9〜1.1mmである。まず、CTとMR画像のx、y、z方向ボクセル寸法を線形補間法によって同じにした。次に、CTとMR画像の頭部の2値画像の重心を合わせることで、グローバルな位置合わせを行った。最後に、x、y、z軸に対する回転を行い、相互情報量が最大になる回転角度で融合画像を作成した。
【結果】相互情報量を用いて、頭部CTとMRIの融合画像を作成するアルゴリズムを開発した。方法の詳細と融合画像の評価は当日、発表する。
共同演者
桂川 茂彦
堀 大輔
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学大学院保健学教育部
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094 放射線治療 治療計画
  膠芽腫の放射線治療計画のための頭部MR画像における標的病巣およびリスク臓器の半自動抽出
堀 大輔 熊本大学大学院保健学教育部
【目的】放射線治療計画では,CT画像単独で標的病巣及びリスク臓器の同定を行うよりも,MRやPET画像を併用することで,より精度の高い同定が行えることが知られている。本研究では,膠芽腫を標的病巣として,3TMR画像における標的病巣及びリスク臓器を半自動的に抽出する方法を開発したので報告する。
【方法】本手法開発のために膠芽腫を有するMR画像7症例を使用した。画像は,3TMR装置により撮像された造影3DT1WIであり,スライス厚0.9〜1.1mm,マトリックスサイズ256×256である。また,対象リスク臓器は眼球,視神経,視交叉,脳幹である。まず,画像の濃度分析,形態分析を行うことで標的病巣及びリスク臓器の半自動抽出を行った。次に,手動法により抽出を行い,半自動法の抽出結果と比較を行った。手動法はスライス毎に対象領域境界を追跡することにより抽出した。
【結果】開発した半自動抽出法は,標的病巣及びリスク臓器を高精度で抽出し,膠芽腫の放射線治療計画に有効であると考えられる。半自動抽出法のアルゴリズムの詳細については当日発表する。
共同演者
桂川 茂彦
村上 龍次
平井 俊範
所属
熊本大学医学部保健学科
熊本大学医学部附属病院
熊本大学医学薬学教育部
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095 放射線治療 治療計画
  非対称照射野におけるMU値の検証
平野 奈緒美 九州大学病院医療技術部
【目的】放射線治療の高度化に伴い、リスク臓器をはずし、標的容積への線量を集中させるため非対称絞りを使用した症例が増加している。当院で行っている手計算によるMU検証は対称絞りしか考慮していないため、症例によっては治療計画装置により計算されたMU値との差が大きくなる。手計算によるMU検証の精度をあげるべく、非対称照射野の全散乱係数を使用して、MU値の検証を行ったので報告する。
【方法】治療計画装置で水ファントムにおける非対称照射野のMU値を求める。治療計画装置により算出したMU値と当院で使用している手計算ソフトより求めたMU値、非対称照射野の全散乱係数を考慮して求めたMU値の比較を行った。
【結果】詳細は会場にて報告する。
共同演者
橘 昌幸
野口 佳孝
福永 淳一
吉留 郷志
廣瀬 貴章
所属
九州大学病院
九州大学病院
九州大学病院
九州大学病院
九州大学病院
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096 放射線治療 治療計画
  仰臥位における全脳全脊椎照射用治療補助具の作成
川田 秀道 久留米大学病院放射線治療センター
【目的】小児や腹臥位が困難な患者に対して安全に施行可能な仰臥位における全脳全脊椎照射用治療補助具を作成する.
【方法】安価でかつ加工が容易な積水化学社製軟質独立気泡発泡体(商品名:ソフトロンボード)の#1500タイプを補助具の主材料として採用した.まず幅50cm,長さ200cm,厚さ5cmのソフトロンボード板を2枚作成し(パーツAおよびB),その内の1枚(パーツA)に対し幅5cm,長さ70cmの矩形の孔を設けた.更にパーツAには頭部固定用枕の固定および頭部シェル固定用のパーツおよびリニアックグラフィー取得のためのカセッテ保持部を設けた.パーツBは,幅15cm,長さ70cmの矩形の穴を設けパーツAおよびパーツBを接着し厚さ10cmとした.
【結果】患者セットアップ時間の短縮および固定が確実となり安全に治療が可能となった.
共同演者
大倉 順
小野 博志
才田 義文
福留 良文
所属
久留米大学病院放射線治療センター
久留米大学病院放射線治療センター
久留米大学病院放射線治療センター
久留米大学病院放射線治療センター
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097 放射線治療 管理・精度
  標準測定法(01)校正ワークシート統一化の取組み−宮崎放射線治療技術管理研究会 統一シート研究班の活動報告−
久峩 尚也 医療法人 同心会 古賀総合病院 放射線技術部
【目的】宮崎放射線治療技術管理研究会において, 2007年6月に統一シート研究班が発足した.研究班の活動により,標準測定法(01)におけるX線の線量校正統一ワークシート(以下,統一ワークシート)Ver. 1.0が完成し,2008年6月より県内の放射線治療施設にて運用を開始した.そこで,X線統一ワークシートの紹介と,現在活動している電子線の統一ワークシート作成に向けた取組みを報告する.
【方法】年3回開催される研究会やネットワークを利用したウェブ会議にて検討・評価を重ね,X線統一ワークシートを作成した.電子線統一ワークシートの作成は,X線統一ワークシートをベースに実施している.
【結果】校正ワークシート統一化の取組みにより,標準測定法(01)の更なる普及と共に,品質管理業務の簡便化,治療技術水準の標準化・レベル向上を目指す.
共同演者
岩元 昭人
尻枝 勝敏
山神 昭彦
佐藤 勇
遠矢 修幸
上園 勝弘
川村 慎二
所属
医療法人同心会 古賀総合病院 放射線技術部
社団法人八日会 藤元早鈴病院 放射線部
潤和リハビリテーション振興財団 潤和会記念病院 放射線部
国立病院機構 都城病院 放射線部
宮崎県立日南病院 放射線部
潤和リハビリテーション振興財団 潤和会記念病院 放射線部
宮崎大学医学部付属病院 放射線部
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098 放射線治療 管理・精度
  エクセルを使用した標準測定法01に準拠した電子線深部吸収線量曲線作成プログラムの開発
廣木 昭則 佐賀大学医学部附属病院放射線部
【目的】電子線の深部吸収線量曲線を作成するには、多種のパラメータを考慮して求める必要があり、手計算で求めるには、多くの時間と手間を要する。今回、エクセルを使用して標準測定法01に準拠した電子線深部吸収線量曲線作成プログラムを開発したので報告する。
【方法】電子線の深部吸収線量曲線(以下PDD)を作成するには、まず電子線深部電離量曲線(PDI)にて電子線の平均入射エネルギーを求める必要があるので、PDIとPDDを作成するプログラムを作成した。計算に必要な数値を入力し、測定深、線量計の指示値を入力するとPDI,PDD、その他治療に必要な数値を計算、表示するように作成した。
【結果】作成したプログラムに必要な数値を入力するだけで、直ちに表示できた。また手計算で検証が可能なシートも作成し、検証も容易である。今回作成したプログラムを使用することにより、データ処理に要する時間を短縮することができた。
共同演者
中島 弘泰
永見 範幸
阿部 一之
所属
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
佐賀大学医学部附属病院放射線部
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099 放射線治療 管理・精度
  フィルムレスによる外部放射線治療装置のQA/QC
廣瀬 貴章 九州大学病院医療技術部
【目的】放射線治療システムの質的保証/質的管理(QA/QC)は近年特に重要視されており、H.20年4月より、医療機器管理加算2として策定も可能となった。QA/QCには、線量計などの様々な機器が使用され、多くの項目でフィルムを使用する方法が行われてきた。フィルムレス化にともない、治療においてもフィルムを使用しない方法についての検討が必要となってきたため、その方法について検討した。
【方法】使用装置はVarian CLINAC21EXで、アイソセンタ指示点の確認などの管理項目を対象とし、フィルムレスによる方法の検討を行った。
【結果】検討中
共同演者
橘 昌幸
野口 佳孝
福永 淳一
平野 奈緒美
吉留 郷志
所属
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
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100 放射線治療 管理・精度
  フィルムレス化による多分割コリメータ(MLC)の質的管理
野口 佳孝 九州大学病院
【目的】放射線治療システムの質的保証/質的管理(QA/QC)は重要であり、近年特に重要視されており、H20年4月より、医療機器管理加算として策定も可能となった。QA/QCには線量計などの機器が使用され、多くの項目でフィルムを使用する方法が行われてきた。診断部門のフィルムレス化にともない、治療においてもフィルムを使用しない方法についての検討が必要となってきた。今回MLCの質的管理において、従来フィルムを用いて行なっていた項目について、その他の方法を検討した。
【方法】MLCの制御位置管理、dynamic MLC プロファイル比について、フィルム以外の機器を用いて検討する。
【結果】検討中につき、当日会場にて発表する。
共同演者
橘 昌幸
福永 淳一
平野 奈緒美
吉留 郷志
廣瀬 貴章
所属
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
九州大学病院医療技術部
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