研究発表抄録 |
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001 | 特別講演 | |
医療安全をめぐる最近の動向について | ||
教授 田村 正三 | 宮崎大学医学部 病態解析医学講座 放射線医学分野 | |
【概要】少しでも安全な医療の実現は国民的な願いであり,医療従事者にとっても極めて重要な課題である. 最近の医療事故・インシデントの報告制度は問題点の理解および対策を共有することにより,事故の予防に効果を上げている.宮崎大学医学部附属病院放射線部で起こったインシデントと対策について紹介する. ところで,本年6月に医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案が厚労省から発表されパブリックオピニオンが募集された.これは「医療事故死等の原因を究明し・・・もって医療事故の防止に資することを目的とする」ものであるが,はたしてどうか.ただいま推進派と懐疑派の間で激しい意見が交わされている.「本当に医師法21条(異常死体などの届出義務)問題を回避し,医療事故の防止に資すること」ができるのか,また「医師法21条が強化され,刑事,民事罰および行政処分強化に資することになり一層の萎縮医療,医療荒廃へつながる」のか議論は白熱するばかりである.この中で,医療安全にかかわる重大なポイントが議論されていると思うので,私見を交えて要点を紹介する. |
002 | 特別講演 | |
「診療放射線技師の役割」 | ||
会長 北村 善明 | 社団法人 日本放射線技師会 | |
【概要】国民への安全・安心の医療の提供は、医療職の一員である診療放射線技師にとっても当然のことである。放射線技師としての専門分野のみならず、医療機器の安全管理、医療被ばくの低減など放射線部門における医療安全対策のほか、施設全体の安全対策にも携わることも放射線技師の重要な役割の一つとなってきている。 このような中で、放射線技師に求められているもの、また、その役割を遂行していくためにはどのような対応が必要かなど、現在の医療政策、放射線技師の生涯教育のあり方などを踏まえ、技師会としての具体的な取組みについて、制度の構築状況と実績について概説する。 |